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45章
元魔王様とお手軽金策事業 5
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戦闘狂姉妹との模擬戦を終えたジルは、ドライフルーツを全て売り切ったので浮島に帰還した。
「帰ったぞ。」
「ジル様、おかえりなのです。」
シキが大きな木の前から飛び立って向かってくる。
浮島を出る前には無かった木だ。
「何だこれは?」
「異世界通販で買った苗を植えたのです。そしたらあっという間に成長してこんなに大きくなったのです。」
さすがは異世界の植物だ。
成長速度もこの世界の物とは比較にならない。
「これで果物取り放題なのです。そう言えば売れたのです?」
「ああ、全部で金貨60枚になったぞ。」
「金貨60枚なのです!?」
予想外に多い金額を受け取ってシキが驚いている。
小金貨数枚程度の予想だったので全て合わせてももっと少ない筈だった。
それが金貨60枚も手に入ったとなれば、シキにとっては嬉しい誤算である。
「頑張って作った甲斐があったのです。そしてこれはばっちり金策になるのです。」
シキの目が金貨の様にキラキラと輝いている。
今後の取り引きで得られる金貨の量を想像している様だ。
魔物を倒す力が無いシキでも、これなら浮島だけで金を稼ぐ事が出来る。
「美味くて珍しい食べ物はやはり価値があるな。異世界の料理ももっと普及させてもいいかもしれん。」
セダンの街で今流行っている食べ物と言えばフライドポテトだ。
宿屋で教えたものが街に広がっていき、今や街のどこにいても見掛ける程に人気となった。
「候補は幾つかあるのです。今度リュカに一通り作ってもらって宿屋で提供してもらうのです。そしたらまた街に広まると思うのです。」
「そうしてもらえると助かる。我も気軽に異世界の料理を食べたいが異世界通販で買うと高いからな。」
直ぐに手に入るが料金が凄まじい。
簡単に手を出していたら破産真っしぐらだ。
「そう言えばジル様に伝言を預かっているのです。」
「伝言?」
「さっきミラにドライフルーツのお裾分けをしようとギルドに行ったのです。」
シキはミラと仲が良い。
暇な時はギルドに通って雑談したり作業を手伝ったりしているらしい。
「その時に聞いたのです。エルリアの護送に既に出発したらしいのです。」
トレンフルに向かう途中に盗賊に囚われていたエルフのエルリアを救出したジル達は、エルフの里に返してあげる為にエルロッドに引き渡した。
そしてスタンピードの援軍として駆け付けたエルミネルが、スタンピードが終息してからエルリアの事をエルフの里まで送り届ける事になっていた。
その情報が欲深い人族にバレると襲撃の可能性があるので、秘密裏に護送が行われたらしい。
「護衛はエルミネル一人なのか?」
「ギルドマスターはギルドで見掛けたからそうだと思うのです。」
本来であれば護衛をもっと用意した方が確実だと思うが、エルフ以外の護衛が無理だとすれば仕方無い。
それに実力者のエルミネルが護衛となっているのなら問題も無さそうだ。
「と言うかその話しを我らに伝えてよかったのか?」
「ギルドの信頼を得られていると言う事なのです。それにミラがギルドマスターから聞いた話しだと、意外と近場みたいで直ぐにでも辿り着けるらしいのです。」
今から追い掛けようとしても無駄と言う事なのだろう。
当然そんな気は無いが随分と信頼してくれている様だ。
「エルフの里か、我が知る入り口は魔国だけだからな。」
実はジルはエルフの里の入り口を知っている。
前世の魔王時代に里を訪れる機会があり、その時に庇護下にあったエルフに教えてもらったのだ。
世界の様々な場所にエルフの里の入り口は存在しており、その一つが魔国フュデスにも存在していた。
しかしその存在をエルフ達の前で打ち明けてしまえば、何故そんな重要な事を知っているのかと問いただされるだろう。
エルフの里に繋がる入り口は同族達に危害が及ばない様に他種族に基本的に教えられる事は無い。
特に人族に情報が漏れれば一大事だ。
見目麗しいエルフを欲のままに襲う人族のこれまでの歴史がそれを証明している。
「ジル様が行きたいなら近い入り口を教えられるのですよ?」
「ん?シキは入り口を幾つか知っているのか?」
「はいなのです。」
シキは自信満々に答える。
「一応入り口に関してはエルフ達の極秘情報の筈だが?」
「シキは知識の精霊なのです。」
その言葉を聞いただけで何となく納得してしまう。
知識の精霊は文字通り知識や情報の宝庫だ。
一度見聞きした情報はどんなに些細な事でもシキは完全に記憶している。
エルフの里の入り口がどれだけ秘匿されている情報だとしても、エルフに関する情報が出回りシキの耳に入れば、それは里の情報にも繋がる。
頻繁に目撃される場所、行動するルート、追って見失った場所等が蓄積されていけば、おおよその場所も検討が付く。
「それでジル様も行きたいのです?」
「いや、事を荒立てるだけだし遠慮しておく。別に行く目的も無いしな。」
「普通の人族ならどんなに金を積んでも欲しがる情報でも、やっぱりジル様はジル様なのです。」
他種族に襲われる事が多かったエルフは魔王時代に魔王ジークルード・フィーデンに救いを求めてきた。
そして庇護下となったエルフ達を魔王はどんな脅威からも守った。
そしてその気持ちは人族に転生した今でも変わってはいない。
憎まれる対象の人族ではあるが、相手から害してこない限りジルが手を出す事は無い。
「他の人族の様にエルフを奴隷にと非人道的な事をしなくても金稼ぎの手段なら幾らでもあるからな。」
