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初日
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女学生姿は、隼人から合格点を貰った。
鞄は両手で持ち、体にピタリと付け、小さな歩幅で校門をくぐる。
隼人は心配して、送っていくよ。と言ってくれたが、男と同伴の女学生など、悪目立ちするだけだと断った。
目の前には少女、少女、少女。二人三人のかたまりで、明るく、さざめく。
中学とは全く、雰囲気が異なる。
むさ苦しく、男臭い中学も、華やかで賑々しい女学校も、圭には居心地の悪い場所だと感じた。
「ごきげんよう」
突然、斜め前にいた少女に声をかけられ、戸惑いつつも、会釈で返す。咄嗟に出す声は本来の声である。少年にしては高いとはいえ、少女にしては低い。声を出すのは、気をつけなくてはならないのだ。
必死の思いで笑顔を作り、悪い印象を与えぬよう努力する。
「ごきげんよう。貴方、転校生?」
少女にしては低めの、艶のある声に振り向くと、二人の美しい少女がいた。
一人は、園子である。写真よりも美しいが、なぜか怒ったように目が釣り上がっている。
もう一人は、圭よりも丈の高い、派手やかな美人であった。
園子と同じ、顎の辺りで切り揃えた断髪で、二重の目はキリリと涼やかだ。やや厚みのある唇、品の良い卵型の顔。
美貌の少女は、八田百合子と名乗った。
「貴方、お名前は?」
「失礼致しました。私、長瀬華子と申します」
「長瀬」
百合子は瞬間、視線を足元に向けたが、すぐに顔を戻した。
「何年生?」
「五年」
「まぁ、同い年なのね。何組?」
「西組です」
「では、園子さんと同じね。園子さん、色々教えて差し上げて。
私、東組ですの。残念だわ」
百合子は、美しいだけではない。自らの美しさへの自信を糧とした迫力を持っていた。
「美しいわ。私、美しい方って大好き」
返事に困り、俯く。
「気付いてらして? 皆が華子様をご覧になっていてよ。お近づきになりたくてたまらないのだわ。
さ、参りましょう。ご一緒に」
注目を浴びているのは事実だったが、原因は圭だけではなく、大半は百合子の、一部は園子のせいであるらしい。
二人を見る周囲の女学生の目に存在するのは、憧れである。ウットリとした、スターを見る目である。
鞄は両手で持ち、体にピタリと付け、小さな歩幅で校門をくぐる。
隼人は心配して、送っていくよ。と言ってくれたが、男と同伴の女学生など、悪目立ちするだけだと断った。
目の前には少女、少女、少女。二人三人のかたまりで、明るく、さざめく。
中学とは全く、雰囲気が異なる。
むさ苦しく、男臭い中学も、華やかで賑々しい女学校も、圭には居心地の悪い場所だと感じた。
「ごきげんよう」
突然、斜め前にいた少女に声をかけられ、戸惑いつつも、会釈で返す。咄嗟に出す声は本来の声である。少年にしては高いとはいえ、少女にしては低い。声を出すのは、気をつけなくてはならないのだ。
必死の思いで笑顔を作り、悪い印象を与えぬよう努力する。
「ごきげんよう。貴方、転校生?」
少女にしては低めの、艶のある声に振り向くと、二人の美しい少女がいた。
一人は、園子である。写真よりも美しいが、なぜか怒ったように目が釣り上がっている。
もう一人は、圭よりも丈の高い、派手やかな美人であった。
園子と同じ、顎の辺りで切り揃えた断髪で、二重の目はキリリと涼やかだ。やや厚みのある唇、品の良い卵型の顔。
美貌の少女は、八田百合子と名乗った。
「貴方、お名前は?」
「失礼致しました。私、長瀬華子と申します」
「長瀬」
百合子は瞬間、視線を足元に向けたが、すぐに顔を戻した。
「何年生?」
「五年」
「まぁ、同い年なのね。何組?」
「西組です」
「では、園子さんと同じね。園子さん、色々教えて差し上げて。
私、東組ですの。残念だわ」
百合子は、美しいだけではない。自らの美しさへの自信を糧とした迫力を持っていた。
「美しいわ。私、美しい方って大好き」
返事に困り、俯く。
「気付いてらして? 皆が華子様をご覧になっていてよ。お近づきになりたくてたまらないのだわ。
さ、参りましょう。ご一緒に」
注目を浴びているのは事実だったが、原因は圭だけではなく、大半は百合子の、一部は園子のせいであるらしい。
二人を見る周囲の女学生の目に存在するのは、憧れである。ウットリとした、スターを見る目である。
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