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主犯 三
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「終わらせたくて、あんなことをしたの?」
百合子の目は、隼人の顔を真っ直ぐ見ていた。
「そう……かもしれませんわ。初めからそう考えていたわけではありませんけれど……。
元々は、復讐だったのです」
「復讐?」
「はい。美しくて、幸せそうな少女への復讐。
自覚はしておりますのよ。言いがかりだと。八つ当たりだと。でも、どうしようもありませんの。歪んだ感情を抑えるのは、難しくて……。
彼女達がどうなるのか、分かっています。でも我慢できませんでした。
だって、どうして私だけが……」
「百合子さん!!」
隼人は一瞬、圭に視線を向けた。どうやら、圭が聞いているから止めなさい。と、警告したらしかった。
どうして私だけが……。
小さく呟く百合子は、強い憎しみを込めた目を、圭に向けた。
「どうして貴方はここにいるの?」
「運良く、助け出されたのです。
ご存知でしょうか? 臨時で英語を教えて下さっている山上先生。あの方が中里さんと共に、娼館に関連付けて、女学校を調べてらしたのです」
「まぁ、なんてこと。あの先生が、中里様と。
そういうことですのね。
不思議でしたの。山上先生、しょっちゅう校内をうろついては女学生を真剣に見ていらした。
にも関わらず私、不快な気持ちを一度も持ちませんでした。山上先生もまた、兄のような優しさで見ていて下さったのですね。
降参。私の完全な負けです」
両手を体の前で重ね、静かに深々と頭を下げた百合子には、女学校の女王の面影はどこにもなく、勇一郎の語った、美しいが地味で目立たないひとりの女学生でしかなかった。
百合子の目は、隼人の顔を真っ直ぐ見ていた。
「そう……かもしれませんわ。初めからそう考えていたわけではありませんけれど……。
元々は、復讐だったのです」
「復讐?」
「はい。美しくて、幸せそうな少女への復讐。
自覚はしておりますのよ。言いがかりだと。八つ当たりだと。でも、どうしようもありませんの。歪んだ感情を抑えるのは、難しくて……。
彼女達がどうなるのか、分かっています。でも我慢できませんでした。
だって、どうして私だけが……」
「百合子さん!!」
隼人は一瞬、圭に視線を向けた。どうやら、圭が聞いているから止めなさい。と、警告したらしかった。
どうして私だけが……。
小さく呟く百合子は、強い憎しみを込めた目を、圭に向けた。
「どうして貴方はここにいるの?」
「運良く、助け出されたのです。
ご存知でしょうか? 臨時で英語を教えて下さっている山上先生。あの方が中里さんと共に、娼館に関連付けて、女学校を調べてらしたのです」
「まぁ、なんてこと。あの先生が、中里様と。
そういうことですのね。
不思議でしたの。山上先生、しょっちゅう校内をうろついては女学生を真剣に見ていらした。
にも関わらず私、不快な気持ちを一度も持ちませんでした。山上先生もまた、兄のような優しさで見ていて下さったのですね。
降参。私の完全な負けです」
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