「確かになのです。シキも更なる実験の為に戻るのです。」
シキは金貨を収納して満足そうに飛んでいった。
「帰ったぞ。」
「ジル様、おかえりなのです。」
シキが大きな木の前から飛び立って向かってくる。
浮島を出る前には無かった木だ。
「何だこれは?」
「異世界通販で買った苗を植えたのです。そしたらあっという間に成長してこんなに大きくなったのです。」
さすがは異世界の植物だ。
成長速度もこの世界の物とは比較にならない。
「これで果物取り放題なのです。そう言えば売れたのです?」
「ああ、全部で金貨60枚になったぞ。」
「金貨60枚なのです!?」
予想外に多い金額を受け取ってシキが驚いている。
小金貨数枚程度の予想だったので全て合わせてももっと少ない筈だった。
それが金貨60枚も手に入ったとなれば、シキにとっては嬉しい誤算である。
「頑張って作った甲斐があったのです。そしてこれはばっちり金策になるのです。」
シキの目が金貨の様にキラキラと輝いている。
今後の取り引きで得られる金貨の量を想像している様だ。
魔物を倒す力が無いシキでも、これなら浮島だけで金を稼ぐ事が出来る。
「美味くて珍しい食べ物はやはり価値があるな。異世界の料理ももっと普及させてもいいかもしれん。」
セダンの街で今流行っている食べ物と言えばフライドポテトだ。
宿屋で教えたものが街に広がっていき、今や街のどこにいても見掛ける程に人気となった。
「候補は幾つかあるのです。今度リュカに一通り作ってもらって宿屋で提供してもらうのです。そしたらまた街に広まると思うのです。」
「そうしてもらえると助かる。我も気軽に異世界の料理を食べたいが異世界通販で買うと高いからな。」
直ぐに手に入るが料金が凄まじい。
簡単に手を出していたら破産真っしぐらだ。
「そう言えばジル様に伝言を預かっているのです。」
「伝言?」
「さっきミラにドライフルーツのお裾分けをしようとギルドに行ったのです。」
シキはミラと仲が良い。
暇な時はギルドに通って雑談したり作業を手伝ったりしているらしい。
「その時に聞いたのです。エルリアの護送に既に出発したらしいのです。」
トレンフルに向かう途中に盗賊に囚われていたエルフのエルリアを救出したジル達は、エルフの里に返してあげる為にエルロッドに引き渡した。
そしてスタンピードの援軍として駆け付けたエルミネルが、スタンピードが終息してからエルリアの事をエルフの里まで送り届ける事になっていた。
その情報が欲深い人族にバレると襲撃の可能性があるので、秘密裏に護送が行われたらしい。
「護衛はエルミネル一人なのか?」
「ギルドマスターはギルドで見掛けたからそうだと思うのです。」
本来であれば護衛をもっと用意した方が確実だと思うが、エルフ以外の護衛が無理だとすれば仕方無い。
それに実力者のエルミネルが護衛となっているのなら問題も無さそうだ。
「と言うかその話しを我らに伝えてよかったのか?」
「ギルドの信頼を得られていると言う事なのです。それにミラがギルドマスターから聞いた話しだと、意外と近場みたいで直ぐにでも辿り着けるらしいのです。」
今から追い掛けようとしても無駄と言う事なのだろう。
当然そんな気は無いが随分と信頼してくれている様だ。
「エルフの里か、我が知る入り口は魔国だけだからな。」
実はジルはエルフの里の入り口を知っている。
前世の魔王時代に里を訪れる機会があり、その時に庇護下にあったエルフに教えてもらったのだ。
世界の様々な場所にエルフの里の入り口は存在しており、その一つが魔国フュデスにも存在していた。
しかしその存在をエルフ達の前で打ち明けてしまえば、何故そんな重要な事を知っているのかと問いただされるだろう。
エルフの里に繋がる入り口は同族達に危害が及ばない様に他種族に基本的に教えられる事は無い。
特に人族に情報が漏れれば一大事だ。
見目麗しいエルフを欲のままに襲う人族のこれまでの歴史がそれを証明している。
「ジル様が行きたいなら近い入り口を教えられるのですよ?」
「ん?シキは入り口を幾つか知っているのか?」
「はいなのです。」
シキは自信満々に答える。
「一応入り口に関してはエルフ達の極秘情報の筈だが?」
「シキは知識の精霊なのです。」
その言葉を聞いただけで何となく納得してしまう。
知識の精霊は文字通り知識や情報の宝庫だ。
一度見聞きした情報はどんなに些細な事でもシキは完全に記憶している。
エルフの里の入り口がどれだけ秘匿されている情報だとしても、エルフに関する情報が出回りシキの耳に入れば、それは里の情報にも繋がる。
頻繁に目撃される場所、行動するルート、追って見失った場所等が蓄積されていけば、おおよその場所も検討が付く。
「それでジル様も行きたいのです?」
「いや、事を荒立てるだけだし遠慮しておく。別に行く目的も無いしな。」
「普通の人族ならどんなに金を積んでも欲しがる情報でも、やっぱりジル様はジル様なのです。」
他種族に襲われる事が多かったエルフは魔王時代に魔王ジークルード・フィーデンに救いを求めてきた。
そして庇護下となったエルフ達を魔王はどんな脅威からも守った。
そしてその気持ちは人族に転生した今でも変わってはいない。
憎まれる対象の人族ではあるが、相手から害してこない限りジルが手を出す事は無い。
「他の人族の様にエルフを奴隷にと非人道的な事をしなくても金稼ぎの手段なら幾らでもあるからな。」
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シキは金貨を収納して満足そうに飛んでいった。
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