30 / 184
赤児 ニ
しおりを挟む
男のひとりとして、圭も、恥ずかしいと感じた。この世に生まれる事のできぬ子を、どうして成す必要があるのか。と。
「でも、そうなると園子さんのお腹に赤ちゃんがいたと言うことになりますよね?」
「そうなるよな。女学生の妊娠となりゃ、望まれない赤ん坊の典型だ」
「百合子さんに夢中だった彼女が?」
またしても、困った顔で三人が顔を合わせる。
「私、なにかおかしな事を申しましたか?」
「ん~、圭ちゃん、そういうことは色々事情があってね、女にその気がなくても……。
ちょっと待て、圭ちゃん。園子ちゃん、腹出てたか?」
「い、いいえ。制服はベルトで締めますから、お腹が出ていたら目立ちます。彼女は華奢と言ってもいいくらい、痩せていました」
「妊娠初期なら、体に変化はない」
「けど、つわりなんかはあった可能性は高い。
どうだ? 圭ちゃん。吐いたりしてなかったか?」
「いいえ。休み時間にお手洗いに行った際は分かりませんが」
「休み時間まで我慢できりゃ、関係ないや。
英和はどう思う?」
「妊娠していたとは思えないな。体操の時間にも出ていたし」
「姉の高子さんか?」
隼人が呆然と口にした。
「圭君、思い出して。富山男爵のあの時の態度。慌ててたよね。当然だ、娘が死んだんだから。でもあの時はまだ、なにも言っていなかった。
園子さんが死んだと言ったのは、俺がそう誘導したのかも知れない」
言っている意味が理解できた。
「園子さんが犯罪に関わっていると聞いて……」
「もし、高子さんが妊娠していたなら、それだけの事実で、男爵は困惑していただろう。
しかも、園子さんに犯罪容疑まで掛かっている」
「華族との縁談どころではありません。それどころか、富山男爵家の危機」
「園子ちゃんが死んだことにすりゃ、傷は最小限に抑えられるってことか」
「富山園子は生きているのか?」
「おそらく。
今後、高子さんとして生きるよう強要されるとしても、今回の事件に関わっていたなら、彼女も従わざるを得なくなるだろう」
「自分が自分でなくなるとは、どんな気持ちだろうな」
「彼女が事件に関わっていなければ、拒絶できることだよ。
圭君、明日、八田家に行こう。平日だが、百合子さんは家にいるだろう。事件に関わっていれば、きっと」
「でも、そうなると園子さんのお腹に赤ちゃんがいたと言うことになりますよね?」
「そうなるよな。女学生の妊娠となりゃ、望まれない赤ん坊の典型だ」
「百合子さんに夢中だった彼女が?」
またしても、困った顔で三人が顔を合わせる。
「私、なにかおかしな事を申しましたか?」
「ん~、圭ちゃん、そういうことは色々事情があってね、女にその気がなくても……。
ちょっと待て、圭ちゃん。園子ちゃん、腹出てたか?」
「い、いいえ。制服はベルトで締めますから、お腹が出ていたら目立ちます。彼女は華奢と言ってもいいくらい、痩せていました」
「妊娠初期なら、体に変化はない」
「けど、つわりなんかはあった可能性は高い。
どうだ? 圭ちゃん。吐いたりしてなかったか?」
「いいえ。休み時間にお手洗いに行った際は分かりませんが」
「休み時間まで我慢できりゃ、関係ないや。
英和はどう思う?」
「妊娠していたとは思えないな。体操の時間にも出ていたし」
「姉の高子さんか?」
隼人が呆然と口にした。
「圭君、思い出して。富山男爵のあの時の態度。慌ててたよね。当然だ、娘が死んだんだから。でもあの時はまだ、なにも言っていなかった。
園子さんが死んだと言ったのは、俺がそう誘導したのかも知れない」
言っている意味が理解できた。
「園子さんが犯罪に関わっていると聞いて……」
「もし、高子さんが妊娠していたなら、それだけの事実で、男爵は困惑していただろう。
しかも、園子さんに犯罪容疑まで掛かっている」
「華族との縁談どころではありません。それどころか、富山男爵家の危機」
「園子ちゃんが死んだことにすりゃ、傷は最小限に抑えられるってことか」
「富山園子は生きているのか?」
「おそらく。
今後、高子さんとして生きるよう強要されるとしても、今回の事件に関わっていたなら、彼女も従わざるを得なくなるだろう」
「自分が自分でなくなるとは、どんな気持ちだろうな」
「彼女が事件に関わっていなければ、拒絶できることだよ。
圭君、明日、八田家に行こう。平日だが、百合子さんは家にいるだろう。事件に関わっていれば、きっと」
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる