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神殿送りになった転生ヒロイン、隣国の皇太子のMっ気を開花させてしまったので責任を取ります
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しおりを挟む「だ、男児がいないだけだ!俺はしっかり種はある、……はずだ!ひとりだが、娘がいるから!大丈夫だ!多分!」
しどろもどろで弁明を言い募るアルベルトが可笑しい。まぁこの世界の雄としての存在価値はどれだけ女を孕ませられるかに懸かっているところがあるしね。皇帝なんて種馬みたいなものだから、大事なんだろうけれど。……ん?娘?
「……あれ?っていうか、その娘ちゃんって」
そのお姫さまって、もしかしなくてもアレね?
続編の主人公が子に無頓着で無関心だったアルベルトを叱り飛ばしながら手塩にかけて育てて、時々アルベルトとの仲を取り持ってくれる有能サブキャラちゃんで、三作目のヒロインになるはずの褐色肌の美少女ちゃんよね?
いやーん、会いたい!女子キャラの中で、私のイチオシだったのよ!また明日にでもお会いしたいわ。
「んふ、娘ちゃんについてはまた今度お話を聞かせてもらうわ」
でもとりあえず今はそれどころではない。
「とりあえず、シマショ?」
「へ?ぅんっ」
無理矢理唇に噛みついて、同時に下半身に手を伸ばす。案の定ゴリっと固いモノが触れて、私は笑みを深めた。そのままフェザータッチで優しく擽れば、アルベルトはトロンとした目で私を見ながら腰を擦り付けてくる。
「ふふっ、かーわい」
「んっ、ユリアァ」
興奮を丸出しで私の唇に喰らい付いてくるアルベルトは、年下らしい必死さがあって本当に可愛い。これまでは媚び売りお嬢様からの接待セックスしかしたことがないのだろう。大した技巧もなく、ただ精一杯に私を貪ろうとしている。愛い。
「あっ、ぅ」
「あら、ココがイイの?」
反応の良かった亀頭の裏側をこしょこしょと布の上から遊んでやれば、アルベルトは耐えられないと言うように腰を突き出してきて呻いた。
「頼む、直接触れてくれ……ッ」
「ふふっ、いいわよ?」
「あぁっ」
ぐっと勢いよく服の中に手を突っ込み、熱い熱の塊を鷲掴みにしてやれば、アルベルトはそれだけで恍惚とした悲鳴を漏らした。
むにむにと軽く揉みながら、私は抵抗もしなくなったアルベルトを寝台に押し倒す。
「んっ、ふふ……アルベルト……かわい……」
「ユリア……あぁ……んっ、俺も触れたい」
「だーめ」
私の胸に手を伸ばそうとする不埒な手をぺしんと軽く叩き落とし、私はニコッと悪戯っぽく笑った。
「初夜は私の夢を叶えてちょうだい?♡」
「うっ……わ、わかった」
私が甘えるように身を寄せれば、ぐっと腰の下で怒張が更なる硬化を見せる。私の媚びが、股間を直撃したらしい。
「ありがと、アル♡」
「っ、あ、あぁ」
唐突な愛称呼びに動揺しているアルベルトをよそに、私は手元に縄を呼び寄せた。そして。
「え?え?な、なにを」
「何って、だからヤラシイことするに決まってるでしょ?」
「そ、れで、何で手足を縛っんっ!?」
「えー?んふふ」
さらさらと当然のように手際よく縄を扱う私にアルベルトが動揺する間に、逞しい身体は寝台に縫い付けられていく。抵抗は下着越しに私の熱い泥濘をアルベルトの太くて硬い灼熱に擦り付けてやれば簡単に止まった。他愛無い。
「ふふ、それはぁ」
芸は身を助けるって本当ねぇ。コーリー様を手籠にするために身につけた縄技がここで役にたつとは。人生って上手くできてるわね。
身体の下で、興奮と動揺に顔を染めているアルベルトを、私は満面の笑みで見下ろす。
「アナタを私のモノにするためよ?」
ドSな俺様年下皇太子との初夜は調教するかされるかの二択。
だが、もちろん私の場合は、調教する一択だ。
なにせ私は聖女。
聖女のSはサービスのS、そしてドSのS、なのだから!
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