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100章
元魔王様と風を司る原初の龍 5
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レテルシエルからのお願いを受け入れてジル達は皆の下に戻ろうとする。
「ジル、もう一つだけいいですか?」
戻ろうとしたジルをレテルシエルが呼び止める。
「ん?浮島に住ませてほしいと言うのが伝えかった事ではないのか?」
「そうです。これは直近と言う訳でも無いので、可能であればと言うお願いです。」
何となくレテルシエルから真剣な雰囲気が伝わってくる。
「ふむ、一先ず話しを聞こう。」
「ありがとうございます。貴方は前世で多くの原初の龍と会った事がある筈です。」
「そうだな。レテルシエルの様に有効的な者、従魔希望、婚姻を迫ってきた者もいた。」
魔王であったが故か、様々な原初の龍と出会う機会があった。
原初の龍達も世界最強の魔王に少なからず興味を持っていたのだ。
「逆に貴方の存在を滅ぼそうとした者達もいました。」
「懐かしい話しを持ち出してくるな。同族達を想っての恨み事か?」
原初の龍の中には魔王の存在を良く思わず殺そうとしてきた者達もいた。
しかしその者達は魔王ジークルードに挑み敗北し、中にはその戦いで命を落とした者もいたのだ。
「恨み事なんてありません。あの一件、貴方に非はありませんから。むしろ暴走を止められなかった我々に責任があります。」
「いや、お前達は説得していただろう?」
レテルシエルを含む複数の原初の龍達が魔王に戦いを挑もうとしているのを止めようと説得していたのは知っている。
止めようとしてくれたレテルシエル達に非は無い。
「しかしそれでも止められませんでした。結果、無駄な大きな戦いを起こしてしまいました。」
魔王と原初の龍達による戦いだ。
世界的に見ても大規模な戦いであった事は簡単に想像出来る。
「我としては無駄にはならなかったがな。強くなる糧、世界一の素材、魔族達からの信頼と得る物は多かった。」
原初の龍達にとっては災難だったが、魔王となって間も無い頃だったので得る物が多くて助かった。
「貴方にとっては良い事が多かったのですね。ですが貴方と戦った者達はそうではありませんでした。」
「そうだろうな。我が得たと言う事はあいつらは失ったと言う事だ。」
「はい、貴方に挑んだ五体の原初の龍。その内の三体は貴方の手によって息絶え、二体は重症を負いました。」
魔王ジークルードは最強の魔物と言われている原初の龍を五体同時に相手をした事がある。
そして特に苦戦する事無く戦いに勝利していた。
「そしてその二体は今でも生きています。」
「ほう、あれだけの重症を負いながら生きていたか。」
「完治とまではいかなかった様ですけどね。」
「当然だろう。そう言うふうに攻撃したのだからな。」
魔王を殺すつもりで協力して挑んできたのだ。
当然魔王側も殺すつもりで相手をした。
生き残ったと言っても二体の原初の龍にも死に至る攻撃を何度も浴びせた。
簡単に治る事は無いだろう。
「生き残った二体の内、赫龍レテルフロガは生前とは比べ物にならない程大人しくなりました。貴方に刻み込まれた畏怖の感情で戦闘を楽しめなくなったらしいです。」
「あの喧嘩早いレテルフロガがな。まあ、それ自体は良い事だろう。あいつはどんな者にでも戦いを仕掛けて被害が各国で後を絶たなかったからな。」
レテルフロガは火魔法を世界に広めたと言われている原初の龍だ。
戦闘狂だったレテルフロガは誰彼構わず襲い掛かっていたが、魔王に負けてからはとても大人しくなったと言う。
レテルフロガを知っているからこそ中々信じ難い事だ。
「レテルフロガは良い方向に落ち着いたと我々は考えています。ですが問題はもう一方でして。」
「レテルフロガと共に逃げ延びたのはレテルブラドだったな?」
レテルブラドは鮮血魔法を世界に広めたと言われている原初の龍だ。
「はい、こちらは貴方に対しての憎しみが凄まじく、私達でも抑え込めない程です。ここ暫く姿も見掛けていないので現在どこにいるかも分からず。」
「お願いとはそのレテルブラドの捜索か?」
「いえ、それは火に油を注ぐ様なもの。元魔王から人族に転生したとしても貴方を恨んでいる事には変わりありません。」
「逆恨みだがな。」
自分から殺しにきておいて返り討ちに会い、恨んで憎んでいると言う。
転生した今もそれが変わっていないとすれば相当根に持っている事になる。
「それには同情します。ですがレテルブラドが貴方を見つければ間違い無く殺そうとするでしょう。その際は私にも加勢させて下さい。」
「レテルシエルが?」
「はい、今の貴方では原初の龍と戦っても勝てるか分からないでしょう。ですが私との共闘であれば、血龍レテルブラドに勝利する事も可能ではないかと。」
レテルシエルが真剣な表情でそう言ってきた。
「ジル、もう一つだけいいですか?」
戻ろうとしたジルをレテルシエルが呼び止める。
「ん?浮島に住ませてほしいと言うのが伝えかった事ではないのか?」
「そうです。これは直近と言う訳でも無いので、可能であればと言うお願いです。」
何となくレテルシエルから真剣な雰囲気が伝わってくる。
「ふむ、一先ず話しを聞こう。」
「ありがとうございます。貴方は前世で多くの原初の龍と会った事がある筈です。」
「そうだな。レテルシエルの様に有効的な者、従魔希望、婚姻を迫ってきた者もいた。」
魔王であったが故か、様々な原初の龍と出会う機会があった。
原初の龍達も世界最強の魔王に少なからず興味を持っていたのだ。
「逆に貴方の存在を滅ぼそうとした者達もいました。」
「懐かしい話しを持ち出してくるな。同族達を想っての恨み事か?」
原初の龍の中には魔王の存在を良く思わず殺そうとしてきた者達もいた。
しかしその者達は魔王ジークルードに挑み敗北し、中にはその戦いで命を落とした者もいたのだ。
「恨み事なんてありません。あの一件、貴方に非はありませんから。むしろ暴走を止められなかった我々に責任があります。」
「いや、お前達は説得していただろう?」
レテルシエルを含む複数の原初の龍達が魔王に戦いを挑もうとしているのを止めようと説得していたのは知っている。
止めようとしてくれたレテルシエル達に非は無い。
「しかしそれでも止められませんでした。結果、無駄な大きな戦いを起こしてしまいました。」
魔王と原初の龍達による戦いだ。
世界的に見ても大規模な戦いであった事は簡単に想像出来る。
「我としては無駄にはならなかったがな。強くなる糧、世界一の素材、魔族達からの信頼と得る物は多かった。」
原初の龍達にとっては災難だったが、魔王となって間も無い頃だったので得る物が多くて助かった。
「貴方にとっては良い事が多かったのですね。ですが貴方と戦った者達はそうではありませんでした。」
「そうだろうな。我が得たと言う事はあいつらは失ったと言う事だ。」
「はい、貴方に挑んだ五体の原初の龍。その内の三体は貴方の手によって息絶え、二体は重症を負いました。」
魔王ジークルードは最強の魔物と言われている原初の龍を五体同時に相手をした事がある。
そして特に苦戦する事無く戦いに勝利していた。
「そしてその二体は今でも生きています。」
「ほう、あれだけの重症を負いながら生きていたか。」
「完治とまではいかなかった様ですけどね。」
「当然だろう。そう言うふうに攻撃したのだからな。」
魔王を殺すつもりで協力して挑んできたのだ。
当然魔王側も殺すつもりで相手をした。
生き残ったと言っても二体の原初の龍にも死に至る攻撃を何度も浴びせた。
簡単に治る事は無いだろう。
「生き残った二体の内、赫龍レテルフロガは生前とは比べ物にならない程大人しくなりました。貴方に刻み込まれた畏怖の感情で戦闘を楽しめなくなったらしいです。」
「あの喧嘩早いレテルフロガがな。まあ、それ自体は良い事だろう。あいつはどんな者にでも戦いを仕掛けて被害が各国で後を絶たなかったからな。」
レテルフロガは火魔法を世界に広めたと言われている原初の龍だ。
戦闘狂だったレテルフロガは誰彼構わず襲い掛かっていたが、魔王に負けてからはとても大人しくなったと言う。
レテルフロガを知っているからこそ中々信じ難い事だ。
「レテルフロガは良い方向に落ち着いたと我々は考えています。ですが問題はもう一方でして。」
「レテルフロガと共に逃げ延びたのはレテルブラドだったな?」
レテルブラドは鮮血魔法を世界に広めたと言われている原初の龍だ。
「はい、こちらは貴方に対しての憎しみが凄まじく、私達でも抑え込めない程です。ここ暫く姿も見掛けていないので現在どこにいるかも分からず。」
「お願いとはそのレテルブラドの捜索か?」
「いえ、それは火に油を注ぐ様なもの。元魔王から人族に転生したとしても貴方を恨んでいる事には変わりありません。」
「逆恨みだがな。」
自分から殺しにきておいて返り討ちに会い、恨んで憎んでいると言う。
転生した今もそれが変わっていないとすれば相当根に持っている事になる。
「それには同情します。ですがレテルブラドが貴方を見つければ間違い無く殺そうとするでしょう。その際は私にも加勢させて下さい。」
「レテルシエルが?」
「はい、今の貴方では原初の龍と戦っても勝てるか分からないでしょう。ですが私との共闘であれば、血龍レテルブラドに勝利する事も可能ではないかと。」
レテルシエルが真剣な表情でそう言ってきた。
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