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娼館 三
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「いいよ。
それにしても、どうして娼館に男の子がいて、俺は男色にされてるんだ?」
「断髪イコール男だそうです。ここの隠語でしょうか?」
「知らんよ、俺は。
消えた生徒は皆、断髪でね。君はまだ消えたばかりだから、利用はされないと思ったのだが」
「容赦ありませんよね」
全くだ。と返し、山上は真剣な顔になった。
「俺ひとりで出ていくのは簡単だ。が、君を残して行けば、直ぐにまた、客を取らされないとも限らない」
山上は独り言を続ける。
敵は二人だけとは限らんが、五人はいないだろう。だったらこっちの方が有利か。
「覚悟してくれ。ちょっとばかり厄介なことになるかもしれない」
「厄介?」
「今日は様子見のつもりだったんだ。もう少し丁寧に証拠を。って考えていたのだけど。
仲間が押し入って来る。男二人だ」
「警察は?」
「銃声を聞いたら来るだろう」
ズボンのポケットから小型の銃を取り出すと、窓に向けて構えた。
「実を言うと、銃は不得手なんだよな」
山上の手に握られていたのは、婦人向けの護身用の銃であった。
「窓くらいならどうにかなるかな」
「私が撃ちましょうか?」
山上は、まじまじと圭を、頭の先から足の先まで視線を何度も往復もさせた。
「窓なら余裕です」
大人としての、そして、教師としての常識が、即答を拒んだらしかったが、よほど自信がないのだろう、銃をよこした。
「窓に向かって二発、頼むよ。できる限り派手な音を立てて欲しいのだが」
「分かりました」
安全装置を外し、足を前後に軽く開き、撃鉄を起こした。
「一発目で俺は部屋を出る。
二発目を撃ったら君も直ぐに追い駆けて来い」
「はい」
「じゃあ、頼むよ」
山上は扉に近づき、解錠した。
ノブを掴んだのを確認すると、右手で銃底を支え、引き金を引いた。
爆発音と共にガラスの壊れる音が重なる。
銃声に耳を塞がれた状態の圭には、ほんの一瞬しか聞こえなかったが、最も効果的な状況だろうと思われた。
一発目は左下を壊し、二発目は右上を。
狙い通りの場所に撃ち込むと、窓硝子は八割方砕け散った。圭は、銃を左手に持ったまま、山上の後を追う。
それにしても、どうして娼館に男の子がいて、俺は男色にされてるんだ?」
「断髪イコール男だそうです。ここの隠語でしょうか?」
「知らんよ、俺は。
消えた生徒は皆、断髪でね。君はまだ消えたばかりだから、利用はされないと思ったのだが」
「容赦ありませんよね」
全くだ。と返し、山上は真剣な顔になった。
「俺ひとりで出ていくのは簡単だ。が、君を残して行けば、直ぐにまた、客を取らされないとも限らない」
山上は独り言を続ける。
敵は二人だけとは限らんが、五人はいないだろう。だったらこっちの方が有利か。
「覚悟してくれ。ちょっとばかり厄介なことになるかもしれない」
「厄介?」
「今日は様子見のつもりだったんだ。もう少し丁寧に証拠を。って考えていたのだけど。
仲間が押し入って来る。男二人だ」
「警察は?」
「銃声を聞いたら来るだろう」
ズボンのポケットから小型の銃を取り出すと、窓に向けて構えた。
「実を言うと、銃は不得手なんだよな」
山上の手に握られていたのは、婦人向けの護身用の銃であった。
「窓くらいならどうにかなるかな」
「私が撃ちましょうか?」
山上は、まじまじと圭を、頭の先から足の先まで視線を何度も往復もさせた。
「窓なら余裕です」
大人としての、そして、教師としての常識が、即答を拒んだらしかったが、よほど自信がないのだろう、銃をよこした。
「窓に向かって二発、頼むよ。できる限り派手な音を立てて欲しいのだが」
「分かりました」
安全装置を外し、足を前後に軽く開き、撃鉄を起こした。
「一発目で俺は部屋を出る。
二発目を撃ったら君も直ぐに追い駆けて来い」
「はい」
「じゃあ、頼むよ」
山上は扉に近づき、解錠した。
ノブを掴んだのを確認すると、右手で銃底を支え、引き金を引いた。
爆発音と共にガラスの壊れる音が重なる。
銃声に耳を塞がれた状態の圭には、ほんの一瞬しか聞こえなかったが、最も効果的な状況だろうと思われた。
一発目は左下を壊し、二発目は右上を。
狙い通りの場所に撃ち込むと、窓硝子は八割方砕け散った。圭は、銃を左手に持ったまま、山上の後を追う。
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