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番外編
【拍手お礼②】アンネのつぶやき ―お嬢様、謁見とはどういう事でしょう―
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2019年の10月頃から、Web拍手のお礼に上げていたものです。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
ご無沙汰しております、アンネです。
しがない男爵家の長女で、縁あって十歳の頃にデルフィーヌ侯爵家に行儀見習いに出され、お仕えする事になったリィナお嬢様の可愛らしさにヤラれて早十三年。
そんな私の愛する、何故だかすっかりとフェリクス・ヴァルデマン伯爵フリークと化したお嬢様が、先日無事に成人の日を迎えられました。
成人を迎えられたとは言え、お嬢様はまだあどけなさの残る純真無垢で可憐で、まるで妖精のようにお可愛らしく、お屋敷中の人間を虜にし続けているのでございます。
十四の年に社交界デビューも果たしてはおりますが、どうにもパーティーには興味のないご様子で、必要最低限しか出席なさらず、会場でも決まって壁の花。
しかしそこは私の愛するお嬢様。「話しかけないで下さいませ」オーラを発してもなお、寄ってくる羽虫の多い事……。
けれど「ごめんなさい、気分が優れなくて……」と瞳を伏せるお嬢様に無体を働けるような輩はいるはずもありません。
――え? 殺気? 放ってなどおりませんよ?(笑顔)
そんなお嬢様は、何故だか最近従姉のエリアーヌ様と頻繁にお手紙のやり取りをなさっておいでのようです。
エリアーヌ様は旦那様のお姉様のご息女で、国王陛下の宰相を務めるお方に嫁いでおられます。
十ほど年が離れておられるとは言え、お嬢様はエリアーヌ様を「お姉さま」と呼んで大変慕っていらっしゃいました。
成人のお祝いにと贈り物を頂いて、それがきっかけでお手紙のやり取りが弾んでいるようで、最近のお嬢様はエリアーヌ様からのお手紙をとても楽しみにお待ちしているようでございました。
そんなある日、お嬢様がエリアーヌ様のお茶会に招かれたから行っても良いかと、嬉しそうに旦那様におねだりなさいました。
旦那様から行っておいでと微笑まれて、それに抱き着かんばかりに喜ぶお嬢様のご様子に……多少の違和感を覚えはしましたが。
喜ぶお嬢様の可愛らしさに目が眩んで、その時は深く考える事はなかったのでございます。
お茶会の当日、エリアーヌ様のお宅へ伺うとばかり思っていた私は、途中からおかしな事に気付きました。
エリアーヌ様のお宅と、馬車が向かっている方角が、明らかに違うのです。
御者に違うと伝えようとした私を、お嬢様は「良いのよ」と微笑んで制止なさいます。
――そして見えて来たのは、王城。
何度目を擦ってみても、どこからどう見ても王城で、しかもお嬢様が「陛下に謁見の申し込みをしております」と衛兵に伝えて馬車が城内に滑り込んだ時には、流石の私も心臓が飛び出すかと思いました。
──お嬢様、謁見とはどういう事でしょう……。
訳が分からぬままお嬢様と共に入城したものの、侍女殿はこちらでお待ちくださいと控室に押し込められてしまいました。
お嬢様は申し訳なさそうに「ごめんなさい、アンネ。でも私の一生がかかっているの」と謎の言葉を残して、私を控室に置き去りにして、お一人でお城の奥へと向かってしまわれたのでございます。
一体どういう事なのか、一体お嬢様は陛下と何のお話をなさっておられるのか。
待たされていた時間は、二十分にも満たない時間だったようですが、とてもとても永く感じられました。
やがて、外から軽やかな足音が聞こえてきました。
紛う事なきお嬢様の足音。
けれど珍しく速足のご様子に、私は何かあったのかと部屋のドアが開くのを待ちました。
