愛人

鈴江直央

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歌詞のようなもの

大丈夫

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大丈夫って言い聞かせないと自分を保てないから
大丈夫って言い聞かせてまた笑う

あなたに私がいらない存在だって
感じたことないような心痛だって
ちょっと喉が痛くたって
少し頭が痛くたって
身体が少し重く感じたって
私は強いから
あなたなんていなくたって大丈夫

人は私が笑うと安心する
それを知ってるから私はいつでも笑って安心させる
大丈夫じゃないなんてことない
大丈夫だから私は笑う

傷つけられても傷つけられたと思わないから
悲しくて涙が出るのもきっと気のせいだから
背中を向けられて寂しいのも今だけだから
大丈夫だよ

毎日ちゃんと笑って生きている
あなたがいつか私に会いに来たら大丈夫って笑う
その練習を今、毎日、続けてる

きっとそのうち泣くことも忘れて
傷つくことも忘れて
悲しむことも痛むことも全部忘れて
あなたに会えたという喜びだけで生きていける

ずっとズキズキと痛む心臓
どれだけ眠ってどれだけ大丈夫だといい聞かせて
大丈夫大丈夫だと思っても
心臓だけはずっと痛くて悲鳴を上げている

気のせいだと思っても
今だけだと思っても
ずっとずっと痛くて時々どうしても痛くて
笑顔が引きつることがあって
そんなときは、我慢せずに泣く
また、大丈夫って言えるまで沢山泣く
大好きだと笑えるまで
お願いだからこの時だけは泣かせてください

いつしか大丈夫と笑う私がそこに
あなたに見せる顔は
悲しいや、苦しいや、辛いではなく
嬉しい、楽しい、幸せだがいい

大丈夫と知って
大丈夫じゃないと知って

楽になれるなら
ずっと痛むこの心臓を
大丈夫と言わなくて良いのなら
泣いてもなお痛むこの心臓を
笑わなくたっていい世界に行けるのなら
何故痛むのかも分からないこの心臓を

壊して
壊して
壊して

真っ赤に濡れた手が触れるのは、
柔らかい下がらない唇。

それでもなお、私は告げる。
それでもなお、私は笑う。

「大丈夫」
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