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100章
元魔王様と風を司る原初の龍 6
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なんと血龍レテルブラドと戦う事があれば自分にも戦わせてほしいと、レテルシエルが共闘を申し出てきた。
「ふむ、有り難い申し出だがレテルシエルに何の得がある?」
原初の龍同士が本気で戦えばどちらも無事では済まない。
レテルシエル自身の命も危うくなってしまうのに、わざわざ戦う意味が分からない。
「得ですか?特にそう言った物はありません。あの者を野放しにしておくのは危険と言うだけの事です。貴方との戦いから暫く後の事なのですが、二匹の取った行動は全く正反対のものでした。」
「我に負わされた怪我の件か?」
「はい、重症でしたからね。赫龍レテルフロガは自身の巣に戻り自己治癒で傷を癒しました。」
光魔法や神聖魔法を使えなくてもドラゴンの自己治癒能力はとても高い。
浅い傷くらいなら一晩も経てば治る。
「だがそう簡単に治せる怪我では無いぞ?」
「そうですね。それだけ深い傷だった様ですから。なので貴方に敗北した赫龍レテルフロガは怪我で戦闘を楽しめなくなり、食事となる狩りも最低限で巣に引きこもる様になりました。それは現在もですね。」
戦う事を生き甲斐にしていた様なドラゴンだったが魔王に負けた時の怪我や恐怖により戦う事が出来無くなった。
それは今も治ってはおらず、あの時の事を引きずっているらしい。
「それの正反対と言う事は。」
「はい、血龍レテルブラドは他者による回復の為に我ら原初の龍の中でも争いを好まない聖龍レテルソアンの下を訪ねて魔法による治療を願い出ました。貴方が転生した後の事になります。」
レテルソアンは神聖魔法を世界に広めたと言われている原初の龍だ。
「ふむ、ソアンか。」
「貴方もよく知っていますよね?」
「ああ、求婚されたくらいだからな。」
レテルソアンは魔王ジークルードの事を気に入って求婚を申し込んできた事がある。
原初の龍の中では少し変わり者のドラゴンだ。
「はぁ、貴方にフラれた聖龍レテルソアンを思い出すと今でも胸が痛いです。何年もショックを受けて可哀想でしたから。」
当時の事を思い出してレテルシエルの目が鋭くなっていく。
旧友を落ち込ませた元凶であるジルに不満を抱いている様子だ。
「あの頃は我も余裕が無かったのだ。」
「知っていますよ。だからこそ聖龍レテルソアンも無理は言わなかったのですから。」
神々からの使命として魔族を守る事に必死だった。
魔王時代は恋愛なんて気にしている余裕は無かったのである。
「話しを戻してくれ。我を攻める様な雰囲気になっているぞ。」
「失礼しました。貴方と戦った血龍レテルブラドの要請にも優しい聖龍レテルソアンは応えました。神聖魔法により貴方に負わされた傷の殆どは完治しました。」
「さすがはソアンだな。」
普通の神聖魔法の使い手では簡単に治療出来無い程のダメージを与えた。
それを治してしまうとは、さすがは神聖魔法の始祖と呼ばれているだけはある。
「ですが血龍レテルブラドは回復した後、恩を仇で返す様に聖龍レテルソアンを攻撃しようとしたのです。」
「何?」
「理由は単純です。聖龍レテルソアンが貴方と親しかったから。貴方の大切な者を負けた腹いせに殺そうとしたのですよ。」
レテルブラドは魔王に近しい者を全て憎んでいた。
それは同じ原初の龍であり自分の傷を癒してくれたレテルソアンも対象であった。
「ソアンはどうなった?」
「現在も無事です。血龍レテルブラドに襲われた時は私を含めた何匹かの原初の龍が止めに入りましたから。力の強い血龍レテルブラドと言えど、原初の龍を複数相手にするのは厳しいですからね。」
「そうか、助かったぞ。」
「聖龍レテルソアンの為ですから。」
レテルソアンが無事と聞いてジルは安心した。
腹いせに殺されたとあってはレテルソアンが不憫過ぎる。
守ってくれたレテルシエル達には感謝である。
「これで私が血龍レテルブラドを放っておけない理由が分かりましたか?」
「ああ、我に関係する者に当たり散らす様であれば放置は出来んな。」
レテルソアン以外にも魔王時代に関わりを持ち、今も生き続けている者達は多い。
その者達がレテルブラドの標的となるならば見過ごす事は出来無い。
「現在までは巣で大人しくしている筈です。巣である山から出ようとすれば直ぐに分かる様に監視の目を光らせていますから。」
レテルブラドを一箇所に留めておく事で被害を出さない様にしてくれていたらしい。
100年以上の監視とは長命種であるドラゴンだからこそ出来る事だろう。
「それは助かったぞ。我の転生中に知り合いが殺されている様な自体にはなってなさそうだな。」
「感謝して下さいね。」
知らず知らずの内にレテルシエル達には借りが出来ていた様だ。
転生中の知り合いの無惨な死亡報告を受けずに済んだ。
「そして私のお願いは受けて下さると言う事で宜しいですね?」
「ああ、我らでは難しそうだがレテルシエルが力を貸してくれるなら大丈夫そうだな。その時が来たら頼らせてもらう。」
レテルシエルの言葉に大きく頷いてジルが言う。