そして足音が部屋の前で止まったかと思ったら、お嬢様にしては珍しく勢いよくドアが開いて、そして――
「やったわ、アンネ! すぐに帰るわよ!!」
一枚の書状を手に、輝かんばかりの笑顔でそうおっしゃったのでございます。
何が「やった」なのか、私は帰りの馬車の中で真実を知る事となったのでございます。
エリアーヌ様からお嬢様に成人のお祝いが届いた際、エリアーヌ様からの手紙に「これで貴女も『憧れのフェリクス様』と結婚出来る年齢になったのね」と書かれていたのだとか。
勿論エリアーヌ様も本気で書いたわけではないでしょう。むしろ冗談でしかなかったと思われます。
お嬢様はそのエリアーヌ様への手紙の返事に「フェリクス様は夜会にも姿を見せないので知り合う機会がない」と愚痴をお書きになったそうなのです。
そうしてそこから『どうすればフェリクス様と出会えるか』という内容の手紙が、何度か交わされたのだそうでございます。
エリアーヌ様も、よくぞそのような内容にお付き合いしたものだと思うのですが……。
ところが、お嬢様が何の気なしに(お嬢様談)「もういっそ陛下からお許しが頂ければ、フェリクス様の元に赴けるのに」と書いた事が、事態を大きく動かす事になってしまったのでございます。
エリアーヌ様の旦那様は陛下の宰相を務めるお方。
つまり毎日陛下と一緒に過ごしておられるお方。
そして宰相様は、九つ年下のエリアーヌ様が可愛くて仕方がないようで、エリアーヌ様からのおねだりにめっぽう弱いのだとか……。
かくして可愛い妻から可愛らしくねだられたと思しき宰相様は、数日後の陛下の空き時間にお嬢様の謁見を捻じ込むという暴挙に出たようでございます。
――大丈夫なのでしょうか。宰相がそれで、この国は。
宰相様もエリアーヌ様も、そしてお嬢様も、誰一人として陛下から咎められる事もなく無事に謁見を果たしたお嬢様は、陛下からフェリクス様との結婚の許可を頂き、ご両親にあてた陛下からの書状までお持ちになって意気揚々とご帰宅なさったのでございます。
ご帰宅後すぐにご両親に陛下からの書状を突き付けて『陛下からの許可を頂きましたので、私フェリクス様の妻になりますわ。認めて頂けないようでしたらこのまま修道院へ向かいます!』とおっしゃったのでございます。
旦那様は目を白黒させておられましたが、奥様は流石に落ち着いたもので『あら、そうなの? フェリクス様に受け入れて頂けると良いわねぇ』とのんびりと微笑んでおられました。
そのまま飛び出しそうなお嬢様を、旦那様が『伯爵に手紙を書くからちょっと待っていなさい!』と涙目で制されている間に、私はベティとクラーラと共に大急ぎでお嬢様の荷造りを始めました。
けれど何をスラスラ書いてしまっているのですか! と胸倉を掴みたいくらいの短時間で手紙を書き上げてしまった旦那様のおかげで間に合わず、
お嬢様はお嫁入当日の挨拶のような言葉を口にされて、颯爽と飛び出して行ってしまわれたのでございます――。
お嬢様。せめてアンネをお連れ下さい………。
仕方ないので、色々な事態に備えて私たちは荷造りを再開いたしました。
ベティにはランジェリーショップへお使いに行かせ、下着や夜着を新調させました。
えぇ、勿論新婚向けのあれやこれやを。
"夜"に備えての香り高い香油やクリーム、お嬢様のお気に入りのワンピースやドレスや装飾品――。
もしも本当にお嬢様がそのままヴァルデマン伯爵邸に住むなんて事になった際に、数日は困らない程度のお着替えや日用品を詰めました。
そんなこんなで、荷造りが終わったのは夕方。
お嬢様がさっさと追い返されていれば今夜中にお戻りになられるでしょうと、私達は日付が変わるまで待機する事にいたしました。
――結局お嬢様はその晩お戻りにならず。
日付が変わって間もなく、私達はフェリクス様のお屋敷へと向けて出発したのでございます。
