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45章
元魔王様とお手軽金策事業 4
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剣と短剣が激しくぶつかり合い、更には魔法が飛び交う。
最近めきめきと実力を伸ばす少女に模擬戦と言う事を忘れて騎士も手加減抜きで剣を振るう。
「はあっ!」
「遅いわ!」
最近出来る様になったばかりの全身魔装により身体能力を底上げする。
しかしまだ慣れておらず、維持出来る時間は1秒だけだ。
「っ!?」
騎士は全身魔装によって強化された身体能力に反応出来ず、振った剣は空を斬る。
1秒しか出来無い魔装だが回避して裏取り目的ならその1秒で事足りる。
一瞬で騎士の背後に回り込むと短剣を首元に突き付ける。
「勝負あり!」
審判の声で模擬戦は終了となる。
まだ成人もしていない少女が騎士から見事に一本取った。
見学していた騎士達が称賛の拍手を送っている。
「ふぅ、さすがに疲れたわ。」
「お疲れ様でした、そろそろ休憩されてはいかがですか?」
「そうするわ。また訓練に混ぜてちょうだい。」
少女は騎士達に礼を言って家に向かう。
暫く騎士達と訓練をしていたので喉が渇き小腹も空いた。
丁度今頃はティータイムの時間帯なので姉が休んでいるであろう広間に向かう。
「サリー、お腹空いたし喉も乾いたわ~。」
そう言って扉を開けて専属メイドの名前を呼ぶ。
「ルルネット、訓練後なのですから手は洗いましたか?」
「ちゃんと洗ってから来ているわ。」
「ならばトレンフルでは珍しいこの菓子をくれてやろう。」
「ありがとジル…。ジル…?ジル!?」
ジルの差し出した皿からドライフルーツを手に取った状態でルルネットが固まる。
自分の発した言葉の意味に遅れながら気付いて目を見開いている。
「なんでジルがいるの!?」
ルルネットは驚愕しながら大きな声を上げる。
1ヶ月前までトレンフルに滞在していて暫く一緒に過ごしていたジルだが今はセダンの街にいる筈だ。
片道馬車で2週間も掛かる距離なので帰って直ぐに向かってこない限りいる筈が無い。
「ちょっと行商にな。」
「ちょっとってそんな距離じゃないでしょ!」
「お前達には様々な魔法を使える事を教えた筈だぞ?魔法を組み合わせれば長距離の移動も可能となる。」
ジルはいつも利用している爆走移動方法を使ってトレンフルまでやってきた。
風魔法、重力魔法、結界魔法の合わせ技であり、自分一人と言う事もあり全力を出したら1時間も掛からなかった。
「ルルネットの驚きも分かりますよ。サリーがジルさんを案内してきた時には私も驚きましたから。ですがジルさんであればそれも可能だと納得しました。」
「確かに…。トレンフルにいた頃は毎日色んな事で驚かされてたから慣れてたけど、久しぶりで驚いちゃったわ。」
規格外なジルであればそれくらい出来ても不思議では無い。
久しぶりでその事を忘れていた。
「それで行商って何を売りにきたの?」
「それだ。」
「これ?」
ジルがルルネットの手に持っている物を指差すのでまじまじと見ている。
「食べてみろ。」
ジルに促されて口に入れる。
優しい甘さが口の中に広がり、訓練で疲れた疲労を癒してくれる。
「甘くて美味しい。これ果物よね?」
「ドライフルーツと言う菓子だ。気候が少し熱いトレンフルでは実らない果物で作った物だな。」
トレンフルは港町でありセダンと比べると少しだけ気温が高い。
それにより実る果物も違っており、今回使われているリンゴやベリーはこちらでは少し珍しいのだ。
「これを売りにきたの?」
「ああ、シキに売ってこいと言われてセダンの商会にも売ったが、こっちにも需要があるかと思ってな。そうしたらブリジットが全て買ってくれた。」
