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60章
元魔王様と浮島待機組の現状報告 6
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二人にたっぷりと精と血を吸われてしまったので身体に力が入らない。
立っているだけでも辛い。
「これでは報告どころでは無いのう。影丸よ、出てくるのじゃ。」
「ウォン!」
呼び掛けに応えてナキナの影の中から影丸が姿を現す。
「ジル殿、影丸に乗って運んでもらうとよい。」
「悪いな、影丸も助かる。」
「ウォン!」
気にしないでとでも言う様にジルの前で深く身体を下げて乗りやすくしてくれる。
触り心地の良い影丸の背中に乗って寝そべる。
「ジル殿はそのまま報告を聞くとよいのじゃ。」
「じ、ジルさん、申し訳ありません。」
「あははは、吸いすぎちゃったかな。」
レイアがぺこぺこと何度も頭を下げて、テスラが気まずそうに視線を逸らす。
普段であればそれ程期間を空けず、ジルにとっても負担にはならない程度の行為なので問題は無いのだが、数ヶ月分はさすがに厳しかった。
「お前達が気にする必要は無い。それより影丸、少し大きくなったか?」
前に乗った時よりも背中が大きく感じられる。
「影丸も成長していると言う事じゃな。今では浮島のウルフ達を率いる立派なボスじゃぞ。」
「ウォン!」
ナキナの言葉に得意気に影丸が鳴く。
高ランクのウルフ種である影丸はウルフ達をしっかりと率いて、魔の森で狩りを行っているらしい。
「そうか、これからも頑張ってくれ。」
「ウォン。」
「では次の報告と言うか町を案内するのです。」
シキに案内されて町を見て回る。
住人が殆どワーウルフなのとシキの研究施設系の建物が多かったがしっかりと町が形成されていた。
「色々と手を出している様だな。」
「異世界の知識が得られる様になった今、やりたい事は尽きないのです。ジル様も何かしたい事ややってほしい事があれば何でも言ってほしいのです。」
今後も異世界通販のスキルを使いつつ、浮島でやりたい事を実現させていくつもりらしい。
「マスター、我々にも何かあればお声掛け下さい。」
そう言って頭を下げるのはタイプCだ。
町を見て回っている最中に偶然出会ったのである。
今はシキの頼みを聞いて浮島の開発に尽力してくれている。
「いつも助かっているぞ。無理はしない様にな。」
「マスターに喜んで頂ける事が私にとっての幸せですから。ですがマスターからのお言葉、心に留めておきます。」
製作者である元魔王のジルの事をマスターと崇めてくれているので、ジルの頼みであれば何でも聞いてくれるだろう。
だが魔法生命体であるメイドゴーレム達を道具の様に扱う気は無い。
メイドゴーレム達もジルにとっては仲間なので、無理はしてほしくない。
浮島で自分達と同じ様に平穏に過ごしてほしいものだ。
「そうだ、丁度良い。今はシキ達からの報告を聞いていたがタイプCには渡したい物があったのだ。」
「渡したい物ですか?」
「ああ、これだ。」
ジルが無限倉庫から取り出してタイプCに渡したのは掌サイズの玉だ。
「これは何でしょうか?」
受け取った玉を観察してタイプCが首を傾げる。
同じく使用用途が分からず首を傾げている者達がいるが、この玉が何か知っている者達もいた。
「これは変幻自在の武具玉なのです?」
「懐かしい物ですね。」
「ジルさん、これどうしたの?」
玉の事を知っているシキ、レイア、テスラが不思議そうに声を掛けてくる。
渡したのは勇者双葉瑞稀の使っていた魔法武具の玉だ。
まだジルが魔王だった頃に魔国フュデスにいた勇者達から見せてもらって知っているのだろう。
「道中の町で勇者の拠点を見つけてな。くれると言うから貰ってきたのだ。」
「その勇者の武具を私に頂けるのですか?」
「ああ、タイプCには暫く何も渡せていなかったからな。」
魔王時代にタイプCを完成させた時に連動外装も一緒に作って渡してやった。
タイプBにはそれからも定期的に換装用の装備を渡していたが、タイプCはそれっきりだったのだ。
「マスターからの贈り物とあれば喜んで受け取らせて頂きます。」
タイプCが嬉しそうに微笑んで頭を下げる。
「使い方は簡単だ。玉に魔力を込めて武器の姿を想像するだけでいい。そうすれば姿が変わる。」
「試してみます。」
言われた通りにタイプCが玉に魔力を込めると、玉が光って形を変えていく。
光りが収まった時には一本の刀が握られていた。
「本当に形が変わったのじゃ。不思議な武器じゃのう。」
「どんな武器にでも形を変えられるのでとても便利ですよ。勇者達はそれぞれ自分が使いたい武器に形を変えて戦っていました。」
「でも注意点もあるのです。想像力が中途半端だと武器の性能もイマイチになるのです。だから戦闘中に様々な武器に変えるつもりなら想像力を鍛えておく必要があるのです。」
今は戦闘中でも無いので問題無かったが、激しい戦闘の中で目の前の敵を気にしながら変化させると失敗する事も多いと言う。
実際に昔の勇者達で見てきた実話だ。
「では実戦で慣れておく必要がありますね。早速頂いた武具を使ってタイプBをボコボコにしてきたいと思います。マスター、失礼します。」