ベティが買ってきた夜着がその晩大いに役に立ったようだという事は、翌朝、やはりぐっちゃぐちゃのどろっどろになっていたシーツが証明してくれたのでございました。
~Fin.~
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ご無沙汰しております、アンネです。
しがない男爵家の長女で、縁あって十歳の頃にデルフィーヌ侯爵家に行儀見習いに出され、お仕えする事になったリィナお嬢様の可愛らしさにヤラれて早十三年。
そんな私の愛する、何故だかすっかりとフェリクス・ヴァルデマン伯爵フリークと化したお嬢様が、先日無事に成人の日を迎えられました。
成人を迎えられたとは言え、お嬢様はまだあどけなさの残る純真無垢で可憐で、まるで妖精のようにお可愛らしく、お屋敷中の人間を虜にし続けているのでございます。
十四の年に社交界デビューも果たしてはおりますが、どうにもパーティーには興味のないご様子で、必要最低限しか出席なさらず、会場でも決まって壁の花。
しかしそこは私の愛するお嬢様。「話しかけないで下さいませ」オーラを発してもなお、寄ってくる羽虫の多い事……。
けれど「ごめんなさい、気分が優れなくて……」と瞳を伏せるお嬢様に無体を働けるような輩はいるはずもありません。
――え? 殺気? 放ってなどおりませんよ?(笑顔)
そんなお嬢様は、何故だか最近従姉のエリアーヌ様と頻繁にお手紙のやり取りをなさっておいでのようです。
エリアーヌ様は旦那様のお姉様のご息女で、国王陛下の宰相を務めるお方に嫁いでおられます。
十ほど年が離れておられるとは言え、お嬢様はエリアーヌ様を「お姉さま」と呼んで大変慕っていらっしゃいました。
成人のお祝いにと贈り物を頂いて、それがきっかけでお手紙のやり取りが弾んでいるようで、最近のお嬢様はエリアーヌ様からのお手紙をとても楽しみにお待ちしているようでございました。
そんなある日、お嬢様がエリアーヌ様のお茶会に招かれたから行っても良いかと、嬉しそうに旦那様におねだりなさいました。
旦那様から行っておいでと微笑まれて、それに抱き着かんばかりに喜ぶお嬢様のご様子に……多少の違和感を覚えはしましたが。
喜ぶお嬢様の可愛らしさに目が眩んで、その時は深く考える事はなかったのでございます。
お茶会の当日、エリアーヌ様のお宅へ伺うとばかり思っていた私は、途中からおかしな事に気付きました。
エリアーヌ様のお宅と、馬車が向かっている方角が、明らかに違うのです。
御者に違うと伝えようとした私を、お嬢様は「良いのよ」と微笑んで制止なさいます。
――そして見えて来たのは、王城。
何度目を擦ってみても、どこからどう見ても王城で、しかもお嬢様が「陛下に謁見の申し込みをしております」と衛兵に伝えて馬車が城内に滑り込んだ時には、流石の私も心臓が飛び出すかと思いました。
──お嬢様、謁見とはどういう事でしょう……。
訳が分からぬままお嬢様と共に入城したものの、侍女殿はこちらでお待ちくださいと控室に押し込められてしまいました。
お嬢様は申し訳なさそうに「ごめんなさい、アンネ。でも私の一生がかかっているの」と謎の言葉を残して、私を控室に置き去りにして、お一人でお城の奥へと向かってしまわれたのでございます。
一体どういう事なのか、一体お嬢様は陛下と何のお話をなさっておられるのか。
待たされていた時間は、二十分にも満たない時間だったようですが、とてもとても永く感じられました。
やがて、外から軽やかな足音が聞こえてきました。
紛う事なきお嬢様の足音。
けれど珍しく速足のご様子に、私は何かあったのかと部屋のドアが開くのを待ちました。
そして足音が部屋の前で止まったかと思ったら、お嬢様にしては珍しく勢いよくドアが開いて、そして――
