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第一部
24. これが初めて *
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お待たせいたしまし……た……?
助走です……
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
ゆっくりと、唇が重ねられる。
ちゅっと小さな音を立てて離れたと思ったら、角度を変えてまた重なって──
何度かそんな風に触れるだけのキスを繰り返されて、そしてふとクードの温もりが少し遠くなった気がして瞼を持ち上げると、まだ不安そうな色を残した、セヴィの様子を伺うようなクードの瞳とぶつかった。
セヴィはもう、と小さく苦笑を零すと、ちゅっとクードの唇にキスを贈って、そしてあの日、クードがしてくれたみたいに鼻を擦り付ける。
応える様にクードにこつんと額を合わされて、何だか胸の中がじんわり温かくなったような、でもすごくくすぐったいようなフワフワした気分になったセヴィはクスクス笑って、またクードにちょんと可愛らしいキスをした。
どちらともなく啄むようなキスを繰り返しているうち、段々とクードからのキスが長く、深くなっていく。
息を継ごうと口を開いたら唇を食まれて、驚いている間にするりとクードの舌が入り込んでくる。
「んっ……」
驚いて逃げた舌を追いかけられて、絡めとられる。
「んっ……んんっ………」
このキスは、最初の頃にもされた。
だけどあの時はただ恐くて、応えようなんて思いもせずにされるがままだった。
だからセヴィはどう応えれば良いのか分からなくて、でも一生懸命クードの舌を追いかける。
セヴィの必死の応えに、クードが小さく笑った気配がした。
ちゅ、くちゅ、と水音をさせて、クードは何度も何度もセヴィと舌を絡ませ合う。
「ふぁ……んっ………」
飲み下しきれずに零れた唾液を舐め取られて、そこでやっとセヴィは舌を、唇を解放される。
息が苦しくてボーっとしていたセヴィの蟀谷や頬にキスを落としてから、クードの唇が首筋へと滑る。
首筋から少しずつ鎖骨へと唇を落として行くクードに、セヴィは今更ながらに自分が緊張している事に気付いてしまった。
何度もしてるし、昨晩だってあんなにしたばっかりなのに……と思って、あぁそうか、と気付く。
「あ、あの、クードさま……」
「………嫌か?」
「ち、違い、ます……そうではなくて……。あの……クードさまの事を好きになって……その……今まで何度もシてはいますけど……私としては、これが初めてみたい、と言いますか……」
「初めて………?」
クードに不思議そうに繰り返されて、セヴィは自分の頬がかーっと熱くなるのを感じた。
「変な事、言ってるって分かってますけど……っでも……気持ちの問題と言いますか……。だから、その……出来れば、なんですけど……や……やさしく、して、頂ければなぁ……なんて……っ」
祈るように手を組んでぎゅうっと目を瞑って、ふるふると、身体だけじゃなくて耳まで震わせているセヴィの髪を、クードがゆっくりと撫でる。
「分かった──辛かったり、嫌だったりしたら、すぐに言ってくれ」
頬にキスをされて、セヴィはこくこくと頷いた。
まだぎゅうっと目を瞑ったままのセヴィの髪や頬を撫でてから鎖骨の辺りに戻ったクードの唇がセヴィの肌を滑って、柔らかな膨らみへと辿り着く。
「ぁっ……」
所々で強く吸われて、その度にセヴィの身体が小さく跳ねる。
「痛いか?」
今吸ったところをぺろりと舐めながら聞かれて、セヴィは小さく首を振った。
「チクって、します……」
「じゃあ大丈夫だな」
また場所を変えて吸われて、セヴィは小さく声を漏らす。
クードの大きな手で柔らかな膨らみを下から掬い上げるように持ち上げられてやわやわと揉まれたかと思えば、反対側の頂を舐められる。
親指で胸の頂をくるくると撫でられて、セヴィの身体がぴくんと小さく跳ねた。
「あっ……?やっ……なに………っ」
片側の頂を指で弾かれて、もう片方の頂をちゅっと吸われる。
「ひゃっ……!あっ……あんっ……ま、て……やっ……」
コリコリと先端を捏ねられたかと思えばきゅっとつままれて、そうしてまた撫でられて、
反対側も舌で転がされて、吸われて、時折カリッと歯を立てられる。
刺激を与えられる度、セヴィの背中をむずむずするような不思議な感覚が走って行く。
「やっ……クードさ……っ」
いやいやと首を振っているのに、クードはちっとも止めてくれない。
「やっ……ぁんっ!や……やって……いって……のに……っ」
必死でクードの身体を押し返そうとしているセヴィに、クードはやっと顔を上げると、唇にキスを寄越す。
「嫌、か?」
「だ、だって……へんな声、たくさん出ちゃ……やんっ」
クードの指が、すっかりと硬くなってぷっくりと膨らんでいるそこを弾く。
「変な声なんて出てない──セヴィの可愛い声を、もっと聞かせてくれ」
ほら、と意地悪くくるくると撫でられながら耳を食まれて、口を押えようとした手も緩くシーツに縫い留められてしまう。