既に手持ちのドライフルーツは売り切っている。
商会に売った残りの十五袋全てを気前良く買ってくれた。
「ドライフルーツは保存食としても使えますし需要は高いですからね。後で商会やギルドにも流しますが自分達でも楽しめますから。」
そう言ってブリジットはドライフルーツを美味しそうに食べている。
貴族にも気に入られる程良い出来の様だ。
「私ももっと食べたい!」
「沢山ありますから落ち着きなさい。」
ソファーに座ったルルネットの前にメイドのサリーがドライフルーツと飲み物を用意してくれる。
それを美味しそうに食べて幸せそうな表情を浮かべている。
「さて、目的も果たしたし我は帰るとするか。」
「えー、せっかく来たのにもう帰るの?」
ジルの発言にルルネットが不満そうな声を漏らす。
1ヶ月ぶりに会えたのだからもう少し一緒にいたいのだろう。
「ルルネットもこう言ってますしもう少しくらいいいのでは?久しぶりにお手合わせ願いたいですし。」
「っ!私も!私もしたい!」
ブリジットの発言にルルネットが手を挙げて乗ってくる。
日々の訓練の成果を師匠であるジルに見てほしいのだろう。
だがジルは二人の発言を聞いて嫌そうな顔をしている。
「そんなに露骨に嫌そうな顔をしなくてもいいではありませんか。行商にも心良く応じたのですから。」
「それが狙いだったんじゃないだろうな?」
「さて、どうでしょうね。」
ブリジットはニコニコと微笑んでいるだけで真意は分からない。
「はぁ~、仕方無い。買ってもらったし少しくらい付き合ってやるか。それに期待のこもった弟子の視線がずっと向けられている事だしな。」
「やった!」
ジルから了承をもらえてルルネットが嬉しそうに喜んでいる。
ブリジットも久しぶりにジルと戦えると聞いて嬉しそうだ。
三人はお菓子を食べ終えると訓練場へと向かう。
そして帰りの魔力を残しつつ、戦闘狂姉妹が満足出来るくらいに模擬戦に付き合ってやった。
感想としては二人共随分と強くなっており、これからが更に楽しみだとジルは感じた。
最近めきめきと実力を伸ばす少女に模擬戦と言う事を忘れて騎士も手加減抜きで剣を振るう。
「はあっ!」
「遅いわ!」
最近出来る様になったばかりの全身魔装により身体能力を底上げする。
しかしまだ慣れておらず、維持出来る時間は1秒だけだ。
「っ!?」
騎士は全身魔装によって強化された身体能力に反応出来ず、振った剣は空を斬る。
1秒しか出来無い魔装だが回避して裏取り目的ならその1秒で事足りる。
一瞬で騎士の背後に回り込むと短剣を首元に突き付ける。
「勝負あり!」
審判の声で模擬戦は終了となる。
まだ成人もしていない少女が騎士から見事に一本取った。
見学していた騎士達が称賛の拍手を送っている。
「ふぅ、さすがに疲れたわ。」
「お疲れ様でした、そろそろ休憩されてはいかがですか?」
「そうするわ。また訓練に混ぜてちょうだい。」
少女は騎士達に礼を言って家に向かう。
暫く騎士達と訓練をしていたので喉が渇き小腹も空いた。
丁度今頃はティータイムの時間帯なので姉が休んでいるであろう広間に向かう。
「サリー、お腹空いたし喉も乾いたわ~。」
そう言って扉を開けて専属メイドの名前を呼ぶ。
「ルルネット、訓練後なのですから手は洗いましたか?」
「ちゃんと洗ってから来ているわ。」
「ならばトレンフルでは珍しいこの菓子をくれてやろう。」
「ありがとジル…。ジル…?ジル!?」
ジルの差し出した皿からドライフルーツを手に取った状態でルルネットが固まる。
自分の発した言葉の意味に遅れながら気付いて目を見開いている。
「なんでジルがいるの!?」
ルルネットは驚愕しながら大きな声を上げる。
1ヶ月前までトレンフルに滞在していて暫く一緒に過ごしていたジルだが今はセダンの街にいる筈だ。
片道馬車で2週間も掛かる距離なので帰って直ぐに向かってこない限りいる筈が無い。