原初の龍の一体である嵐龍レテルシエルが味方になってくれたのはとても心強い。
レテルブラドと戦う事になれば是非頼らせてもらおうと思うジルだった。
「ふむ、有り難い申し出だがレテルシエルに何の得がある?」
原初の龍同士が本気で戦えばどちらも無事では済まない。
レテルシエル自身の命も危うくなってしまうのに、わざわざ戦う意味が分からない。
「得ですか?特にそう言った物はありません。あの者を野放しにしておくのは危険と言うだけの事です。貴方との戦いから暫く後の事なのですが、二匹の取った行動は全く正反対のものでした。」
「我に負わされた怪我の件か?」
「はい、重症でしたからね。赫龍レテルフロガは自身の巣に戻り自己治癒で傷を癒しました。」
光魔法や神聖魔法を使えなくてもドラゴンの自己治癒能力はとても高い。
浅い傷くらいなら一晩も経てば治る。
「だがそう簡単に治せる怪我では無いぞ?」
「そうですね。それだけ深い傷だった様ですから。なので貴方に敗北した赫龍レテルフロガは怪我で戦闘を楽しめなくなり、食事となる狩りも最低限で巣に引きこもる様になりました。それは現在もですね。」
戦う事を生き甲斐にしていた様なドラゴンだったが魔王に負けた時の怪我や恐怖により戦う事が出来無くなった。
それは今も治ってはおらず、あの時の事を引きずっているらしい。
「それの正反対と言う事は。」
「はい、血龍レテルブラドは他者による回復の為に我ら原初の龍の中でも争いを好まない聖龍レテルソアンの下を訪ねて魔法による治療を願い出ました。貴方が転生した後の事になります。」
レテルソアンは神聖魔法を世界に広めたと言われている原初の龍だ。
「ふむ、ソアンか。」
「貴方もよく知っていますよね?」
「ああ、求婚されたくらいだからな。」
レテルソアンは魔王ジークルードの事を気に入って求婚を申し込んできた事がある。
原初の龍の中では少し変わり者のドラゴンだ。
「はぁ、貴方にフラれた聖龍レテルソアンを思い出すと今でも胸が痛いです。何年もショックを受けて可哀想でしたから。」
当時の事を思い出してレテルシエルの目が鋭くなっていく。
旧友を落ち込ませた元凶であるジルに不満を抱いている様子だ。
「あの頃は我も余裕が無かったのだ。」
「知っていますよ。だからこそ聖龍レテルソアンも無理は言わなかったのですから。」
神々からの使命として魔族を守る事に必死だった。
魔王時代は恋愛なんて気にしている余裕は無かったのである。
「話しを戻してくれ。我を攻める様な雰囲気になっているぞ。」
「失礼しました。貴方と戦った血龍レテルブラドの要請にも優しい聖龍レテルソアンは応えました。神聖魔法により貴方に負わされた傷の殆どは完治しました。」
「さすがはソアンだな。」
普通の神聖魔法の使い手では簡単に治療出来無い程のダメージを与えた。
それを治してしまうとは、さすがは神聖魔法の始祖と呼ばれているだけはある。
「ですが血龍レテルブラドは回復した後、恩を仇で返す様に聖龍レテルソアンを攻撃しようとしたのです。」
「何?」
「理由は単純です。聖龍レテルソアンが貴方と親しかったから。貴方の大切な者を負けた腹いせに殺そうとしたのですよ。」
レテルブラドは魔王に近しい者を全て憎んでいた。
それは同じ原初の龍であり自分の傷を癒してくれたレテルソアンも対象であった。
「ソアンはどうなった?」
「現在も無事です。血龍レテルブラドに襲われた時は私を含めた何匹かの原初の龍が止めに入りましたから。力の強い血龍レテルブラドと言えど、原初の龍を複数相手にするのは厳しいですからね。」
「そうか、助かったぞ。」
「聖龍レテルソアンの為ですから。」
レテルソアンが無事と聞いてジルは安心した。
腹いせに殺されたとあってはレテルソアンが不憫過ぎる。
守ってくれたレテルシエル達には感謝である。
「これで私が血龍レテルブラドを放っておけない理由が分かりましたか?」
「ああ、我に関係する者に当たり散らす様であれば放置は出来んな。」
レテルソアン以外にも魔王時代に関わりを持ち、今も生き続けている者達は多い。
その者達がレテルブラドの標的となるならば見過ごす事は出来無い。
「現在までは巣で大人しくしている筈です。巣である山から出ようとすれば直ぐに分かる様に監視の目を光らせていますから。」
レテルブラドを一箇所に留めておく事で被害を出さない様にしてくれていたらしい。
100年以上の監視とは長命種であるドラゴンだからこそ出来る事だろう。
「それは助かったぞ。我の転生中に知り合いが殺されている様な自体にはなってなさそうだな。」
「感謝して下さいね。」
知らず知らずの内にレテルシエル達には借りが出来ていた様だ。
転生中の知り合いの無惨な死亡報告を受けずに済んだ。
「そして私のお願いは受けて下さると言う事で宜しいですね?」
「ああ、我らでは難しそうだがレテルシエルが力を貸してくれるなら大丈夫そうだな。その時が来たら頼らせてもらう。」
レテルシエルの言葉に大きく頷いてジルが言う。
原初の龍の一体である嵐龍レテルシエルが味方になってくれたのはとても心強い。
レテルブラドと戦う事になれば是非頼らせてもらおうと思うジルだった。
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