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104章
元魔王様と王子の忙しい休日 8
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「エトワール殿下、冗談でもそう言った事を仰るのは止めて下さい。ジル殿もです。」
「すまんすまん。私にこんな事を言えるのはジルくらいしかいないのでついな。」
人生初めての事に思わず笑ってしまった。
こんな軽口を叩けるくらいには仲が良くなったと言う事だろう。
「それでジルよ、本当にあの大量のオーク達を倒せるのか?」
「通常種ばかりではありません。上位種や統率個体もかなりの数が見えましたよ?」
上位種は通常種と比べて個の力が強く、何かに秀でているのが多い。
そして統率個体は同種にバフを掛ける事が出来る。
簡単に倒せる通常種や元々厄介な上位種が更に強化されるとなれば殲滅も容易では無い。
「我が全力を出せるのであれば問題無い。オークの集落でこれ程の物を見るのは初めてだが、所詮は数が多いだけのオークだからな。」
驚きはしたが恐れは無い。
数が多いくらいではジルの脅威にはならない。
「王国騎士団全員でも勝てるか怪しい戦力なのですが。」
「頼もしい事だ。」
実力の次元が違うので感覚も大きく異なっている。
二人にとっては脅威でもジルにとっては数が多いだけのオークなのだ。
「逆に聞くが国家戦力レベルはこの程度も殲滅出来無いのか?ラブリートであれば一人で全て殴り殺す事くらい出来そうだがな。」
ラブリートは強い。
今世で会ってきた者の中では間違い無く最高峰の実力者だ。
そのラブリートと同じSランクになろうとしているジルが戦おうとしているのだ。
二人の心配は杞憂なのである。
「確かにラブリート殿ならば出来無くはないだろうが、これだけの数だからな。」
「ランク的には下でもAランクの個体が相当数いる筈ですからね。」
ラブリートでも苦戦は免れないのではないかと二人は思っている様だ。
「良い機会だからSランクと言う理不尽をお前達に体験させてやろう。これを見れば同じSランクのラブリートの理不尽さも分かる筈だ。」
ジルが銀月を抜きながら洞窟の入り口へと歩いていく。
「私達は参加しなくてもいいのか?」
「巻き込まれたく無ければ出てこない方がいいだろうな。」
「エトワール殿下、私達は洞窟の入り口で待機していましょう。ジル殿が撃ち漏らしたオークが洞窟から地上に逃げる可能性もありますから。」
「そうするか。邪魔にならないところから援護する分には問題無いだろう。」
地上にオークが逃げれば街道沿いが再び危険になる。
もう一匹たりとも洞窟は使わせたくない。
「戦う前だが一つ我の秘密を話しておく。」
これから戦うにあたって火魔法縛りはさすがに厳しい。
全力で戦える様に魔法の事を話しておく事にした。
「秘密?」
「これは我の戦闘に関する秘密だ。当然の事だが他者への口外は禁止となる。例え相手が国王であってもな。」
そう言いながらエトワールに視線を向ける。
「今回のオークの件を報告する際に見たまま伝えず誤魔化せと言う事か。」
「そうなる。それが守れないのであればこの話しは無しだ。」
エトワールとソートであれば打ち明けてもいいだろうと思っての提案だ。
「構わん、約束しよう。それでオーク達が倒せるなら何も文句は無い。ソートもそれでいいな?」
「はい、エトワール殿下に従います。」
エトワールがこう言った約束事を蔑ろにしないのは簡単に想像出来る。
親しき仲にも定義ありと言うやつだ。
そして王子であるエトワールの言葉であればソートも従わない訳にはいかないだろう。
「もし誰かに広めたら我はこの国から去る。エトとの関係もここで終わると思ってくれ。」
浮島は移動可能だ。
ジャミール王国に拘る理由も無いので他国に出ても問題無い。
「それは困るな。せっかくの気の置けない友人を失いたくは無い。」
「ならば心の中に仕舞っておいてくれ。」
エトワールとしてもジルとの関係は大切にしたいと思ってくれている様だ。
「ジル殿、一体その秘密とは何の事なのですか?」
「勿体振ったが大した事では無い。少し魔法の適性が多いと言うだけの事だ。」
「それだけか?」
「それだけだ。」
関係を切るとまで言われたのでどんな秘密を打ち明けられるのかと身構えていたエトワールは拍子抜けと言った表情だ。
それでもジルにとっては大事な事なのである。
「魔法の適性が多い。確かジル殿は火魔法しか使っているところを見た事がありません。常に手を抜いて戦っていたと言う事なのですか?」
「察しがいいな。」
「まさかジル殿にはまだまだ先があったとは。」
ソートはジルの実力が更に存在する事を知って驚愕していた。
騎士団長と共にジルと模擬戦をした事もあるが、真剣な二人とは違ってジルはお遊び感覚だったのだろうと分かり、格の違いを思い知らされる。
「何故隠しているのだ?」
「魔法適性が多いと目を付けられやすいと聞いてな。王侯貴族に付き纏われても面倒だろう?」
「そう言う事か。変わった冒険者だ。」
「自覚はある。」
普通ならば自身の長所として売り込んでいく部分だ。
それを隠してまで面倒事を回避しようとしているのは何ともジルらしい。
