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106章
元魔王様と冒険者の国 9
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グランドマスターの部屋で少し待っているとダングスが戻ってくる。
金庫からユメノに渡す金を取ってきてくれたのだ。
「ほら、白金貨九十枚だ。」
「ありがとうございます!」
ダングスの差し出した大きな金袋を嬉しそうに受け取るユメノ。
これでジルから購入するレテルシエルの鱗の代金を確保出来た。
「そんな大金を簡単に出せるとは儲かっているな。」
「このギルドは一番最初に出来た事もあり、ギルドの本部の様な立ち位置だ。各ギルドから定期的に売上の一部を収めてもらってるから金なら余りまくってるんだ。」
このギルドには各国のギルドから様々な物が集まってくる。
その中には金も含まれており、その総資産は貴族でも太刀打ち出来無い程らしい。
「そのおかげでこうして素材も買える訳ですから有り難い限りです。それではジルさん、こちらをどうぞ。」
「ああ、確かに受け取った。」
ダングスからユメノに渡された金袋を今度はジルが受け取る。
白金貨九十枚もあればレテルシエルも大満足だろう。
そしてこれでレテルシエルの鱗はジャミール王都ギルドの物だ。
「ではジャミールに戻ったら素材は渡そう。それまでは我が預かっておく。」
「はい、お願いします。」
ユメノが嬉しそうに頷く。
早速帰った後の鱗の運用方法を模索し始めた。
これ程高価な素材を扱うのは初めてなので、どうすればギルドの利益になりつつ関係者が満足出来るかを考える。
レーテルの意向も伝えてあるのでユメノなら大丈夫だろう。
「ダングス、先程金なら余りまくっていると言ってたな?」
「余ってるだけでタダで渡すなんて事は出来無いぞ。」
「そんな事は言わん。ダングスもユメノの様に原初の龍の素材を買わないかと言う提案だ。」
「何?」
「え!?まだ持ってるんですか!?」
ジルの提案に二人が驚く。
まさか希少で滅多に出回る事の無い原初の龍の素材を複数持っているとは思わなかったのだ。
「ああ、こっちは鱗では無く牙だがな。」
「「牙(だと)!?」」
二人の驚きが更に増す。
思わず身を乗り出している。
「と言っても完品では無い。本来の半分程と言ったところか。」
そう言いながら無限倉庫の中から取り出して見せる。
元がドラゴンと言う巨大な魔物故に、半分の大きさと言ってもとんでもなく大きい。
「原初の龍の牙なんてとんでもないですよ!?ドラゴン種の中でも牙や爪は超高額で取り引きされています!」
「それが原初の龍となるとな。鱗よりも高くなるのは確実だ。」
二人がジルの取り出した牙を見ながら言う。
ドラゴン種の牙や爪は武器に用いられる最高峰の素材だ。
しかも原初の龍となればその価値は計り知れない。
「ほう、牙とはそれ程なのか。ユメノはこちらの方が良かったか?」
「い、いえ。さすがに手が出せないですよ。」
ユメノが首を大きく横に振りながら言う。
「完品で無いのに白金貨百枚を超えるのか?」
「世界最高峰の素材だからな。これで武器を作ればどれ程の代物が出来る事か。」
国宝級の武器が出来上がるのは間違い無いだろう。
だからこそ素材の段階で手の出せる者は限られてくる。
誰もが欲する素材ではあるが、王侯貴族、豪商、高ランク冒険者くらいしか手が出せない。
「ふむ、やはり原初の龍の素材とはとんでもなく高価な物なのだな。」
「当たり前だろう?原初の龍自体遭遇する事が稀なんだ。その素材をこれだけ持っているお前は一体何者なんだ?」
グランドマスターとして様々な経験をしてきたが一日にこんなに驚かされたのは初めてだ。
だからこそジルと言う人族が気になる。
「ダングスさん、そう言った質問は無しでお願いします。ジルさんは詮索されるのを嫌っていまして、私との取り引き関係が解消される可能性もありますので。」
「おっと、それは悪かったな。」
「今後気を付けてくれればいい。」
ジルは色々と話せない事が多い。
ユメノはそれを理解して取り引きしてくれているのでジルにとっても有り難い存在だ。
「違法性は無いんだな?」
「それは保証しよう。」
龍人族の里から原初の龍の許可を得て貰ってきた物だとは言えないが違法性は皆無だ。
レテルシエルに沢山貰ったので少しくらい売っても無限倉庫の中に在庫は充分だ。
「違法性が無いならギルドとしては文句は無いな。せっかく提案してくれたんだ、俺の方でも一つ買わせてもらおうか。そうだな、白金貨二百枚でどうだ?」
「白金貨二百枚!?」
「そんなに高額でいいのか?」
ダングスの提示した額にユメノが驚いているがジルも同意見だ。
完品でも無いのにはまさか鱗の二倍の値段が付けられるとは思わなかった。
「多少は色を付けているが、それでも損はしないだろう。これだけの大きさだから剣なら数本は作れそうだしな。それにジルの機嫌を良くしておけばイストール戦武祭参加の可能性も上がりそうだろう?」
「そう言った魂胆か。ならばその値段で売らせてもらおう。」
