第三帝国再建物語

篠田 雄亮

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帝国再建編

32.

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ドイツ軍側に、提案して可決されるやいなや辻は軍刀を手にはやる気持ちを抑えながら行動にうつったのであった。

辻が、大日本帝国陸軍本部の天幕へと早足で行くと大、中隊の長を集めた打ち合わせをそんな長くかからず終わらせた。

この打ち合わせでは、三〇〇〇時から砲兵が敵の陣地に砲撃を五分間行い、次いで戦車を先頭に歩兵が軽装で突撃し、銃剣をもって白兵戦に突入するという事で決まった。

そして、昨今の戦闘で負傷したり戦死したりして欠員が生じている隊の編成替えを行った。

それまで、かなり時間があるので大休止にした。

すると、兵士達は炊飯をしたり銃等といった物を分解して点検したり、近くの川へ行って服を脱いでふんどし姿で脱いだ服を洗い、近くの木に干して日向ぼっこをしながらうとうと寝入ったりしていた。

これが、ガダルカナルやインパールだと直ぐに敵機が飛んで来て機銃掃射等で落ち着いてられないのだが、今回は、昔と違ってドイツ軍が空中で敵機を警戒たり八十八ミリ高射砲等といった優れた火砲が警戒してくれているので制空権は、枢軸国軍が握っていてそんな事はなかった。

〇二〇〇になると、いよいよ装具を整え全隊が行動を開始した。

戦車に、エンジンがかかると軽戦車から順に勢いよく出ていく歩兵もそれに続くように途中までトラックに乗せて移動をした。

移動している時は、魔の山特有の霧がかった暗い道だったのだが前照灯は着けずに行った。

敵陣地までの道は、ちょっと険しいので歩兵はトラックから下車して戦車と同じ速さで歩いて敵の前方三百メートルまで迫った。

そこに着くと、丁度作戦開始時間の三〇〇〇になっていたので、砲兵による砲撃が始まった。

砲撃が、終わり次第戦車で歩兵を援護させて敵の掩蔽壕を破壊していった。

そして、歩兵達が次々と敵陣地の塹壕内に踊り込んで白兵戦でものをいわせて占領していった。

そんな中、いよいよ敵地深くにある敵高射砲陣地に突入しようとした時不意に手榴弾戦が開始された。

敵は、オーストリア兵とイギリス兵の混合だった。

だが、敵は今まで追い詰められた事がないのか手榴弾の安全ピンを抜かないで遮二無二投げて来るものだからそれを今度は、日本軍兵士が投げ返すという一種のコントのような状態になっていた。

この陣地だけは、凄い抵抗したのでここで日本軍の進撃は一時的にではあったが停滞した。

そんな時、歩兵を伴った戦車三輛が敵陣地に突入して行った。

それが、功を奏したのかやっと占領できた。

それを遠くで、見ていた辻が直接歩いて来て直接その場の指揮官に口頭で
「引き続き次の敵陣地も頼む!!」
と言ってきたので休む間もなく更に奥の敵陣地にも攻撃が開始されようとしていた。
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