25 / 184
英和 三
しおりを挟む
「あの娼館は、無許可なんだ。当然だよな、家出人を騙くらかして客を取らせてんだからな。
客は、当たり前だが、金持ちが多い。今日捕まった中には、有名な実業家がいたな。
会員制の、秘密の倶楽部があるって、聞いてさ、気になった。十八歳以下の少女、時には少年も買えるってんで、不良は勿論、表向きは真面目にしてる奴も、会員になってんだよ」
「なってんだよ。って、一覧表でも手に入れたのですか?」
「入口突き止めて、何日も張り込んでた」
まさか! と、思わず圭は口を押さえた。
「そのひとりが、先生?」
「違う!」
食卓を叩いて、英和は大声を上げた。
「わかってますよ。冗談です」
「この状況で、冗談なんかよく言えたもんだ。
英和があっこに入れたのは、知り合いの金持ちが会員になってくれたからだよ。
秘密の倶楽部だけに、初めての会員の顔は娼館の奴らも知らない。目印になるバッヂを見せれば、会員と認識されるってわけ」
「何故あの女学校との関係を疑われたのでしょう?」
最も大事な疑問である。行方知れずになった少女は、見つかっていない。
「圭ちゃんの通ってる女学校との関わりを疑ったわけじゃなかった」
「一言多いですよ」
勇一郎はからかうように笑うと、話を続けた。
「あの娼館の周りで、目撃情報があった。
近所に住むご隠居が、あの館の正門から少女が入るのを、何度か確認している。表向きはある、ろくでなしの所有物で、若い妾を囲ってるんだろうと思ったそうだ。
で、暇に飽かせて眺めてたら、入っていくのはいつも、違う娘だと気付いたってわけ。
そう言う情報を得て、出入りしている男をつけてったら、清水女学校の用務員だって分かった。ここ二ヶ月の間に、立て続けに三人の生徒が失踪したってことも。
しかし、あの女学校から消えた少女達はいなかった。
残る手がかりは、富山園子」
隼人は黙ったまま、無表情で聞いている。
「富山園子と言えば、八田百合子のSだって? 八田百合子、印象が随分違うんだよな」
「百合子さんをご存知で?」
「あの子が学習院に通っていた昨年春、取材をした。婦人向けに頼まれた仕事で、その時は十人の華族、それも家柄華族の令嬢を集めて、学校や家、お洒落、社交界について聞いたっけ。
皆、学習院の生徒で、生活水準も似た、裕福な家の娘ばかりだったな」
客は、当たり前だが、金持ちが多い。今日捕まった中には、有名な実業家がいたな。
会員制の、秘密の倶楽部があるって、聞いてさ、気になった。十八歳以下の少女、時には少年も買えるってんで、不良は勿論、表向きは真面目にしてる奴も、会員になってんだよ」
「なってんだよ。って、一覧表でも手に入れたのですか?」
「入口突き止めて、何日も張り込んでた」
まさか! と、思わず圭は口を押さえた。
「そのひとりが、先生?」
「違う!」
食卓を叩いて、英和は大声を上げた。
「わかってますよ。冗談です」
「この状況で、冗談なんかよく言えたもんだ。
英和があっこに入れたのは、知り合いの金持ちが会員になってくれたからだよ。
秘密の倶楽部だけに、初めての会員の顔は娼館の奴らも知らない。目印になるバッヂを見せれば、会員と認識されるってわけ」
「何故あの女学校との関係を疑われたのでしょう?」
最も大事な疑問である。行方知れずになった少女は、見つかっていない。
「圭ちゃんの通ってる女学校との関わりを疑ったわけじゃなかった」
「一言多いですよ」
勇一郎はからかうように笑うと、話を続けた。
「あの娼館の周りで、目撃情報があった。
近所に住むご隠居が、あの館の正門から少女が入るのを、何度か確認している。表向きはある、ろくでなしの所有物で、若い妾を囲ってるんだろうと思ったそうだ。
で、暇に飽かせて眺めてたら、入っていくのはいつも、違う娘だと気付いたってわけ。
そう言う情報を得て、出入りしている男をつけてったら、清水女学校の用務員だって分かった。ここ二ヶ月の間に、立て続けに三人の生徒が失踪したってことも。
しかし、あの女学校から消えた少女達はいなかった。
残る手がかりは、富山園子」
隼人は黙ったまま、無表情で聞いている。
「富山園子と言えば、八田百合子のSだって? 八田百合子、印象が随分違うんだよな」
「百合子さんをご存知で?」
「あの子が学習院に通っていた昨年春、取材をした。婦人向けに頼まれた仕事で、その時は十人の華族、それも家柄華族の令嬢を集めて、学校や家、お洒落、社交界について聞いたっけ。
皆、学習院の生徒で、生活水準も似た、裕福な家の娘ばかりだったな」
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる