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失踪
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八田邸を辞した後、警察に向かい、真実を伝えた。
慌ただしく、八田邸に向かう刑事達を見送った後、勇一郎を迎えに行き、再び警察署に戻ると、馴染みでもある刑事の大森が、隼人を目指してやってきた。
「中里さんも一緒ですか。書きやしませんよね」
勇一郎は両手を広げ、手にはなにもないと証明すると、何度も頷いた。
「八田の姫さんは、消えました。いつの間に屋敷を抜け出したかは、誰も知らんそうです。
あまり、褒められた家じゃありませんな。使用人の態度は悪いし、姫さんがいないと分かっても、皆口を揃えて、私は知りません。の一点張り。
もう一方の、富山の姫さんは、昨夜、突然苦しみ出して、死んだそうです。
妙でしょう? 事件の直後、容疑者の急死。娘のやったことに気付いた父親が、一服盛ったんじゃないかって、疑っちまいますな」
「そりゃ、ないだろう」
「なぜです? あの成金とっつぁん、爵位守る為なら、やりかねんでしょうよ」
「成金で、地位の亡者だって誤解受けてっけど、あのおっさん、子煩悩だぜ。
外腹の息子もずっと可愛がってるし、娘も大事にしてる。幼い息子なんか、目に入れても痛くないほどの可愛がりようだ。
殺すなら、心中だろよ。けど、おっさんは生きている。
わっかい嫁貰って、それも色々言われてるけど、前の嫁も、どちらも大事にしてる。
嫁も良くできた人で、なさぬ仲の娘と仲良くやってるし、娘も、年の離れた弟を可愛がってる。
富山家ってのは醜聞の塊みたいに思われてるけど、本当のところは、愛情のある家庭だと、俺は思ってるぜ」
隣で隼人は頷いている。
「けどねぇ、こんな時に、疑われてる娘が死んだら、怪しみもするでしょう」
「それはしゃあないけど、先入観は持たないでやって欲しいなぁ」
圭が思っていたより、富山は周りから慕われているらしい。人間、危機が訪れた時、真の評価が下されるのだろう。
「気を付けて捜査しますよ」
「園子さんの葬式は、明日ですか?」
「そうです。八田の姫さんが来るかもしれんので、私服の警察官を十人ほど、紛れ込ませます。
しかし、どこ行ったんでしょうなぁ。やんごとないお姫さんが、逃げ切れるとも思えんのですが」
「姫さんと共に失せた物は?」
慌ただしく、八田邸に向かう刑事達を見送った後、勇一郎を迎えに行き、再び警察署に戻ると、馴染みでもある刑事の大森が、隼人を目指してやってきた。
「中里さんも一緒ですか。書きやしませんよね」
勇一郎は両手を広げ、手にはなにもないと証明すると、何度も頷いた。
「八田の姫さんは、消えました。いつの間に屋敷を抜け出したかは、誰も知らんそうです。
あまり、褒められた家じゃありませんな。使用人の態度は悪いし、姫さんがいないと分かっても、皆口を揃えて、私は知りません。の一点張り。
もう一方の、富山の姫さんは、昨夜、突然苦しみ出して、死んだそうです。
妙でしょう? 事件の直後、容疑者の急死。娘のやったことに気付いた父親が、一服盛ったんじゃないかって、疑っちまいますな」
「そりゃ、ないだろう」
「なぜです? あの成金とっつぁん、爵位守る為なら、やりかねんでしょうよ」
「成金で、地位の亡者だって誤解受けてっけど、あのおっさん、子煩悩だぜ。
外腹の息子もずっと可愛がってるし、娘も大事にしてる。幼い息子なんか、目に入れても痛くないほどの可愛がりようだ。
殺すなら、心中だろよ。けど、おっさんは生きている。
わっかい嫁貰って、それも色々言われてるけど、前の嫁も、どちらも大事にしてる。
嫁も良くできた人で、なさぬ仲の娘と仲良くやってるし、娘も、年の離れた弟を可愛がってる。
富山家ってのは醜聞の塊みたいに思われてるけど、本当のところは、愛情のある家庭だと、俺は思ってるぜ」
隣で隼人は頷いている。
「けどねぇ、こんな時に、疑われてる娘が死んだら、怪しみもするでしょう」
「それはしゃあないけど、先入観は持たないでやって欲しいなぁ」
圭が思っていたより、富山は周りから慕われているらしい。人間、危機が訪れた時、真の評価が下されるのだろう。
「気を付けて捜査しますよ」
「園子さんの葬式は、明日ですか?」
「そうです。八田の姫さんが来るかもしれんので、私服の警察官を十人ほど、紛れ込ませます。
しかし、どこ行ったんでしょうなぁ。やんごとないお姫さんが、逃げ切れるとも思えんのですが」
「姫さんと共に失せた物は?」
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