タイムトリッパー ~能力者達の時間戦争~

Pakkiraa

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1章 2幕 疫病の始まり

第12話 色力石

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「さて、着いたわけだけれど」
「………海だな。」
ゲートから出た3人の目の前には広大な海原が広がっていた。
「これが、海……」
ミリアは本でしか海を見たことが無かったからか、その規模に圧倒されていた。しかし、しばらくもしないうちにその目は好奇心と憧れでキラキラと輝いていた。
「ね、ねぇコウキ!魚!魚はいるの⁈このざぁーって流れてきているのが波なのね!それに、なにこのサラサラとした砂は!こんなの森のどこを探したって見つからないわ!」
「へぇ、ミリアちゃんは海初めてなんだ。それはいいものを見られたね。俺たちもこんな綺麗な海は久しぶりだからな。な!コウキ!」
そう言ってユウトがコウキの方に振り向くと、コウキは珍しくぼーっと海を眺めていた。
「コウキ………?」
「…………焼き魚……」
「あー、お腹すいたのね。聞き込みついでに飯食いに行くか。」

「お待たせしましたー。こちら焼き魚定食3つでございます。追加で注文がございましたらお呼びくださいー。」
客の姿もなくガラリとしている店内に少々違和感を覚えながら3人は箸を進める。
「お、せっかくだし色力石についてミリアちゃんに教えてあげたら?」
思い出したようにユウトが言う。
「そういえばそんな話もしてたな。えっと、まずは……」
と、コウキは色力石について話し始めた。

「色力石って言うのは、契約した人に力を与えてくれる石です。その力の種類によってさまざまな色の石があるので色力石と呼ばれています。」
「ちなみに俺の色力石は黄色だよ。」
そう言ってユウトは髪をかき上げて黄色の石が嵌め込まれたピアスをミリアに見せる。
「綺麗だね。じ、じゃあコウキの色力石はどんな色をしているの?」
「えっと、その話の前に色力石には大まかに分けて二種類あります。ユウトのように色力石をはめこんだアクセサリーや武器を装備する装着型と、俺のように色力石が融合型の2つです。」
「融合型……って、体の中に石があるの⁈」
ミリアが驚いたように声を上げる。
「体の中にあるというか、体に溶け込んで入るというか…そこらへんの説明は難しいんだよ。」
「まぁその話は置いといて、その装着型と融合型で契約方法と能力も大きく変わっていきます。」
そう言ってコウキは一度お冷を口に入れ喉を潤す。
「まずは装着型の色力石。これの契約はとても簡単なものとなっています。石に触れるだけですから。能力の方は人によって大きく変わると聞いたことがあります。」
「簡単に言うと契約は簡単だけど力を最大限引き出せるかは持ち主次第ってこと。」
「そして、装着型は融合型と比べると小さい力でも能力が発揮できます。体への負荷もほとんどありません。全体的にお手軽でT-Tectの構成員の七割が装着型の色力石を使っています。」
「お手軽な分デメリットもあるけどね。」
コウキは少し話し疲れたようで、ユウトと交代した。
「デメリット?」
「そう、デメリット。確かに装着型はお手軽で誰でも契約できる。でも、装着型だとしか力に変換できないんだ。」
「その場にあるもの…………でも、ユウトさんは稲妻を作り出してたんじゃ…」
「あれはカッコつけてそう見えるようにしてるだけ!本当は空気中にフヨフヨと浮いてる静電気を一箇所に集めて稲妻を作っているように見せてるだけなんだよ。だから何もない水の中だと稲妻を出せないし、静電気が少ないと思うように力が出ない。つまり環境に左右されやすいんだよ、それがデメリット。」
「なるほど…………」
「で、環境に左右されずにその場にないものを作り出して操れるのが融合型。コウキの磁力とか、サキの水とかだね。T-Tectの残りの三割がこれ。しかもみんなずば抜けて強い。五属性も全部融合型だしね。」
「すごい!」
「でも、契約はめちゃくちゃ難しい。色力石に認めてもらえないと候補者は跡形もなく消滅しちゃうし、仮に契約できたとして、色力石の気が変わってしまえば消滅。力が大きい分リスクも大きいってこと。最近の新人はみんな装着型を選ぶから融合型はレアなんだよ。」
「そんな…………じゃあコウキもいつかは消えちゃうかも知れないってこと?」
「その可能性はゼロではないけど、コウキはなぜか色力石との適合率が半端なく高いんだよ。だから色力石の気が変わることはほとんどないんじゃないかな。」
「………………」
コウキは何か心当たりがあるようだったが、知らないふりをしてお冷を飲む。
「さ、色力石についてはっこれくらいかな。」
そう言ってユウトは大きく伸びをし、立ち上がった。
「さて、充分休憩できたし任務再開するか!」
「ユウト」
「ん?なんだコウキ」
「このパフェ食べたい」
「えぇ…………」
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