「魔法適性に関しては私もソートも黙っておく。だからジル、力を貸してくれ。」
「ああ、任せておけ。」
エトワールの頼みに首を縦に振るジルだった。
「すまんすまん。私にこんな事を言えるのはジルくらいしかいないのでついな。」
人生初めての事に思わず笑ってしまった。
こんな軽口を叩けるくらいには仲が良くなったと言う事だろう。
「それでジルよ、本当にあの大量のオーク達を倒せるのか?」
「通常種ばかりではありません。上位種や統率個体もかなりの数が見えましたよ?」
上位種は通常種と比べて個の力が強く、何かに秀でているのが多い。
そして統率個体は同種にバフを掛ける事が出来る。
簡単に倒せる通常種や元々厄介な上位種が更に強化されるとなれば殲滅も容易では無い。
「我が全力を出せるのであれば問題無い。オークの集落でこれ程の物を見るのは初めてだが、所詮は数が多いだけのオークだからな。」
驚きはしたが恐れは無い。
数が多いくらいではジルの脅威にはならない。
「王国騎士団全員でも勝てるか怪しい戦力なのですが。」
「頼もしい事だ。」
実力の次元が違うので感覚も大きく異なっている。
二人にとっては脅威でもジルにとっては数が多いだけのオークなのだ。
「逆に聞くが国家戦力レベルはこの程度も殲滅出来無いのか?ラブリートであれば一人で全て殴り殺す事くらい出来そうだがな。」
ラブリートは強い。
今世で会ってきた者の中では間違い無く最高峰の実力者だ。
そのラブリートと同じSランクになろうとしているジルが戦おうとしているのだ。
二人の心配は杞憂なのである。
「確かにラブリート殿ならば出来無くはないだろうが、これだけの数だからな。」
「ランク的には下でもAランクの個体が相当数いる筈ですからね。」
ラブリートでも苦戦は免れないのではないかと二人は思っている様だ。
「良い機会だからSランクと言う理不尽をお前達に体験させてやろう。これを見れば同じSランクのラブリートの理不尽さも分かる筈だ。」
ジルが銀月を抜きながら洞窟の入り口へと歩いていく。
「私達は参加しなくてもいいのか?」
「巻き込まれたく無ければ出てこない方がいいだろうな。」
「エトワール殿下、私達は洞窟の入り口で待機していましょう。ジル殿が撃ち漏らしたオークが洞窟から地上に逃げる可能性もありますから。」
「そうするか。邪魔にならないところから援護する分には問題無いだろう。」
地上にオークが逃げれば街道沿いが再び危険になる。
もう一匹たりとも洞窟は使わせたくない。
「戦う前だが一つ我の秘密を話しておく。」
これから戦うにあたって火魔法縛りはさすがに厳しい。
全力で戦える様に魔法の事を話しておく事にした。
「秘密?」
「これは我の戦闘に関する秘密だ。当然の事だが他者への口外は禁止となる。例え相手が国王であってもな。」
そう言いながらエトワールに視線を向ける。
「今回のオークの件を報告する際に見たまま伝えず誤魔化せと言う事か。」
「そうなる。それが守れないのであればこの話しは無しだ。」
エトワールとソートであれば打ち明けてもいいだろうと思っての提案だ。
「構わん、約束しよう。それでオーク達が倒せるなら何も文句は無い。ソートもそれでいいな?」
「はい、エトワール殿下に従います。」
エトワールがこう言った約束事を蔑ろにしないのは簡単に想像出来る。
親しき仲にも定義ありと言うやつだ。
そして王子であるエトワールの言葉であればソートも従わない訳にはいかないだろう。
「もし誰かに広めたら我はこの国から去る。エトとの関係もここで終わると思ってくれ。」
浮島は移動可能だ。
ジャミール王国に拘る理由も無いので他国に出ても問題無い。
「それは困るな。せっかくの気の置けない友人を失いたくは無い。」
「ならば心の中に仕舞っておいてくれ。」
エトワールとしてもジルとの関係は大切にしたいと思ってくれている様だ。
「ジル殿、一体その秘密とは何の事なのですか?」
「勿体振ったが大した事では無い。少し魔法の適性が多いと言うだけの事だ。」
「それだけか?」
「それだけだ。」
関係を切るとまで言われたのでどんな秘密を打ち明けられるのかと身構えていたエトワールは拍子抜けと言った表情だ。
それでもジルにとっては大事な事なのである。
「魔法の適性が多い。確かジル殿は火魔法しか使っているところを見た事がありません。常に手を抜いて戦っていたと言う事なのですか?」
「察しがいいな。」
「まさかジル殿にはまだまだ先があったとは。」
ソートはジルの実力が更に存在する事を知って驚愕していた。
騎士団長と共にジルと模擬戦をした事もあるが、真剣な二人とは違ってジルはお遊び感覚だったのだろうと分かり、格の違いを思い知らされる。
「何故隠しているのだ?」
「魔法適性が多いと目を付けられやすいと聞いてな。王侯貴族に付き纏われても面倒だろう?」
「そう言う事か。変わった冒険者だ。」
「自覚はある。」
普通ならば自身の長所として売り込んでいく部分だ。
それを隠してまで面倒事を回避しようとしているのは何ともジルらしい。
「魔法適性に関しては私もソートも黙っておく。だからジル、力を貸してくれ。」
「ああ、任せておけ。」
エトワールの頼みに首を縦に振るジルだった。
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