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100章
元魔王様と風を司る原初の龍 4
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階段を上り切った場所でジル達が待っているとレーテルとレテルシエルがやってくる。
「もう話しはいいのか?」
「うん、これ以上は揶揄われるだけだろうし。それにレテルシエルがジルに話しがあるんだってさ。」
少し顔を赤らめたレーテルがそう言ってくる。
「我に話し?」
「はい、少し相談したい事がありまして。お時間宜しいですか?」
「別に構わないが。」
「それでしたら建物の中へ。」
レテルシエルが先程まで話していた龍のお社の方へ促してくる。
どうやら皆には聞かせられない話しらしい。
「え?内緒話し?」
「みたいですね。」
「主様襲われちゃうの?」
「いや、そう言う雰囲気では無さそうじゃから大丈夫じゃろう。」
「では少し待っていてくれ。」
少し不満気な者もいたが皆には待ってもらう事にして、ジルとレテルシエルは建物の方へと歩いていく。
その間にレテルシエルと再開したレーテルに色々と話しが振られていたので退屈はしないだろう。
「それで何の用だ?」
「先ずは本題の前に魔王ジークルード、復活おめでとうございます。」
「我だけ呼び出したから予想はしていたがやはりそれか。やれやれ、よく正体がバレる。」
前世の正体がレテルシエルにはバレているだろうと思っていたが案の定であった。
皆の前で言わなかった事だけは感謝である。
「敢えて対策していないのは、かつての知人達に分かりやすい様にしているのかと思っていたのですが違うのですか?」
「そうだとも違うとも言えんな。既に我は転生して魔王では無い。前世の事で騒がれるのは遠慮したいのが本音だ。だが我は転生により多くの者に迷惑を掛けた。そう言った者達が気付いて庇護を求めてくるなら助ける義務があると思ってな。」
「成る程、そう言った理由でしたか。」
元魔王の事を広められるのは困るが転生により迷惑を掛けた者達を助けたいのも事実だ。
なので完全に正体を隠す様な事はしていない。
故にジルの前世を知る長命種には正体を見破られやすくなっている。
「レテルシエルに会うのは二度目だな。」
「はい、貴方と出会った時に死を覚悟したのを今でも覚えています。」
最初にあったのは前世の頃だ。
当時の魔王と対面した時に原初の龍と言われるレテルシエルでも死を覚悟したと言う。
それだけ魔王の力は別次元のものなのだ。
「人聞きの悪い事を言う。我に戦闘の意思は無かったぞ?」
「それでも貴方の圧倒的な力を前にすれば誰であろうと恐怖を抱くのは仕方が無い事だと思いますよ。あの頃は特に戦闘狂でしたから。」
「そうか、出会ったのは魔王となって直ぐくらいだったな?」
「そうですね。貴方が魔族を守る為に実力を必死に高めている期間でした。他の魔物同様狩られるのではないかと怯えたものです。」
まだ魔王となって若かった頃の話しだ。
その頃から原初の龍と同等以上の力を持っていたが、同族達を守る使命を神々から請け負っていたので更なる力を求めて日々戦いに明け暮れていた。
いつ見ても強さを求めて魔物を狩り続けていた魔王ジークルードだったので、自分も対象になるのではないかとレテルシエルは怯えていたのである。
「レテルシエルとは会話が成立したからな。それに温厚な性格のお前を狩る気にはならなかった。」
「自分の性格に感謝ですね。」
元魔王はスキルによりドラゴンの言葉を話す事も出来た。
レテルシエルは戦闘よりも対話を望んだので狩られずに済んだのである。
「それで昔話しをする為に呼んだ訳では無いんだろう?」
「そうでした、あの時代を生きた者となると同種以外にあまりいないもので、つい懐かしい話しをしてしまいました。」
昔話しをしていたら時間が足りなくなってしまう。
一旦ここまでとして本題に入る。
「それでは本題なのですが、私をジルの拠点である浮島でしたか?そこに少しの間住ませてほしいのです。」
レテルシエルの用件とは浮島で暮らしてもいいかと言う話しであった。
「少しと言う事は住民になる訳では無いと言う事か?」
「はい、ヴォンと共にいずれは出る事になるでしょう。ですが私を探す為に長い時間を使わせてしまったレーテルへの罪滅ぼしと言いますか。私自身成長したレーテルと少しの間、昔の様に共に過ごしてみたいなと思いまして。」
せっかく久々に出会えたのだ。
昔の様にレーテルと一緒にゆっくり浮島で過ごしたいらしい。
「成る程な、別に構わないぞ。レーテルもせっかく出会って直ぐに別れるのは寂しいだろう。」