「ちょっと行商にな。」
「ちょっとってそんな距離じゃないでしょ!」
「お前達には様々な魔法を使える事を教えた筈だぞ?魔法を組み合わせれば長距離の移動も可能となる。」
ジルはいつも利用している爆走移動方法を使ってトレンフルまでやってきた。
風魔法、重力魔法、結界魔法の合わせ技であり、自分一人と言う事もあり全力を出したら1時間も掛からなかった。
「ルルネットの驚きも分かりますよ。サリーがジルさんを案内してきた時には私も驚きましたから。ですがジルさんであればそれも可能だと納得しました。」
「確かに…。トレンフルにいた頃は毎日色んな事で驚かされてたから慣れてたけど、久しぶりで驚いちゃったわ。」
規格外なジルであればそれくらい出来ても不思議では無い。
久しぶりでその事を忘れていた。
「それで行商って何を売りにきたの?」
「それだ。」
「これ?」
ジルがルルネットの手に持っている物を指差すのでまじまじと見ている。
「食べてみろ。」
ジルに促されて口に入れる。
優しい甘さが口の中に広がり、訓練で疲れた疲労を癒してくれる。
「甘くて美味しい。これ果物よね?」
「ドライフルーツと言う菓子だ。気候が少し熱いトレンフルでは実らない果物で作った物だな。」
トレンフルは港町でありセダンと比べると少しだけ気温が高い。
それにより実る果物も違っており、今回使われているリンゴやベリーはこちらでは少し珍しいのだ。
「これを売りにきたの?」
「ああ、シキに売ってこいと言われてセダンの商会にも売ったが、こっちにも需要があるかと思ってな。そうしたらブリジットが全て買ってくれた。」
既に手持ちのドライフルーツは売り切っている。
商会に売った残りの十五袋全てを気前良く買ってくれた。
「ドライフルーツは保存食としても使えますし需要は高いですからね。後で商会やギルドにも流しますが自分達でも楽しめますから。」
そう言ってブリジットはドライフルーツを美味しそうに食べている。
貴族にも気に入られる程良い出来の様だ。
「私ももっと食べたい!」
「沢山ありますから落ち着きなさい。」
ソファーに座ったルルネットの前にメイドのサリーがドライフルーツと飲み物を用意してくれる。
それを美味しそうに食べて幸せそうな表情を浮かべている。
「さて、目的も果たしたし我は帰るとするか。」
「えー、せっかく来たのにもう帰るの?」
ジルの発言にルルネットが不満そうな声を漏らす。
1ヶ月ぶりに会えたのだからもう少し一緒にいたいのだろう。
「ルルネットもこう言ってますしもう少しくらいいいのでは?久しぶりにお手合わせ願いたいですし。」
「っ!私も!私もしたい!」
ブリジットの発言にルルネットが手を挙げて乗ってくる。
日々の訓練の成果を師匠であるジルに見てほしいのだろう。
だがジルは二人の発言を聞いて嫌そうな顔をしている。
「そんなに露骨に嫌そうな顔をしなくてもいいではありませんか。行商にも心良く応じたのですから。」
「それが狙いだったんじゃないだろうな?」
「さて、どうでしょうね。」
ブリジットはニコニコと微笑んでいるだけで真意は分からない。
「はぁ~、仕方無い。買ってもらったし少しくらい付き合ってやるか。それに期待のこもった弟子の視線がずっと向けられている事だしな。」
「やった!」
ジルから了承をもらえてルルネットが嬉しそうに喜んでいる。
ブリジットも久しぶりにジルと戦えると聞いて嬉しそうだ。
三人はお菓子を食べ終えると訓練場へと向かう。
そして帰りの魔力を残しつつ、戦闘狂姉妹が満足出来るくらいに模擬戦に付き合ってやった。
感想としては二人共随分と強くなっており、これからが更に楽しみだとジルは感じた。
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