一礼したタイプCが嬉々として歩いていった。
立っているだけでも辛い。
「これでは報告どころでは無いのう。影丸よ、出てくるのじゃ。」
「ウォン!」
呼び掛けに応えてナキナの影の中から影丸が姿を現す。
「ジル殿、影丸に乗って運んでもらうとよい。」
「悪いな、影丸も助かる。」
「ウォン!」
気にしないでとでも言う様にジルの前で深く身体を下げて乗りやすくしてくれる。
触り心地の良い影丸の背中に乗って寝そべる。
「ジル殿はそのまま報告を聞くとよいのじゃ。」
「じ、ジルさん、申し訳ありません。」
「あははは、吸いすぎちゃったかな。」
レイアがぺこぺこと何度も頭を下げて、テスラが気まずそうに視線を逸らす。
普段であればそれ程期間を空けず、ジルにとっても負担にはならない程度の行為なので問題は無いのだが、数ヶ月分はさすがに厳しかった。
「お前達が気にする必要は無い。それより影丸、少し大きくなったか?」
前に乗った時よりも背中が大きく感じられる。
「影丸も成長していると言う事じゃな。今では浮島のウルフ達を率いる立派なボスじゃぞ。」
「ウォン!」
ナキナの言葉に得意気に影丸が鳴く。
高ランクのウルフ種である影丸はウルフ達をしっかりと率いて、魔の森で狩りを行っているらしい。
「そうか、これからも頑張ってくれ。」
「ウォン。」
「では次の報告と言うか町を案内するのです。」
シキに案内されて町を見て回る。
住人が殆どワーウルフなのとシキの研究施設系の建物が多かったがしっかりと町が形成されていた。
「色々と手を出している様だな。」
「異世界の知識が得られる様になった今、やりたい事は尽きないのです。ジル様も何かしたい事ややってほしい事があれば何でも言ってほしいのです。」
今後も異世界通販のスキルを使いつつ、浮島でやりたい事を実現させていくつもりらしい。
「マスター、我々にも何かあればお声掛け下さい。」
そう言って頭を下げるのはタイプCだ。
町を見て回っている最中に偶然出会ったのである。
今はシキの頼みを聞いて浮島の開発に尽力してくれている。
「いつも助かっているぞ。無理はしない様にな。」
「マスターに喜んで頂ける事が私にとっての幸せですから。ですがマスターからのお言葉、心に留めておきます。」
製作者である元魔王のジルの事をマスターと崇めてくれているので、ジルの頼みであれば何でも聞いてくれるだろう。
だが魔法生命体であるメイドゴーレム達を道具の様に扱う気は無い。
メイドゴーレム達もジルにとっては仲間なので、無理はしてほしくない。
浮島で自分達と同じ様に平穏に過ごしてほしいものだ。
「そうだ、丁度良い。今はシキ達からの報告を聞いていたがタイプCには渡したい物があったのだ。」
「渡したい物ですか?」
「ああ、これだ。」
ジルが無限倉庫から取り出してタイプCに渡したのは掌サイズの玉だ。
「これは何でしょうか?」
受け取った玉を観察してタイプCが首を傾げる。
同じく使用用途が分からず首を傾げている者達がいるが、この玉が何か知っている者達もいた。
「これは変幻自在の武具玉なのです?」
「懐かしい物ですね。」
「ジルさん、これどうしたの?」
玉の事を知っているシキ、レイア、テスラが不思議そうに声を掛けてくる。
渡したのは勇者双葉瑞稀の使っていた魔法武具の玉だ。
まだジルが魔王だった頃に魔国フュデスにいた勇者達から見せてもらって知っているのだろう。
「道中の町で勇者の拠点を見つけてな。くれると言うから貰ってきたのだ。」
「その勇者の武具を私に頂けるのですか?」
「ああ、タイプCには暫く何も渡せていなかったからな。」
魔王時代にタイプCを完成させた時に連動外装も一緒に作って渡してやった。
タイプBにはそれからも定期的に換装用の装備を渡していたが、タイプCはそれっきりだったのだ。
「マスターからの贈り物とあれば喜んで受け取らせて頂きます。」
タイプCが嬉しそうに微笑んで頭を下げる。
「使い方は簡単だ。玉に魔力を込めて武器の姿を想像するだけでいい。そうすれば姿が変わる。」
「試してみます。」
言われた通りにタイプCが玉に魔力を込めると、玉が光って形を変えていく。
光りが収まった時には一本の刀が握られていた。
「本当に形が変わったのじゃ。不思議な武器じゃのう。」
「どんな武器にでも形を変えられるのでとても便利ですよ。勇者達はそれぞれ自分が使いたい武器に形を変えて戦っていました。」
「でも注意点もあるのです。想像力が中途半端だと武器の性能もイマイチになるのです。だから戦闘中に様々な武器に変えるつもりなら想像力を鍛えておく必要があるのです。」
今は戦闘中でも無いので問題無かったが、激しい戦闘の中で目の前の敵を気にしながら変化させると失敗する事も多いと言う。
実際に昔の勇者達で見てきた実話だ。
「では実戦で慣れておく必要がありますね。早速頂いた武具を使ってタイプBをボコボコにしてきたいと思います。マスター、失礼します。」
一礼したタイプCが嬉々として歩いていった。
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