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4月
いつもの朝 side黎
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大好きな人の声が、聞こえる。
「んっ!陽ちゃん・・・?ちょ、寒い返して・・・」
朝飯作っといてやるから、と下へ消えて行った彼に、思わず見惚れて。あぁ、かっこいいなと。今日も思った。
日村陽太。8月3日生まれ、15歳。僕の家の隣、日村家の長男で、上から2番目。家は道場。剣道もやってたけど、サッカーが楽しくて転向。今年、スポーツ推薦で近くのサッカーが有名な高校に入った。さっそく、レギュラー。運動神経がよくて、頼もしくて、明るくて、かっこいい、僕の幼馴染。
僕が、10年ほど片思いし続けてる、初恋の、最愛のひと。
どんなに忙しくても、毎朝、家まで来てくれて。朝ご飯作ってくれて。表情がうまく変わらず、気持ち悪い僕の話を、いつも、最後まで聞いてくれて。大好きで。毎朝、好きがあふれそうになる。
*****
in電車。
陽ちゃんは、とても背が高い。高1だけれど、もう182㎝もあると、この前言っていた。まだ171㎝の僕は、いつも陽ちゃんと話すとき、ちょっと見上げている。陽ちゃん、かっこいいな、とぼーっとみていたら、突然こっちを見るので、あわてて視線を窓にずらした。ちょうど窓の外に桜が見えたので、
「陽ちゃん、桜。」
と誤魔化してみた。体温が数度上がった気がする。心臓が、ばくばくいっていた。しばらく、まともに、顔見れない。
「綺麗だな、桜。」
返事なんて期待してなかったし、あわてすぎて一瞬なんのことかわからなかった。桜の話に、返してくれたのだ、と気づいてあまりのうれしさに言葉がでなかった。
「ん。」
とだけ答える。自分でふった割にひどい返事だな、とか。生返事に聞こえてないだろうか、とか。いろいろ考えて、ちょっと落ち込んだ。
*****
in学校
陽ちゃんとは、校門を入ってすぐ別れる。朝練はグラウンドでやるので、校舎とは反対方向なのだ。陽ちゃんに合わせて学校に来てるため、いつもHRまでかなりの時間がある。だから僕は、いつも図書館に来ていた。文武両道を掲げる、この私立・涼恵学園は、図書館も充実しており、司書さんが常駐している。そのため、朝早く開き、放課後遅くまでやっているという、なんとも素晴らしい図書館なのだ。もちろん蔵書も多く、勉強する場所もあり、静かなこの図書館が僕は大好きだった。
司書さんに軽くあいさつし、いつもの席へ向かう。4階にあるこの図書館は、広い窓からの眺めも売りで、勉強机は窓に向かって並んでいる。その中の、一番左端。グラウンドが、唯一はじからはじまで一望できる、入学してすぐみつけた、僕だけの特等席だ。昨日借りた、読みかけの本を取り出して、読んでるふりをしつつグラウンドをみる。
ユニフォームに着替え、先輩たちに交じって練習している、愛しい人の姿が見えた。どこにいてもわかる、彼の姿。小さいころから見ているけど、みなれない。少し遠くて細かい表情までなんて、わからないけど。陽ちゃんがとても楽しそうに部活をしてるってことだけは伝わってきて。陽ちゃんのそんな姿を見るだけで、あまり得意じゃない学校だけど、今日も一日頑張ろうと、そんな気持ちになれるのだ。
「んっ!陽ちゃん・・・?ちょ、寒い返して・・・」
朝飯作っといてやるから、と下へ消えて行った彼に、思わず見惚れて。あぁ、かっこいいなと。今日も思った。
日村陽太。8月3日生まれ、15歳。僕の家の隣、日村家の長男で、上から2番目。家は道場。剣道もやってたけど、サッカーが楽しくて転向。今年、スポーツ推薦で近くのサッカーが有名な高校に入った。さっそく、レギュラー。運動神経がよくて、頼もしくて、明るくて、かっこいい、僕の幼馴染。
僕が、10年ほど片思いし続けてる、初恋の、最愛のひと。
どんなに忙しくても、毎朝、家まで来てくれて。朝ご飯作ってくれて。表情がうまく変わらず、気持ち悪い僕の話を、いつも、最後まで聞いてくれて。大好きで。毎朝、好きがあふれそうになる。
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陽ちゃんは、とても背が高い。高1だけれど、もう182㎝もあると、この前言っていた。まだ171㎝の僕は、いつも陽ちゃんと話すとき、ちょっと見上げている。陽ちゃん、かっこいいな、とぼーっとみていたら、突然こっちを見るので、あわてて視線を窓にずらした。ちょうど窓の外に桜が見えたので、
「陽ちゃん、桜。」
と誤魔化してみた。体温が数度上がった気がする。心臓が、ばくばくいっていた。しばらく、まともに、顔見れない。
「綺麗だな、桜。」
返事なんて期待してなかったし、あわてすぎて一瞬なんのことかわからなかった。桜の話に、返してくれたのだ、と気づいてあまりのうれしさに言葉がでなかった。
「ん。」
とだけ答える。自分でふった割にひどい返事だな、とか。生返事に聞こえてないだろうか、とか。いろいろ考えて、ちょっと落ち込んだ。
*****
in学校
陽ちゃんとは、校門を入ってすぐ別れる。朝練はグラウンドでやるので、校舎とは反対方向なのだ。陽ちゃんに合わせて学校に来てるため、いつもHRまでかなりの時間がある。だから僕は、いつも図書館に来ていた。文武両道を掲げる、この私立・涼恵学園は、図書館も充実しており、司書さんが常駐している。そのため、朝早く開き、放課後遅くまでやっているという、なんとも素晴らしい図書館なのだ。もちろん蔵書も多く、勉強する場所もあり、静かなこの図書館が僕は大好きだった。
司書さんに軽くあいさつし、いつもの席へ向かう。4階にあるこの図書館は、広い窓からの眺めも売りで、勉強机は窓に向かって並んでいる。その中の、一番左端。グラウンドが、唯一はじからはじまで一望できる、入学してすぐみつけた、僕だけの特等席だ。昨日借りた、読みかけの本を取り出して、読んでるふりをしつつグラウンドをみる。
ユニフォームに着替え、先輩たちに交じって練習している、愛しい人の姿が見えた。どこにいてもわかる、彼の姿。小さいころから見ているけど、みなれない。少し遠くて細かい表情までなんて、わからないけど。陽ちゃんがとても楽しそうに部活をしてるってことだけは伝わってきて。陽ちゃんのそんな姿を見るだけで、あまり得意じゃない学校だけど、今日も一日頑張ろうと、そんな気持ちになれるのだ。
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