「ありがとうございます。」
ジルから許可をもらって嬉しそうに微笑むレテルシエルだった。
「もう話しはいいのか?」
「うん、これ以上は揶揄われるだけだろうし。それにレテルシエルがジルに話しがあるんだってさ。」
少し顔を赤らめたレーテルがそう言ってくる。
「我に話し?」
「はい、少し相談したい事がありまして。お時間宜しいですか?」
「別に構わないが。」
「それでしたら建物の中へ。」
レテルシエルが先程まで話していた龍のお社の方へ促してくる。
どうやら皆には聞かせられない話しらしい。
「え?内緒話し?」
「みたいですね。」
「主様襲われちゃうの?」
「いや、そう言う雰囲気では無さそうじゃから大丈夫じゃろう。」
「では少し待っていてくれ。」
少し不満気な者もいたが皆には待ってもらう事にして、ジルとレテルシエルは建物の方へと歩いていく。
その間にレテルシエルと再開したレーテルに色々と話しが振られていたので退屈はしないだろう。
「それで何の用だ?」
「先ずは本題の前に魔王ジークルード、復活おめでとうございます。」
「我だけ呼び出したから予想はしていたがやはりそれか。やれやれ、よく正体がバレる。」
前世の正体がレテルシエルにはバレているだろうと思っていたが案の定であった。
皆の前で言わなかった事だけは感謝である。
「敢えて対策していないのは、かつての知人達に分かりやすい様にしているのかと思っていたのですが違うのですか?」
「そうだとも違うとも言えんな。既に我は転生して魔王では無い。前世の事で騒がれるのは遠慮したいのが本音だ。だが我は転生により多くの者に迷惑を掛けた。そう言った者達が気付いて庇護を求めてくるなら助ける義務があると思ってな。」
「成る程、そう言った理由でしたか。」
元魔王の事を広められるのは困るが転生により迷惑を掛けた者達を助けたいのも事実だ。
なので完全に正体を隠す様な事はしていない。
故にジルの前世を知る長命種には正体を見破られやすくなっている。
「レテルシエルに会うのは二度目だな。」
「はい、貴方と出会った時に死を覚悟したのを今でも覚えています。」
最初にあったのは前世の頃だ。
当時の魔王と対面した時に原初の龍と言われるレテルシエルでも死を覚悟したと言う。
それだけ魔王の力は別次元のものなのだ。
「人聞きの悪い事を言う。我に戦闘の意思は無かったぞ?」
「それでも貴方の圧倒的な力を前にすれば誰であろうと恐怖を抱くのは仕方が無い事だと思いますよ。あの頃は特に戦闘狂でしたから。」
「そうか、出会ったのは魔王となって直ぐくらいだったな?」
「そうですね。貴方が魔族を守る為に実力を必死に高めている期間でした。他の魔物同様狩られるのではないかと怯えたものです。」
まだ魔王となって若かった頃の話しだ。
その頃から原初の龍と同等以上の力を持っていたが、同族達を守る使命を神々から請け負っていたので更なる力を求めて日々戦いに明け暮れていた。
いつ見ても強さを求めて魔物を狩り続けていた魔王ジークルードだったので、自分も対象になるのではないかとレテルシエルは怯えていたのである。
「レテルシエルとは会話が成立したからな。それに温厚な性格のお前を狩る気にはならなかった。」
「自分の性格に感謝ですね。」
元魔王はスキルによりドラゴンの言葉を話す事も出来た。
レテルシエルは戦闘よりも対話を望んだので狩られずに済んだのである。
「それで昔話しをする為に呼んだ訳では無いんだろう?」
「そうでした、あの時代を生きた者となると同種以外にあまりいないもので、つい懐かしい話しをしてしまいました。」
昔話しをしていたら時間が足りなくなってしまう。
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「それでは本題なのですが、私をジルの拠点である浮島でしたか?そこに少しの間住ませてほしいのです。」
レテルシエルの用件とは浮島で暮らしてもいいかと言う話しであった。
「少しと言う事は住民になる訳では無いと言う事か?」
「はい、ヴォンと共にいずれは出る事になるでしょう。ですが私を探す為に長い時間を使わせてしまったレーテルへの罪滅ぼしと言いますか。私自身成長したレーテルと少しの間、昔の様に共に過ごしてみたいなと思いまして。」
せっかく久々に出会えたのだ。
昔の様にレーテルと一緒にゆっくり浮島で過ごしたいらしい。
「成る程な、別に構わないぞ。レーテルもせっかく出会って直ぐに別れるのは寂しいだろう。」
「ありがとうございます。」
ジルから許可をもらって嬉しそうに微笑むレテルシエルだった。
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