タイムトリッパー ~能力者達の時間戦争~

Pakkiraa

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1章 1幕 疫病の時代

第11話 未来のために

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「お、サキじゃん。」
ひょこっとモニターに顔を見せた少女を見てユウトが言った。
「そっちの任務は終わったのか?」
『うん。余裕だった。』
サキと呼ばれた少女はコウキの問いに胸を張ってドヤ顔で答える。
「そりゃあの力が使えるんだもんな。」
「改めて思うけどなんで俺の同期に五属性持ちが多いんだよ………」
コウキがしょんぼりとする。
五属性持ちとは、T-Tectの構成員や歴史を書き換えんとするもの達が使う能力の中で特に優れた『火·水·酸·気·念』の5種類の能力又はその派生の能力を持つ者を指す言葉だ。サキは水を操る能力者である。
「サキ以外にも後2人五属性持ちの奴いるもんなぁ」
ユウトがしみじみと言う。
『五属性がなくてもコウキは強いよ。ほら、私の命の恩人だし!』
「命の恩人?」
ミリアがそう呟くとサキの視線もミリアの方へ向く。
『えーっと、あなたがミリアちゃんね?明さんから話は聞いているよ。よろしくね!』
サキは元気ににっこりと笑う。
『それで、命の恩人って言うのはね__』
『えっと、盛り上がってるとこ悪いけど、思いのほか早くその山奥の隔離施設とやらが見つかったよ。』
明が会話を遮るように言った。
『それに、の痕跡も確認した。事態は思いのほか複雑らしい。』
「人工色力石しきりょくせきって?」
ミリアが首を傾げた。
「それについてはおいおい説明するとして、人工色力石が関わっているとなると原因不明の患者の脱走やそもそもの黒血病の発生にも辻褄が合う。」
コウキは顎に手を当てて難しい顔をする。
「ミリアちゃん。今は人工色力石が関わっていると、どんなことでも起こってしまうって認識してるだけいいよ。」
話においていかれているミリアにユウトが耳打ちする。
「だとすれば急がないと。時代自体が消滅する可能性もあるし。」
『じゃあ今この時代から11年前の11月28日に飛んでくれ。恐らくだがその時に何かしらが起こって1人目の感染者が失踪する。逃すともう一回やり直すこともできるけど。そんなポンポン飛ばれるとゲートのエネルギーが無くなるから、いつも通りなるべく1回で終わらせるように。』
「「了解」」
任務の内容を聞き、コウキとユウトは声を揃えて返事をした。
『あと最後に、いつも言ってるけど、無理しないで。死なないで。ダメになりそうだったら逃げて。OK?』
「はい」
「りょーかい」
2人が返事をすると直ぐに目の前に青い扉が開かれる。
『詳しい座標は向こうに着いたら送るから。いつでも見てるからなんかあったら直ぐに連絡する。』
『3人とも気をつけてね!ご飯作って待ってるね!』
『あ!俺も欲しい!お腹すいた!』
『はいはい………』
「向こうは気楽だな」
「いいじゃん、そっちの方がこっちも緊張せずに済むし。」
「命の恩人…………」

そしてモニターの向こうの平和な会話を聞きながら3人は、次向かうべき時代へと足を進めたのだった。
未来の人々が平和に暮らせる未来のために。
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