「おう、また金庫に行ってくる。」
ダングスは再び部屋と金庫を往復するのだった。
金庫からユメノに渡す金を取ってきてくれたのだ。
「ほら、白金貨九十枚だ。」
「ありがとうございます!」
ダングスの差し出した大きな金袋を嬉しそうに受け取るユメノ。
これでジルから購入するレテルシエルの鱗の代金を確保出来た。
「そんな大金を簡単に出せるとは儲かっているな。」
「このギルドは一番最初に出来た事もあり、ギルドの本部の様な立ち位置だ。各ギルドから定期的に売上の一部を収めてもらってるから金なら余りまくってるんだ。」
このギルドには各国のギルドから様々な物が集まってくる。
その中には金も含まれており、その総資産は貴族でも太刀打ち出来無い程らしい。
「そのおかげでこうして素材も買える訳ですから有り難い限りです。それではジルさん、こちらをどうぞ。」
「ああ、確かに受け取った。」
ダングスからユメノに渡された金袋を今度はジルが受け取る。
白金貨九十枚もあればレテルシエルも大満足だろう。
そしてこれでレテルシエルの鱗はジャミール王都ギルドの物だ。
「ではジャミールに戻ったら素材は渡そう。それまでは我が預かっておく。」
「はい、お願いします。」
ユメノが嬉しそうに頷く。
早速帰った後の鱗の運用方法を模索し始めた。
これ程高価な素材を扱うのは初めてなので、どうすればギルドの利益になりつつ関係者が満足出来るかを考える。
レーテルの意向も伝えてあるのでユメノなら大丈夫だろう。
「ダングス、先程金なら余りまくっていると言ってたな?」
「余ってるだけでタダで渡すなんて事は出来無いぞ。」
「そんな事は言わん。ダングスもユメノの様に原初の龍の素材を買わないかと言う提案だ。」
「何?」
「え!?まだ持ってるんですか!?」
ジルの提案に二人が驚く。
まさか希少で滅多に出回る事の無い原初の龍の素材を複数持っているとは思わなかったのだ。
「ああ、こっちは鱗では無く牙だがな。」
「「牙(だと)!?」」
二人の驚きが更に増す。
思わず身を乗り出している。
「と言っても完品では無い。本来の半分程と言ったところか。」
そう言いながら無限倉庫の中から取り出して見せる。
元がドラゴンと言う巨大な魔物故に、半分の大きさと言ってもとんでもなく大きい。
「原初の龍の牙なんてとんでもないですよ!?ドラゴン種の中でも牙や爪は超高額で取り引きされています!」
「それが原初の龍となるとな。鱗よりも高くなるのは確実だ。」
二人がジルの取り出した牙を見ながら言う。
ドラゴン種の牙や爪は武器に用いられる最高峰の素材だ。
しかも原初の龍となればその価値は計り知れない。
「ほう、牙とはそれ程なのか。ユメノはこちらの方が良かったか?」
「い、いえ。さすがに手が出せないですよ。」
ユメノが首を大きく横に振りながら言う。
「完品で無いのに白金貨百枚を超えるのか?」
「世界最高峰の素材だからな。これで武器を作ればどれ程の代物が出来る事か。」
国宝級の武器が出来上がるのは間違い無いだろう。
だからこそ素材の段階で手の出せる者は限られてくる。
誰もが欲する素材ではあるが、王侯貴族、豪商、高ランク冒険者くらいしか手が出せない。
「ふむ、やはり原初の龍の素材とはとんでもなく高価な物なのだな。」
「当たり前だろう?原初の龍自体遭遇する事が稀なんだ。その素材をこれだけ持っているお前は一体何者なんだ?」
グランドマスターとして様々な経験をしてきたが一日にこんなに驚かされたのは初めてだ。
だからこそジルと言う人族が気になる。
「ダングスさん、そう言った質問は無しでお願いします。ジルさんは詮索されるのを嫌っていまして、私との取り引き関係が解消される可能性もありますので。」
「おっと、それは悪かったな。」
「今後気を付けてくれればいい。」
ジルは色々と話せない事が多い。
ユメノはそれを理解して取り引きしてくれているのでジルにとっても有り難い存在だ。
「違法性は無いんだな?」
「それは保証しよう。」
龍人族の里から原初の龍の許可を得て貰ってきた物だとは言えないが違法性は皆無だ。
レテルシエルに沢山貰ったので少しくらい売っても無限倉庫の中に在庫は充分だ。
「違法性が無いならギルドとしては文句は無いな。せっかく提案してくれたんだ、俺の方でも一つ買わせてもらおうか。そうだな、白金貨二百枚でどうだ?」
「白金貨二百枚!?」
「そんなに高額でいいのか?」
ダングスの提示した額にユメノが驚いているがジルも同意見だ。
完品でも無いのにはまさか鱗の二倍の値段が付けられるとは思わなかった。
「多少は色を付けているが、それでも損はしないだろう。これだけの大きさだから剣なら数本は作れそうだしな。それにジルの機嫌を良くしておけばイストール戦武祭参加の可能性も上がりそうだろう?」
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「おう、また金庫に行ってくる。」
ダングスは再び部屋と金庫を往復するのだった。
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