腐れ縁の公爵令息に契約結婚を迫られていますが、離婚してくれなさそうだから嫌です

トウ子

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神殿送りになった転生ヒロイン、隣国の皇太子のMっ気を開花させてしまったので責任を取ります

凄腕転生者とは俺のことさ(燃え尽きた絵文字)1

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目が覚めたらゲームに転生していた。

と気づいた。


「……え?まじ?」

なぜか真っ白な天井を見上げながら、今生で生まれてから今日までのことを思い返す。脳裏に走馬灯顔負けのスピードで流れ去る、出来事の数々。

いろいろ思い出したぞ……ここ、俺たちの製作チームで一番売れた十八禁乙女ゲームの世界じゃん!?

「……まじ!?」

俺は起き上がり頭を抱えた。ここがどこか分からんが、まるでのようだ。ということは、どこかの神殿の救護室とかか?この世界では、神殿が学校と病院と宗教施設を兼ねているはずだからな。まぁ俺たちが設定するのが面倒になって神殿に丸投げしたんだが。

「え、俺、マジで転生しちゃってんのか……なんで死んだのか全く記憶にないんだが……荒れまくり帝国の騎士に転生しちゃったのか……」

常時身内で戦争中、みたいな脳が狂いそうな国である。騎士という身で、よく今まで生きてこれた。

「せめてもの救いは仕える主人が皇帝じゃないことだな」

あの皇帝は倒される悪役として利用者が不快にならないよう本当に最悪最低屑野郎ハヨシネ男に設定してあるので。仕えることになったら三秒で死にかねない。転生したことにすら気付かぬ間にとして死んでいたかもしれない。

「まぁよかった!俺のご主人はこの世に光をもたらすアルベルト様だからな!」

ふっふっふっ、なにせアルベルト様は、前世で俺が渾身の厨二設定を詰め込んだ攻略キャラだ!
いやぁやっぱ作画が神だな!「もっと筋肉!」ってリテイク出してよかった…………ん?足音?
違和感に顔を向けると、ドアの向こうから足音がする。

「え、誰が現れるんだ?」

明らかにモブキャラな俺に、そこまで複雑な設定は用意されていない。全く予想のつかないこの後の展開に、俺は固まりながら音の主が現れるのを待った。

ガチャッ

「あ、起きてる!」

部屋のドアが開いた。聞こえてきたのは、鈴を鳴らすようなソプラノの愛らしい声。現れたのは、思わず愛さずにはいられないような容姿の……ピンクの髪に葡萄色の瞳?りすかうさぎを連想させるような小柄な美少女……?見たことが……ある……?

「……あれ?」

ドアを開けて入ってきたの、前作の主人公では?なんで?

「さて、はじめましてね!私は聖女のユリア、ここは神殿の救護室。アナタ一週間くらい寝てたのよ」
「あ、はじめまして。ご丁寧にご挨拶頂きありがとうございます。私はオリバーと申します」

元気に発された自己紹介と挨拶に、思わず礼儀正しく返してから、俺はハッと固まった。

「一週か……ん?」

……待て待て待て、待て、なんで寝てたんだっけ?何があった?

「いやぁ、本当に大騒ぎだったのよ?あなた、覚えてる?魔狼に襲われて死にかけたのよ」
「えっ、あ、あー!!」

一気に蘇ってきた直近の記憶に、俺は非常識にも病室で叫んだ。

「思い出したァッ!?」

俺は確かにアルベルト様の近衛騎士だが……国外逃亡に付き添った最も忠義の厚い近衛騎士……このキャラおれって、もしかしてゲーム開始前に死亡するキャラじゃなかったっけ!?
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