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4章
元魔王様と初めての依頼 12
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「お待たせ、こっちも準備出来たわ。」
エルーが三人の女性を引き連れてくる。
ゴブリンの集落には人族から奪った装備等もあり、肌が露出する程衣類がボロボロだった三人に着替えさせていたのだ。
「あの、本当に助けていただいて、ありがとうございました。」
「「ありがとうございました。」」
三人の女性達はジルとゾットに向けて礼を言う。
聞いた話しによると、三人はパーティーは違うがそれぞれ冒険者であり、魔の森に依頼で来ていたところをゴブリンに捕まったらしい。
他にも同行者はいたのだが、全員男性だったらしく結末は察せた。
全員助ける事は出来無かったが、三人が無事だっただけでも助けに来た甲斐はあっただろう。
「では、街に戻るとしましょう。エルーさん、先導をお願いします。」
「任せて。」
その後はエルーの嗅覚と聴覚のおかげもあり、魔物に出会う事無く順調に魔の森を抜けられた。
馬車は御者台にゾットとジル、荷台に女性四人でギリギリ乗り込む事が出来た。
「ジルさん、ギルドの者として同行させてもらい、貴方の実力が想像以上である事が改めて分かりました。」
街に馬車で向かっていると、唐突にゾットが話し掛けてきた。
「ん?いきなりどうした?」
「私には戻って今回の出来事を報告する必要があります。そして今回の件はランクアップをするのに十分過ぎる内容です。」
ギルドの者としては、初依頼を行った冒険者の評価をギルドに伝える義務がある。
そして今回の出来事は、熟練冒険者数名がかりで行う様な事だったので、評価は文句無しの部類だ。
「つまり我のランクがEからDになると言う事か。」
「私の見立てではCもあり得ますね。正直に言えばB以上の実力が既にあるのですが、そちらは特定の依頼をしなければならない規則がありますので。」
実力的に言えばジルは、ギルドで既にトップ層と言われる者達と何ら変わらない。
だがBランク以上に上がるには、護衛依頼や数々の実績が必要となってくるので、それらを受けていない冒険者は実力があってもランクを上げる事は出来無いのだ。
「いきなり随分とランクが上がるものだな。」
まだ初依頼を終わらせただけである。
なのにランク選定試験のEランクからもう上がってしまうと言う。
「それだけの実力をお持ちだと言う話しです。そこで相談なのですが、ジルさんはランクアップを望まれますか?」
「どう言う意味だ?」
冒険者であるならば、ランクが上がる事を目標とする者が大半である為、低ランクにずっと居座りたいと思う者は少ないだろう。
条件の良い依頼や報酬の高い依頼も選べる様になるからだ。
「高ランク冒険者となれば報酬の良い依頼も受けられる様になります。ですが厄介な依頼事が多くなってくるのも事実です。」
ゾットはジルが冒険者になった経緯を聞いていた。
身分証を手に入れる目的だったのならば、面倒な依頼は受けたがらないのではないかと考えた。
「護衛依頼とかか?」
「それもありますが、最も厄介なのは指名依頼ですね。」
護衛依頼と言う長期間の護衛対象を送り届ける依頼も拘束時間が長く面倒な依頼とされているが、指名依頼もまた面倒な部類の依頼なのだ。
権力者等が実力のある冒険者を指名して依頼を申し込むのだが、基本的に依頼を断る事が難しい。
理由は相手が外聞を気にする貴族であった場合、断れば何をされるか分からないからだ。
相当無茶な依頼ややむを得ない事情でも無ければ、基本的には受ける事になる。
平然と断れる者となればギルドの限られた実力者達くらいのものだ。
「確かに面倒だな。我はあまり束縛されたくは無い。」
今世は自由に生きる事にしているので、面倒事で縛られる訳にはいかない。
「ミラさんの言った通りの方ですね。」
どうやら事前に受付嬢のミラに何かを吹き込まれている様だ。
「変わっているか?」
「冒険者としては変わっている部類ですが、そう言う方もいます。だからこそ尋ねている訳ですね。あまり束縛してギルドを辞められたりすれば、我々にとっては大きな損失ですから。」
新人冒険者と言ってもギルドのトップ層と変わらない実力の持ち主。
それ程の人材であれば、多少我儘を聞いてもギルドは手元に置きたいと考える。
「ふむ、では面倒が少ない方向で頼むとしよう。」
「分かりました。こちらで対応しておきます。」
ゾットはギルド員の中でも実力者なので、こう言った役目を引き受ける事も多く、過去に我儘な冒険者と揉めた事も少なくない。
なので今回はすんなり話しが纏まった事に安堵していた。
