第三帝国再建物語

帝国再建編

31．

ドイツ軍と日本軍が、共同で連合軍を逐次追い詰めている中、連合軍でもこれに対抗して着々と新兵器の投入が急がれていた。

そんな事には、ついぞ知れずといったような感じでパイパー戦車軍団が遂に日本軍戦車隊との合流に成功したのであった。

パイパー戦車軍団が、日本軍戦車隊合流したのは山岳地帯に突入する手前の魔の山といわれる山の麓にあるウィザリという薄気味悪い靄がかった小さな町の手前で、けたたましく機関銃の音や大砲による砲撃音が間断なく聞こえてきたので、すかさずウィザリへ突入したのであった。

だが、パイパー戦車軍団が突入すると既に日本軍との壮絶な戦闘でこてんぱんにされたのか、僅かばかりの抵抗で難なく占領出来た。

その後、パイパーからモーデルに指揮権が移り、日独軍の本隊も次々と到着しだして日独の両軍合わせて十二万人という陣容であった。

ウィザリの町は、瞬く間に枢軸国軍最前線基地司令部に早変わりした。

その後は、ドイツ軍主体よる山岳地攻略戦へと移行していった。

始めに、シュトゥーカ急降下爆撃機(Ju87)をメッサーシュミット隊(Bf109)やフォッケウルフ隊(Ta152)等の戦闘機で護衛任務に着いて爆撃を開始した。

だが、予想外に対空砲火が厚く近付けないで空中で右往左往していると、敵戦闘機が後方にある航空基地からホーカーハリケーン(Mk.IIC)等で、迎撃を受け友軍機が次々撃墜され始め、被害が馬鹿にならない数になってきたので一時攻撃を取り止めた。

その後、それを見ていた辻に日本海軍から零式艦上戦闘機も急遽そう遠くない所にある滑走路(元々は、イギリス空軍が使用していたのだが日本軍が近づいたと知ると撤退してもぬけの殻となっていた所)に到着して給油も済ませたという知らせが入った。

これに、辻は占めたといつものこわばった顔が少し緩めの顔になった。

辻は、早速行動を起こした。

それは、ドイツ軍側への提案であった。

「まず、我が大日本陸軍の戦車、歩、砲兵隊で高射砲陣地等に大挙攻撃し、占領するのと時を同じくして、零式艦上戦闘機零戦を敵地深くにある敵航空基地を零戦なら飛行距離が長いうえに強力なバルカン砲も装備しているから急襲にはもってこいである！それとは、別に爆装を施した零戦で味方地上部隊の援護に尽力せんとす！！」と自信満々そうな顔つきで、刀を握りしめ逆らえば斬られるというようないっしゅの狂気じみた感じになっていて、ドイツ軍側としてはこれ以上損害が出ればヒトラーに何をされるか解らないという事で可決された。

こうして、この先何が起こるかも知らず日本軍主体の山岳戦へと移行していったのであった。