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89章
元魔王様と美味しい強者 5
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バトルチキンが眼前まで迫って蹴りを放ってくる。
「さすがに良い蹴りだ。」
風切り音が聞こえる程の鋭い蹴りを魔装した腕をクロスして受け止める。
凄まじい衝撃が腕から身体全体に伝わってくる。
それでもジルは先程のオーガの様に吹き飛んだりはしない。
「コケッ!?」
まさか自分の蹴りを受けておいて、吹き飛ばすどころかその場から一歩も動かせないとは思っておらず、バトルチキンが驚いた表情をしている。
「どうした?まだまだこんなものではないだろう?」
「コケッ!」
ジルの言葉で更に戦意を高めたバトルチキンが怒涛の攻めに入る。
空間把握で強いバトルチキンを選定しただけあって実力はBランクでも上位と言える。
このバトルチキンなら相当な美味しさだと期待出来る。
ちなみに冒険者に教えてもらった条件以外にもバトルチキンの肉を美味しくする方法が依頼書には書かれていた。
それはバトルチキンとの戦いで魔法を使わない事。
そしてバトルチキンにとっての最後の戦いがどれだけ白熱していたかが肉を美味しくするコツらしい。
「美味い肉の為に魔装と近接格闘のみでいくとしよう。」
ジルはこのバトルチキンを極上の肉として味わいたい。
その為に魔法は一切使わず、銀月すらも使わないで相手をするつもりだ。
「魔物とじっくり戦うのも久しぶりだ。楽しませてくれ。」
「コケッ!」
自分の攻撃を全て防ぎつつ、まだまだ余裕がありそうなジル。
それを見たバトルチキンはこのまま攻めていてもジルを倒せないと判断してその場でステップを踏み始める。
するとバトルチキンの全身を赤いオーラが包み込んだ。
「闘志のスキルか。攻撃力を高めるんだったか?」
「コケッ!」
スキルで自己強化したバトルチキンが飛び蹴りを放ってくる。
先程よりも威力の上がった攻撃に同じ防御体制で挑んだジルだったが、地面を滑りながら後ろに後退させられてしまう。
「やるな。」
「コケッ!」
攻撃が有効だと分かり追撃を放とうと接近してきた。
「我もそろそろ反撃するか。」
ジルはバトルチキンの攻撃に合わせて魔装した回し蹴りを放つ。
お互いの蹴りがぶつかり合うと、バトルチキンが後方に吹き飛ばされ、ジルも大きく後退させられる。
どちらの攻撃力も負けていない。
「コケー!」
空中でくるりと回転して地面に着地したバトルチキン。
顔を上げると目の前にはジルが迫っていた。
「コケッ!?」
「油断していると直ぐに終わってしまうぞ!」
一瞬で距離を詰めたジルが魔装した凶悪な拳を上から振り下ろす。
バトルチキンはギリギリで回避に成功する。
避けられた拳は地面に突き刺さり、周囲の地面を丸ごと砕き割る。
「そらそらそらっ!」
砕かれた土塊を手に取ってバトルチキン目掛けて投げ付ける。
ジルの身体能力で投げられるだけで、ただの土塊も凶悪な武器となる。
「コケッコー!」
物凄い速さで迫る土塊を自慢の蹴りで次々と砕き割る。
少しのミスで自分が肉塊になってしまう様な威力の連続攻撃だが、身体能力の高さには自信があるのでこの程度ではやられない。
「この程度では倒れないか。そうでなくては我も困る。」
簡単に倒せてしまっては美味しい肉にならない。
まだまだ戦いはこれからだ。
「コケッコケッ!」
バトルチキンは上機嫌に鳴いている。
目の前にいるジルは生涯戦ってきた中で一番強い。
楽しい気持ちと負けたくない気持ちが溢れていた。
「楽しいか?我の事ももっと楽しませてくれ。」
「コケッ!」
ジルの言葉に応える様にバトルチキンは更に別のスキルを使用する。
攻撃手段である両足のオーラが更に赤みを増す。
バトルチキンがその場で片足を上げて勢い良く下ろすと、それだけで地面が大きくひび割れた。
「今度は別のスキルか。やはり強い個体はスキルも多いな。」
使用したのは剛脚と言うスキルであり、足での攻撃に限って凄まじい威力を発揮出来る様になる。
「コケッ!」
「はあっ!」
ジルの魔装した拳とバトルチキンの二重のスキル強化による蹴りがぶつかり合う。
爆発音にも聞こえる打撃音を轟かせ、その衝突でジルの拳に傷が入り鮮血が舞う。
「やるではないか。」
「コケッコ!」
スキルは永続では無いのでバトルチキンが畳み掛ける。
拳は完全に壊された訳では無いがダメージが大きい。
バトルチキンの破壊力は凄まじく、打ち合う度にジルの拳や足から血が流れる。
「コケッ!」
「コケッ!」
「ん?」
辺りから沢山の鳴き声が聞こえてくると思えばバトルチキンに周囲を囲まれていた。
夢中で戦いを楽しんでいたので気付かなかった。
「他のバトルチキンも集まってきていたか。激しく戦っていたから気になった感じか?」
加勢してくるかと一瞬考えたが、どうやら手を出すつもりは無さそうだ。
ただ二人の戦いを観戦している。
「コケーッ!」
ジルと戦うバトルチキンが大きく鳴くと周りのバトルチキン達が静かになる。
黙って自分達の戦いを見ていろとでも言ってそうだ。
「他のバトルチキンにも認められる程の実力か。我の目に狂いは無かった訳だな。」
「コケッ!」
「まだまだ踊ってもらうぞ!」