ジルの活躍をギルドマスターにも話し、ギルド員全体がジルと長く良い関係で付き合う様に周知させる必要があるなと、報告の内容をじっくり吟味しながら馬車を街へと走らせた。
エルーが三人の女性を引き連れてくる。
ゴブリンの集落には人族から奪った装備等もあり、肌が露出する程衣類がボロボロだった三人に着替えさせていたのだ。
「あの、本当に助けていただいて、ありがとうございました。」
「「ありがとうございました。」」
三人の女性達はジルとゾットに向けて礼を言う。
聞いた話しによると、三人はパーティーは違うがそれぞれ冒険者であり、魔の森に依頼で来ていたところをゴブリンに捕まったらしい。
他にも同行者はいたのだが、全員男性だったらしく結末は察せた。
全員助ける事は出来無かったが、三人が無事だっただけでも助けに来た甲斐はあっただろう。
「では、街に戻るとしましょう。エルーさん、先導をお願いします。」
「任せて。」
その後はエルーの嗅覚と聴覚のおかげもあり、魔物に出会う事無く順調に魔の森を抜けられた。
馬車は御者台にゾットとジル、荷台に女性四人でギリギリ乗り込む事が出来た。
「ジルさん、ギルドの者として同行させてもらい、貴方の実力が想像以上である事が改めて分かりました。」
街に馬車で向かっていると、唐突にゾットが話し掛けてきた。
「ん?いきなりどうした?」
「私には戻って今回の出来事を報告する必要があります。そして今回の件はランクアップをするのに十分過ぎる内容です。」
ギルドの者としては、初依頼を行った冒険者の評価をギルドに伝える義務がある。
そして今回の出来事は、熟練冒険者数名がかりで行う様な事だったので、評価は文句無しの部類だ。
「つまり我のランクがEからDになると言う事か。」
「私の見立てではCもあり得ますね。正直に言えばB以上の実力が既にあるのですが、そちらは特定の依頼をしなければならない規則がありますので。」
実力的に言えばジルは、ギルドで既にトップ層と言われる者達と何ら変わらない。
だがBランク以上に上がるには、護衛依頼や数々の実績が必要となってくるので、それらを受けていない冒険者は実力があってもランクを上げる事は出来無いのだ。
「いきなり随分とランクが上がるものだな。」
まだ初依頼を終わらせただけである。
なのにランク選定試験のEランクからもう上がってしまうと言う。
「それだけの実力をお持ちだと言う話しです。そこで相談なのですが、ジルさんはランクアップを望まれますか?」
「どう言う意味だ?」
冒険者であるならば、ランクが上がる事を目標とする者が大半である為、低ランクにずっと居座りたいと思う者は少ないだろう。
条件の良い依頼や報酬の高い依頼も選べる様になるからだ。
「高ランク冒険者となれば報酬の良い依頼も受けられる様になります。ですが厄介な依頼事が多くなってくるのも事実です。」
ゾットはジルが冒険者になった経緯を聞いていた。
身分証を手に入れる目的だったのならば、面倒な依頼は受けたがらないのではないかと考えた。
「護衛依頼とかか?」
「それもありますが、最も厄介なのは指名依頼ですね。」
護衛依頼と言う長期間の護衛対象を送り届ける依頼も拘束時間が長く面倒な依頼とされているが、指名依頼もまた面倒な部類の依頼なのだ。
権力者等が実力のある冒険者を指名して依頼を申し込むのだが、基本的に依頼を断る事が難しい。
理由は相手が外聞を気にする貴族であった場合、断れば何をされるか分からないからだ。
相当無茶な依頼ややむを得ない事情でも無ければ、基本的には受ける事になる。
平然と断れる者となればギルドの限られた実力者達くらいのものだ。
「確かに面倒だな。我はあまり束縛されたくは無い。」
今世は自由に生きる事にしているので、面倒事で縛られる訳にはいかない。
「ミラさんの言った通りの方ですね。」
どうやら事前に受付嬢のミラに何かを吹き込まれている様だ。
「変わっているか?」
「冒険者としては変わっている部類ですが、そう言う方もいます。だからこそ尋ねている訳ですね。あまり束縛してギルドを辞められたりすれば、我々にとっては大きな損失ですから。」
新人冒険者と言ってもギルドのトップ層と変わらない実力の持ち主。
それ程の人材であれば、多少我儘を聞いてもギルドは手元に置きたいと考える。
「ふむ、では面倒が少ない方向で頼むとしよう。」
「分かりました。こちらで対応しておきます。」
ゾットはギルド員の中でも実力者なので、こう言った役目を引き受ける事も多く、過去に我儘な冒険者と揉めた事も少なくない。
なので今回はすんなり話しが纏まった事に安堵していた。
ジルの活躍をギルドマスターにも話し、ギルド員全体がジルと長く良い関係で付き合う様に周知させる必要があるなと、報告の内容をじっくり吟味しながら馬車を街へと走らせた。
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