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4章
元魔王様と初めての依頼 11
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「仮にも王の名を冠する魔物ならば、配下を見捨てず共に戦ってる姿が見たかったのだが。」
これは前世が王の名を冠した自分に少し重ねた言葉だ。
魔王ジークルードは、その圧倒的な個人の力により、誰の力を借りずとも一人で何でも解決出来る様になってしまった魔王であった。
神々からの使命に関係無く、仲間にも当然死んでほしくは無かった。
なので他者に頼らずとも一人で戦える力は有り難いとさえ思い、仲間の力を借りずに単独で戦う事が多かった。
だがその力は留まる事を知らずに膨れ上がり続け、望んでいないのに仲間を遠ざける事にも繋がる。
その結果仲間達と何かを共に行うと言う経験が、魔王の長き人生に比べるとあまりにも少なくなってしまった。
後に一人になってから戦いやそれ以外の事でも、もっと仲間達と共に様々な事を成し遂げたかったと、いなくなってから初めて後悔した。
そうしたいと思った時には既に自分ではどうする事も出来無くなっていたのだ。
しかし目の前にいるゴブリンキングは違う。
統率個体と呼ばれるゴブリンキングは、配下のゴブリンを統率して行動する事が可能だ。
個人の戦闘能力が突出している訳では無く、統率する事によって真価を発揮する。
故に共にジルと戦う事だって出来たのだが、実際は自分が逃げる為の時間稼ぎとして配下達を使った。
その結果が自分以外は全滅である。
過程は大きく違うが、二人の王は同じく孤独になった者同士ではあった。
「王とは民や配下を守り導く存在。己が命を長らえさせる駒では無く、困難を乗り越える仲間として率いるべき存在。まあ、我には説教をする資格は無いか。」
自分の場合は一人で事足りるので、仲間達に頼った事は少なかった。
そんな自分と違い気軽に頼る事の出来る王が、自分が生き残る為に仲間を見捨てる行動を取った事が、非常に残念に感じた。
「我も選択を間違え無ければ、多少は思い出が増えたのだろうな。」
魔力が膨大となり仲間達と切り離される未来は変えようが無い。
それに至るまでが魔王にとっての人生を選択出来る期間だった。
魔王人生は仲間達ともっと過ごしたかった後悔はあるが、神々に言われた通りに魔族を救えた喜びもあるので、まずまずの人生と自分では言えた。
「だが貴様の選択は最悪手だったな。」
「グギャアアアア!」
死を前にやけくそで反論する様にジルに殴り掛かってくるゴブリンキング。
「勝てないと分かった時に、仲間と共に逃走する事で統率していれば、全滅とまではならなかったかもしれん。まあ、我から逃げ切れたかは分からんが…なっ!」
そう言って哀れな選択をしたゴブリンキングの首を刎ねた。
宙を舞い床に転がった首と合った目には、何に対する事か分からないが後悔の色が浮かんでいる様にジルには見えた。
自分の前世には後悔した部分もあった。
この人生は後悔なんてしない様に、精一杯自由に生き抜こうと新たにジルは思った。
ゴブリンキングを倒した事により、集落にいたゴブリンは全滅となった。
集落も半分程が戦いに巻き込まれてボロボロになっている。
しかし再び魔物が住み着く事を考えると、徹底的に破壊しておいた方がいいとエルーとゾットに言われた。
なので適当にファイアボールを放って、家を焼き崩し村を荒らしておいた。
「これで討伐完了だな。」
激しい炎に包まれて燃えている集落を眺めながらジルが満足そうに言う。
初依頼も達成、人質の救出も成功、更に今から街に向かえば門限にも間に合いそうである。
順調に事を運べたのも実力者であるエルーとゾットのおかげであろう。
「お疲れ様です。火魔法の得意な方がいると、やはり助かりますね。」
ゾットは村を燃やし終えたジルに向けて言う。
火魔法を使える者がいなければ、火起こししてから村に火を放ったりしなければならない。
それに火力が乏しければ燃やすのにも時間が掛かるので、ジルの火魔法は非常に助かったのだ。
「気にするな、大して苦労もしていない。」
「その様ですね、あれだけの戦いをした後なのに。私の方で出来るだけ集めておきましたのでどうぞ。」
そう言ってゾットが差し出してきた袋には、ゴブリン系統の魔石が大量に入っていた。
村を燃やしている間に、集落の外や入り口の分を回収してくれた様である。
「すまんな、我も残りを回収してくるとしよう。」
袋を無限倉庫に仕舞い、集落の中にあるゴブリンの魔石の回収に向かう。
村と一緒に死体も大体燃えており、魔石だけが至る所に残されていた。
魔石は魔法に対する耐性が高い事もあり、強い魔法による衝撃や物理攻撃を加えなければ割れる事も無いので、火魔法で燃やすと取り出しやすいのである。