そうしてまたクードの唇に意地悪く胸をなぞられて、セヴィの口からは抑える事の出来ない甘い声が絶え間なく零れ落ちていった。
助走です……
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ゆっくりと、唇が重ねられる。
ちゅっと小さな音を立てて離れたと思ったら、角度を変えてまた重なって──
何度かそんな風に触れるだけのキスを繰り返されて、そしてふとクードの温もりが少し遠くなった気がして瞼を持ち上げると、まだ不安そうな色を残した、セヴィの様子を伺うようなクードの瞳とぶつかった。
セヴィはもう、と小さく苦笑を零すと、ちゅっとクードの唇にキスを贈って、そしてあの日、クードがしてくれたみたいに鼻を擦り付ける。
応える様にクードにこつんと額を合わされて、何だか胸の中がじんわり温かくなったような、でもすごくくすぐったいようなフワフワした気分になったセヴィはクスクス笑って、またクードにちょんと可愛らしいキスをした。
どちらともなく啄むようなキスを繰り返しているうち、段々とクードからのキスが長く、深くなっていく。
息を継ごうと口を開いたら唇を食まれて、驚いている間にするりとクードの舌が入り込んでくる。
「んっ……」
驚いて逃げた舌を追いかけられて、絡めとられる。
「んっ……んんっ………」
このキスは、最初の頃にもされた。
だけどあの時はただ恐くて、応えようなんて思いもせずにされるがままだった。
だからセヴィはどう応えれば良いのか分からなくて、でも一生懸命クードの舌を追いかける。
セヴィの必死の応えに、クードが小さく笑った気配がした。
ちゅ、くちゅ、と水音をさせて、クードは何度も何度もセヴィと舌を絡ませ合う。
「ふぁ……んっ………」
飲み下しきれずに零れた唾液を舐め取られて、そこでやっとセヴィは舌を、唇を解放される。
息が苦しくてボーっとしていたセヴィの蟀谷や頬にキスを落としてから、クードの唇が首筋へと滑る。
首筋から少しずつ鎖骨へと唇を落として行くクードに、セヴィは今更ながらに自分が緊張している事に気付いてしまった。
何度もしてるし、昨晩だってあんなにしたばっかりなのに……と思って、あぁそうか、と気付く。
「あ、あの、クードさま……」
「………嫌か?」
「ち、違い、ます……そうではなくて……。あの……クードさまの事を好きになって……その……今まで何度もシてはいますけど……私としては、これが初めてみたい、と言いますか……」
「初めて………?」
クードに不思議そうに繰り返されて、セヴィは自分の頬がかーっと熱くなるのを感じた。
「変な事、言ってるって分かってますけど……っでも……気持ちの問題と言いますか……。だから、その……出来れば、なんですけど……や……やさしく、して、頂ければなぁ……なんて……っ」
祈るように手を組んでぎゅうっと目を瞑って、ふるふると、身体だけじゃなくて耳まで震わせているセヴィの髪を、クードがゆっくりと撫でる。
「分かった──辛かったり、嫌だったりしたら、すぐに言ってくれ」
頬にキスをされて、セヴィはこくこくと頷いた。
まだぎゅうっと目を瞑ったままのセヴィの髪や頬を撫でてから鎖骨の辺りに戻ったクードの唇がセヴィの肌を滑って、柔らかな膨らみへと辿り着く。
「ぁっ……」
所々で強く吸われて、その度にセヴィの身体が小さく跳ねる。
「痛いか?」
今吸ったところをぺろりと舐めながら聞かれて、セヴィは小さく首を振った。
「チクって、します……」
「じゃあ大丈夫だな」
また場所を変えて吸われて、セヴィは小さく声を漏らす。
クードの大きな手で柔らかな膨らみを下から掬い上げるように持ち上げられてやわやわと揉まれたかと思えば、反対側の頂を舐められる。
親指で胸の頂をくるくると撫でられて、セヴィの身体がぴくんと小さく跳ねた。
「あっ……?やっ……なに………っ」
片側の頂を指で弾かれて、もう片方の頂をちゅっと吸われる。
「ひゃっ……!あっ……あんっ……ま、て……やっ……」
コリコリと先端を捏ねられたかと思えばきゅっとつままれて、そうしてまた撫でられて、
反対側も舌で転がされて、吸われて、時折カリッと歯を立てられる。
刺激を与えられる度、セヴィの背中をむずむずするような不思議な感覚が走って行く。
「やっ……クードさ……っ」
いやいやと首を振っているのに、クードはちっとも止めてくれない。
「やっ……ぁんっ!や……やって……いって……のに……っ」
必死でクードの身体を押し返そうとしているセヴィに、クードはやっと顔を上げると、唇にキスを寄越す。
「嫌、か?」
「だ、だって……へんな声、たくさん出ちゃ……やんっ」
クードの指が、すっかりと硬くなってぷっくりと膨らんでいるそこを弾く。
「変な声なんて出てない──セヴィの可愛い声を、もっと聞かせてくれ」
ほら、と意地悪くくるくると撫でられながら耳を食まれて、口を押えようとした手も緩くシーツに縫い留められてしまう。
そうしてまたクードの唇に意地悪く胸をなぞられて、セヴィの口からは抑える事の出来ない甘い声が絶え間なく零れ落ちていった。
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