「やったわ、アンネ! すぐに帰るわよ!!」
一枚の書状を手に、輝かんばかりの笑顔でそうおっしゃったのでございます。
何が「やった」なのか、私は帰りの馬車の中で真実を知る事となったのでございます。
エリアーヌ様からお嬢様に成人のお祝いが届いた際、エリアーヌ様からの手紙に「これで貴女も『憧れのフェリクス様』と結婚出来る年齢になったのね」と書かれていたのだとか。
勿論エリアーヌ様も本気で書いたわけではないでしょう。むしろ冗談でしかなかったと思われます。
お嬢様はそのエリアーヌ様への手紙の返事に「フェリクス様は夜会にも姿を見せないので知り合う機会がない」と愚痴をお書きになったそうなのです。
そうしてそこから『どうすればフェリクス様と出会えるか』という内容の手紙が、何度か交わされたのだそうでございます。
エリアーヌ様も、よくぞそのような内容にお付き合いしたものだと思うのですが……。
ところが、お嬢様が何の気なしに(お嬢様談)「もういっそ陛下からお許しが頂ければ、フェリクス様の元に赴けるのに」と書いた事が、事態を大きく動かす事になってしまったのでございます。
エリアーヌ様の旦那様は陛下の宰相を務めるお方。
つまり毎日陛下と一緒に過ごしておられるお方。
そして宰相様は、九つ年下のエリアーヌ様が可愛くて仕方がないようで、エリアーヌ様からのおねだりにめっぽう弱いのだとか……。
かくして可愛い妻から可愛らしくねだられたと思しき宰相様は、数日後の陛下の空き時間にお嬢様の謁見を捻じ込むという暴挙に出たようでございます。
――大丈夫なのでしょうか。宰相がそれで、この国は。
宰相様もエリアーヌ様も、そしてお嬢様も、誰一人として陛下から咎められる事もなく無事に謁見を果たしたお嬢様は、陛下からフェリクス様との結婚の許可を頂き、ご両親にあてた陛下からの書状までお持ちになって意気揚々とご帰宅なさったのでございます。
ご帰宅後すぐにご両親に陛下からの書状を突き付けて『陛下からの許可を頂きましたので、私フェリクス様の妻になりますわ。認めて頂けないようでしたらこのまま修道院へ向かいます!』とおっしゃったのでございます。
旦那様は目を白黒させておられましたが、奥様は流石に落ち着いたもので『あら、そうなの? フェリクス様に受け入れて頂けると良いわねぇ』とのんびりと微笑んでおられました。
そのまま飛び出しそうなお嬢様を、旦那様が『伯爵に手紙を書くからちょっと待っていなさい!』と涙目で制されている間に、私はベティとクラーラと共に大急ぎでお嬢様の荷造りを始めました。
けれど何をスラスラ書いてしまっているのですか! と胸倉を掴みたいくらいの短時間で手紙を書き上げてしまった旦那様のおかげで間に合わず、
お嬢様はお嫁入当日の挨拶のような言葉を口にされて、颯爽と飛び出して行ってしまわれたのでございます――。
お嬢様。せめてアンネをお連れ下さい………。
仕方ないので、色々な事態に備えて私たちは荷造りを再開いたしました。
ベティにはランジェリーショップへお使いに行かせ、下着や夜着を新調させました。
えぇ、勿論新婚向けのあれやこれやを。
"夜"に備えての香り高い香油やクリーム、お嬢様のお気に入りのワンピースやドレスや装飾品――。
もしも本当にお嬢様がそのままヴァルデマン伯爵邸に住むなんて事になった際に、数日は困らない程度のお着替えや日用品を詰めました。
そんなこんなで、荷造りが終わったのは夕方。
お嬢様がさっさと追い返されていれば今夜中にお戻りになられるでしょうと、私達は日付が変わるまで待機する事にいたしました。
――結局お嬢様はその晩お戻りにならず。
日付が変わって間もなく、私達はフェリクス様のお屋敷へと向けて出発したのでございます。
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