そしてゾットに聞いたのだが、ゴブリンキングの王冠やゴブリンジェネラルの手斧は、ゴブリン種にしては珍しく換金出来る物らしい。
回収して持ち帰れば金になると言われたので一緒に無限倉庫の中に入れておいた。
これは前世が王の名を冠した自分に少し重ねた言葉だ。
魔王ジークルードは、その圧倒的な個人の力により、誰の力を借りずとも一人で何でも解決出来る様になってしまった魔王であった。
神々からの使命に関係無く、仲間にも当然死んでほしくは無かった。
なので他者に頼らずとも一人で戦える力は有り難いとさえ思い、仲間の力を借りずに単独で戦う事が多かった。
だがその力は留まる事を知らずに膨れ上がり続け、望んでいないのに仲間を遠ざける事にも繋がる。
その結果仲間達と何かを共に行うと言う経験が、魔王の長き人生に比べるとあまりにも少なくなってしまった。
後に一人になってから戦いやそれ以外の事でも、もっと仲間達と共に様々な事を成し遂げたかったと、いなくなってから初めて後悔した。
そうしたいと思った時には既に自分ではどうする事も出来無くなっていたのだ。
しかし目の前にいるゴブリンキングは違う。
統率個体と呼ばれるゴブリンキングは、配下のゴブリンを統率して行動する事が可能だ。
個人の戦闘能力が突出している訳では無く、統率する事によって真価を発揮する。
故に共にジルと戦う事だって出来たのだが、実際は自分が逃げる為の時間稼ぎとして配下達を使った。
その結果が自分以外は全滅である。
過程は大きく違うが、二人の王は同じく孤独になった者同士ではあった。
「王とは民や配下を守り導く存在。己が命を長らえさせる駒では無く、困難を乗り越える仲間として率いるべき存在。まあ、我には説教をする資格は無いか。」
自分の場合は一人で事足りるので、仲間達に頼った事は少なかった。
そんな自分と違い気軽に頼る事の出来る王が、自分が生き残る為に仲間を見捨てる行動を取った事が、非常に残念に感じた。
「我も選択を間違え無ければ、多少は思い出が増えたのだろうな。」
魔力が膨大となり仲間達と切り離される未来は変えようが無い。
それに至るまでが魔王にとっての人生を選択出来る期間だった。
魔王人生は仲間達ともっと過ごしたかった後悔はあるが、神々に言われた通りに魔族を救えた喜びもあるので、まずまずの人生と自分では言えた。
「だが貴様の選択は最悪手だったな。」
「グギャアアアア!」
死を前にやけくそで反論する様にジルに殴り掛かってくるゴブリンキング。
「勝てないと分かった時に、仲間と共に逃走する事で統率していれば、全滅とまではならなかったかもしれん。まあ、我から逃げ切れたかは分からんが…なっ!」
そう言って哀れな選択をしたゴブリンキングの首を刎ねた。
宙を舞い床に転がった首と合った目には、何に対する事か分からないが後悔の色が浮かんでいる様にジルには見えた。
自分の前世には後悔した部分もあった。
この人生は後悔なんてしない様に、精一杯自由に生き抜こうと新たにジルは思った。
ゴブリンキングを倒した事により、集落にいたゴブリンは全滅となった。
集落も半分程が戦いに巻き込まれてボロボロになっている。
しかし再び魔物が住み着く事を考えると、徹底的に破壊しておいた方がいいとエルーとゾットに言われた。
なので適当にファイアボールを放って、家を焼き崩し村を荒らしておいた。
「これで討伐完了だな。」
激しい炎に包まれて燃えている集落を眺めながらジルが満足そうに言う。
初依頼も達成、人質の救出も成功、更に今から街に向かえば門限にも間に合いそうである。
順調に事を運べたのも実力者であるエルーとゾットのおかげであろう。
「お疲れ様です。火魔法の得意な方がいると、やはり助かりますね。」
ゾットは村を燃やし終えたジルに向けて言う。
火魔法を使える者がいなければ、火起こししてから村に火を放ったりしなければならない。
それに火力が乏しければ燃やすのにも時間が掛かるので、ジルの火魔法は非常に助かったのだ。
「気にするな、大して苦労もしていない。」
「その様ですね、あれだけの戦いをした後なのに。私の方で出来るだけ集めておきましたのでどうぞ。」
そう言ってゾットが差し出してきた袋には、ゴブリン系統の魔石が大量に入っていた。
村を燃やしている間に、集落の外や入り口の分を回収してくれた様である。
「すまんな、我も残りを回収してくるとしよう。」
袋を無限倉庫に仕舞い、集落の中にあるゴブリンの魔石の回収に向かう。
村と一緒に死体も大体燃えており、魔石だけが至る所に残されていた。
魔石は魔法に対する耐性が高い事もあり、強い魔法による衝撃や物理攻撃を加えなければ割れる事も無いので、火魔法で燃やすと取り出しやすいのである。
そしてゾットに聞いたのだが、ゴブリンキングの王冠やゴブリンジェネラルの手斧は、ゴブリン種にしては珍しく換金出来る物らしい。
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