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神殿送りになった転生ヒロイン、隣国の皇太子のMっ気を開花させてしまったので責任を取ります
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しおりを挟む「んんっ」
この一言には、胸をズキュンと撃ち抜かれてしまった。なにこれ、私の下でヒンヒン言ってる情けない脳筋、可愛すぎない?
「お前を抱きたい、ちゃんとお前と抱き合っていると実感させてくれッ……これは、愛し合う者同士の、初夜なんだろ!?」
「んんっ、なによ、それぇッ、んっ」
「お前を抱きしめて果てたいんだッ」
「んっ……アルベルトッ」
あぁ、私もこの可愛い男と抱き合いたい!
私は腰を上げ、衝動のままにアルベルトの手を縛めていた縄を切る。そして一瞬だけ悩み、両足の縄も切った。
「ユリアッ」
「んっ、アルベルト……っ、んああああっ」
「ううっ、イイ……ッ」
飛び起きるように私に抱きついてきたアルベルトが、私を下に組み敷く。そして再び私を一息に串刺しにした。そして飢えた獣のように荒い息をしながら、私の上で必死に腰を振り始めた。
「あっあっ、アァ……ッ」
「ユリアッ、ユリアッ……はぁッ、好きだッ」
「んんっ、アルベルトォッ」
何度も私の名前を呼び、「好きだ」とばかり繰り返すアルベルトは、まるで言葉を覚えたての子供のようだ。身体中を支配する快楽への欲求に、頭が回っていないのだろう。美辞麗句も気取った睦言もなく、単純な言葉だけを呼吸のように吐き出した。
「んっちゅ、ふっ、ハァッ、ユリア……ッ」
「んんっ、ふぁッ、んぁッ、アル……アァッ」
ぎゅうぎゅうと私を正面から抱きしめて、貪るように口付けてくる。唇が離れたと思うと、乳を吸うようにチュウチュウと胸の尖りに食いついた。
「あーーっ!やっ、ヤダァッ」
「ハァッ、美味しい……ッ」
片側の乳首を強く吸われ、舌で弾かれ、甘噛みされる。もう片方の胸は柔らかく揉みしだかれ、いたずらにクリクリと先端を嬲られた。欲望のままに二つの胸を翻弄しながら、アルベルトは腰もグリグリと押し付けてくる。
「あっ、なぁッ、もう、マズイッ」
「んっ、ふふっ、イッてもイイわよっ?」
遮二無二に求めてくる必死さが愛しく感じて仕方ない。
本当は「もうイッちゃうの?」と煽ってやろうかと一瞬思ったが、私もよく考えたらかなり限界だった。だから。
「んっ、私ももうイキそう……ね、ナカでイッて?」
私はギュッと逞しい背中に手を回して抱きつき、甘くオネダリした。同時にアルベルトを飲み込んでいる膣が、キュッと締まった。
「んあッ、うぉおッ」
「あーーッ」
私の誘惑に箍が外れたアルベルトが、一心不乱に腰を叩きつけてきた。ゴリゴリと一番奥を抉られ続けて、思考は快楽に焼けて真っ白だ。
「あっあっあっあっ、あーーッ、出るッ!出すぞッ!」
「んんっ、早くッ、早く出してェッ」
脳みそが掻き回されるような乱暴な快感に私が絶叫すると、アルベルトは私を力の限り抱きしめた。
「うっ、……ウウッ」
「んぁっんんんッ、んんんーーーっ」
私の視界が弾け飛ぶのと同時に、中で弾ける熱い飛沫。びゅうッと膣壁に叩きつけられるアルベルトの精液まで感じ取ってしまい、私は己の体のエロポテンシャルに震えた。中出しされると内側から超気持ちいいとか、さすが十八禁乙女ゲーム。
「はぁ……はぁ……きもちよかった……」
「……ぷはっ、最初に言う一言がそれかよ」
呆然と呟く私に、アルベルトが吹き出した。繋がったまま体を起こし、私の唇にチュ、と優しいキスを落としながら、アルベルトはまるで少年のような顔で笑った。
「お前、ホントに最高だよ」
「……ふふっ、今更気づいたの?」
うっかりキュンとしてしまった私は、危ない危ないと己を戒める。私はこの俺様皇太子、改めて俺様皇帝をドMに調教するつもりなのだから。
「私みたいな最高の女のモノになれるなんて、アルベルトは最高な幸せ者ね」
「うわっ」
気を抜いていたアルベルトの片手を引いて上下を入れ替え、形成逆転。私は上からアルベルトを見下ろし、彫りの深い顔に手を添えて覗き込んだ。
「これからずっと、私だけを愛し、大事にしてちょうだいね?私の可愛い皇帝クン」
「んんっ」
返事を待つ前に、厚い唇を奪う。愛し合った後に重ねた唇からは、甘い汗の味がした。
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