腐れ縁の公爵令息に契約結婚を迫られていますが、離婚してくれなさそうだから嫌です

トウ子

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神殿送りになった転生ヒロイン、隣国の皇太子のMっ気を開花させてしまったので責任を取ります

皇妃様は天から遣わされた天女なので非常識でも仕方ない

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「うひゃあ~とうとう戴冠式がきちゃった~」
「その気の抜けた話し方をやめろ」
「だって本当にドン引きしてるんだもん」

私たちは今、皇城のテラスで、鼓膜が破れそうな爆音の歓声の中で優雅に手を振っている。顔には2人とも完璧な微笑を浮かべているが、根が小心者の私は内心ビビりまくっていた。

「いや本当に私で良いの?」
「今更か?こんなに帝都の民が狂喜して歓迎して集まっているのに?」
「……本当になんでこんなに集まってんのよ」
「そりゃお前が妃になる歴史的瞬間を見届けるためだろう」
「えぇ……」

帝国民たちが押し寄せて、ウゴウゴと蠢いている鮨詰めの大広場を見下ろしながら、私は引き攣りそうな笑顔を必死に美しいバランスに保っていた。本当に何でこんなに集まってんのよ。これ、誰か一人でも倒れたら、ドミノ倒しに地獄の大事故が起こるわよ?この世界はみんな足腰が強いから平気なの?……やめよう妙なフラグを立てるのは。式の前に魔力ぶっ放してヘロヘロで冠を戴くのは勘弁だわ。神様、どうか人々にご加護を。





「ねぇ、本当に今更だけど、大丈夫なの?」
「何が?」

テラスから室内に入り、戴冠式の準備のため一時的にふたりきりになったタイミングで、私はもう一度アルベルトに声をかけた。

「私、隣の国の平民よ?アリなの?」
「アリだ。お前は天が俺を帝位につけるために遣わせた天女なんだからな」
「天女じゃなくて聖女だけど」

最近あっちこっちで「天女様」と拝まれて落ち着かないのよねぇと思いながら訂正すれば、アルベルトは片方だけ口角をあげて、以前よく見た意地の悪そうな顔で笑った。

「民草の間では天女ってことになってんだよ。天女を妻とするなんてさすがは新皇帝陛下って言われてるんだから、今更お前に逃げられたら俺の方が困る。天女に嫌われたなんて天意がないと思われてしまうからな」

お調子者の私が調子に乗っている間に、気づけば外堀が埋まっていて、私が正気にかえっ……いや、冷静な客観性を取り戻した時には、もう結婚しないとどうにもならなくなっていた。まったく、どこのどいつか知らないが、手際が良いモノである。

「んー、そうねぇ。でも、悪さして神殿送りになった女よ?大丈夫なの?髪はまだ肩につかない短さなんだけど」
「未遂だろ?ならば問題はない」

そう言い切った後で、アルベルトはものすごく嫌そうに顔を歪め、忌々しそうに舌打ちした。

「……強姦未遂……他の男に夜這い……くそ、言うな思い出させるな!嫉妬に狂いそうだ!」
「……んふっ、あははははっ」

本気で怒り出したアルベルトに私は気が抜けて笑い出した。

「それこそ、未遂なんだからいいでしょ?」

しょっちゅう過去を思い出しては嫉妬ばかりしている男に、私はニヤニヤしながら体を寄せた。コーリー様のお顔は本当に私の理想そのものだったけれど、アルベルトは中身がとっても私好みだ。なんて単純で扱いやすくて可愛いんだろうか。これまで女に騙されなかったのが奇跡である。ハニートラップどころじゃなく不安定だったこの国の情勢に感謝だ。

「もぉ~忘れちゃったの?……私のを奪ったのは、アルベルトでしょ?♡」

逞しい肩に手を置いて、爪先立ちで伸び上がって耳元で囁く。そして、私の意図を察して顔を寄せてくれたアルベルトの耳孔にふぅ、と甘い吐息を吹きかけ、耳朶を甘噛みした。

「アルベルトの白いトロトロと、私の破瓜の赤が混ざって、可愛いピンクに染まったの、忘れちゃったの?……アルベルトの太ぉいモノを抜いたら、私の白い太腿にたらぁっと垂れてきたでしょう?」
「ぐうっ」

そんな情景なんて正直見た覚えはないけれど、脳内で十八禁ゲームの最強にエロいスチルをイメージしながら、甘い声で描写する。仕上げにペロリと耳輪を舐め上げて顔を離せば、アルベルトはグーグーと妙な声で鳴いて悶えた。

「クソッ腰に……きた……ッ」
「んふふっ、本当に万年発情期なのね、この駄犬♡」
「ふゃっ」

お仕置き、と呟いてキツく耳朶を噛めば、アルベルトは変な喘ぎ声をあげて膝から崩れ落ちかけた。

「くぅッ、早く寝室に戻りたいッ!」
「ばーか……まったく」

目にハートを浮かべてヘロヘロ顔になってしまったアルベルトに、私は笑いを噛み殺す。形の良い鼻を引っ張って顔をこちらに近づけ、再び私は唇を耳元に寄せた。

「今はお利口さんにカッコイイ皇帝陛下をしてね?……そうしたら、ご褒美にあとでたっぷり踏んであげるからね♡」
「うっ」

わざと吐息を吹きかけながら囁き、体を擦り寄せる。その時私の胸がアルベルトの太い腕に押し付けられた。ついでに腰を擦り寄せれば、既に兆していた下半身が私の下腹をゴリっと抉る。

「んっ、もう硬くなってるじゃなぁい……夜が楽しみね♡」
「ぅ、ユリア~ァ!?」

あらゆる刺激が股間を直撃したらしいアルベルトは、涙目で私を睨んできた。

「お前、わざとやってるだろう!?」
「ふふっ、当たり前でしょ?」

どんどん前屈みになりながら私を見上げてくる皇帝陛下は、大層情けない。そこが可愛くてしかたない。

「アナタだって期待してたくせに」

いちゃついている皇帝夫妻を遠巻きに見守っている馴染み顔の騎士くんが、こちらに声をかけるタイミングを見計らっているのを横目に、私は可愛いに口付けた。

「夜まで待ちなさい?たっぷり可愛がってあげるから」

今夜も楽しみにしていてね、私の可愛い旦那様。
徹底的にアナタの弱いトコロを責めて、心ゆくまで快感堕ちさせてあげるわ。

なにせ聖女のSはドSのSで、サービスのSなのだから♡
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