周りが静かになったところで再び戦いを再開した。
「さすがに良い蹴りだ。」
風切り音が聞こえる程の鋭い蹴りを魔装した腕をクロスして受け止める。
凄まじい衝撃が腕から身体全体に伝わってくる。
それでもジルは先程のオーガの様に吹き飛んだりはしない。
「コケッ!?」
まさか自分の蹴りを受けておいて、吹き飛ばすどころかその場から一歩も動かせないとは思っておらず、バトルチキンが驚いた表情をしている。
「どうした?まだまだこんなものではないだろう?」
「コケッ!」
ジルの言葉で更に戦意を高めたバトルチキンが怒涛の攻めに入る。
空間把握で強いバトルチキンを選定しただけあって実力はBランクでも上位と言える。
このバトルチキンなら相当な美味しさだと期待出来る。
ちなみに冒険者に教えてもらった条件以外にもバトルチキンの肉を美味しくする方法が依頼書には書かれていた。
それはバトルチキンとの戦いで魔法を使わない事。
そしてバトルチキンにとっての最後の戦いがどれだけ白熱していたかが肉を美味しくするコツらしい。
「美味い肉の為に魔装と近接格闘のみでいくとしよう。」
ジルはこのバトルチキンを極上の肉として味わいたい。
その為に魔法は一切使わず、銀月すらも使わないで相手をするつもりだ。
「魔物とじっくり戦うのも久しぶりだ。楽しませてくれ。」
「コケッ!」
自分の攻撃を全て防ぎつつ、まだまだ余裕がありそうなジル。
それを見たバトルチキンはこのまま攻めていてもジルを倒せないと判断してその場でステップを踏み始める。
するとバトルチキンの全身を赤いオーラが包み込んだ。
「闘志のスキルか。攻撃力を高めるんだったか?」
「コケッ!」
スキルで自己強化したバトルチキンが飛び蹴りを放ってくる。
先程よりも威力の上がった攻撃に同じ防御体制で挑んだジルだったが、地面を滑りながら後ろに後退させられてしまう。
「やるな。」
「コケッ!」
攻撃が有効だと分かり追撃を放とうと接近してきた。
「我もそろそろ反撃するか。」
ジルはバトルチキンの攻撃に合わせて魔装した回し蹴りを放つ。
お互いの蹴りがぶつかり合うと、バトルチキンが後方に吹き飛ばされ、ジルも大きく後退させられる。
どちらの攻撃力も負けていない。
「コケー!」
空中でくるりと回転して地面に着地したバトルチキン。
顔を上げると目の前にはジルが迫っていた。
「コケッ!?」
「油断していると直ぐに終わってしまうぞ!」
一瞬で距離を詰めたジルが魔装した凶悪な拳を上から振り下ろす。
バトルチキンはギリギリで回避に成功する。
避けられた拳は地面に突き刺さり、周囲の地面を丸ごと砕き割る。
「そらそらそらっ!」
砕かれた土塊を手に取ってバトルチキン目掛けて投げ付ける。
ジルの身体能力で投げられるだけで、ただの土塊も凶悪な武器となる。
「コケッコー!」
物凄い速さで迫る土塊を自慢の蹴りで次々と砕き割る。
少しのミスで自分が肉塊になってしまう様な威力の連続攻撃だが、身体能力の高さには自信があるのでこの程度ではやられない。
「この程度では倒れないか。そうでなくては我も困る。」
簡単に倒せてしまっては美味しい肉にならない。
まだまだ戦いはこれからだ。
「コケッコケッ!」
バトルチキンは上機嫌に鳴いている。
目の前にいるジルは生涯戦ってきた中で一番強い。
楽しい気持ちと負けたくない気持ちが溢れていた。
「楽しいか?我の事ももっと楽しませてくれ。」
「コケッ!」
ジルの言葉に応える様にバトルチキンは更に別のスキルを使用する。
攻撃手段である両足のオーラが更に赤みを増す。
バトルチキンがその場で片足を上げて勢い良く下ろすと、それだけで地面が大きくひび割れた。
「今度は別のスキルか。やはり強い個体はスキルも多いな。」
使用したのは剛脚と言うスキルであり、足での攻撃に限って凄まじい威力を発揮出来る様になる。
「コケッ!」
「はあっ!」
ジルの魔装した拳とバトルチキンの二重のスキル強化による蹴りがぶつかり合う。
爆発音にも聞こえる打撃音を轟かせ、その衝突でジルの拳に傷が入り鮮血が舞う。
「やるではないか。」
「コケッコ!」
スキルは永続では無いのでバトルチキンが畳み掛ける。
拳は完全に壊された訳では無いがダメージが大きい。
バトルチキンの破壊力は凄まじく、打ち合う度にジルの拳や足から血が流れる。
「コケッ!」
「コケッ!」
「ん?」
辺りから沢山の鳴き声が聞こえてくると思えばバトルチキンに周囲を囲まれていた。
夢中で戦いを楽しんでいたので気付かなかった。
「他のバトルチキンも集まってきていたか。激しく戦っていたから気になった感じか?」
加勢してくるかと一瞬考えたが、どうやら手を出すつもりは無さそうだ。
ただ二人の戦いを観戦している。
「コケーッ!」
ジルと戦うバトルチキンが大きく鳴くと周りのバトルチキン達が静かになる。
黙って自分達の戦いを見ていろとでも言ってそうだ。
「他のバトルチキンにも認められる程の実力か。我の目に狂いは無かった訳だな。」
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「まだまだ踊ってもらうぞ!」
周りが静かになったところで再び戦いを再開した。
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