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復讐
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「それから何度か訪ねたのだけど、一度も会ってはくれなかった」
山上が言い辛そうに口を開いた。
「彼女は、君が好きだったのじゃないのかな」
「もしそうだとしたなら、どうして断る?」
「お前が、触れないと言ったからだろう」
勇一郎らしからぬ、気弱気な声だった。
「この穢れた体……八田百合子もそう考えていたのかもしれない。
お前が、彼女の為を思った言葉が、八田百合子には、穢れた体に触れたくないとの、拒絶に聞こえたのかも……」
なぜか、隼人よりも圭が先に、勇一郎の言葉に反応した。
「私は、百合子さんに対してひどいことをしてしまったのですね」
「圭君」
「婚約者って嘘を吐いたことか? 圭ちゃんは知らなかったんだから、仕方ないだろう」
「でも……」
「それが罪だと言うなら、麻上君はもう、罰を受けただろう」
山上がきっぱりと断言した。
「どういう意味ですか?」
「清水女学校から四人の少女が攫われた。犯行を八田百合子が認めた。にも拘わらず、被害者と思われた少女のひとりは、百合子を命の恩人だと言う。
八田百合子に攫われた少女達と麻上君。違いは何か」
「八田百合子から見て、三人の少女は不幸だった。自らと同じく苦しむ少女を救うために、彼女は攫ってあげたのだろう。
しかし君は、幸せな人間だった。美しく、優しい婚約者までいる。しかもその婚約者は、自分が思っている相手であった」
「だから私を、あんな所に送り込んだのだと?」
「理由はそれだけではあるまいよ。
八田百合子は、他人である男達に乗っ取られ、誇りを失った八田伯爵家を滅ぼしてしまいたかったのだろう。当の男達と共に。
その為には、小さからぬ醜聞が必要だ。令嬢が女学生を娼館に送ったとなれば、伯爵家はお終いだろう」
「でも、こうなると百合子さんが犯した罪とは何なのでしょう」
「君ねぇ、俺が気付いて乗り込んで行ったから被害に遭わずに済んだけど、本物の客が来ていたらどうなったと思っているんだ!
少なくとも彼女は、君がどんな目に遭っても構わないと思っていたことは間違いないのだから、甘いことを考えるのではないよ」
山上が言い辛そうに口を開いた。
「彼女は、君が好きだったのじゃないのかな」
「もしそうだとしたなら、どうして断る?」
「お前が、触れないと言ったからだろう」
勇一郎らしからぬ、気弱気な声だった。
「この穢れた体……八田百合子もそう考えていたのかもしれない。
お前が、彼女の為を思った言葉が、八田百合子には、穢れた体に触れたくないとの、拒絶に聞こえたのかも……」
なぜか、隼人よりも圭が先に、勇一郎の言葉に反応した。
「私は、百合子さんに対してひどいことをしてしまったのですね」
「圭君」
「婚約者って嘘を吐いたことか? 圭ちゃんは知らなかったんだから、仕方ないだろう」
「でも……」
「それが罪だと言うなら、麻上君はもう、罰を受けただろう」
山上がきっぱりと断言した。
「どういう意味ですか?」
「清水女学校から四人の少女が攫われた。犯行を八田百合子が認めた。にも拘わらず、被害者と思われた少女のひとりは、百合子を命の恩人だと言う。
八田百合子に攫われた少女達と麻上君。違いは何か」
「八田百合子から見て、三人の少女は不幸だった。自らと同じく苦しむ少女を救うために、彼女は攫ってあげたのだろう。
しかし君は、幸せな人間だった。美しく、優しい婚約者までいる。しかもその婚約者は、自分が思っている相手であった」
「だから私を、あんな所に送り込んだのだと?」
「理由はそれだけではあるまいよ。
八田百合子は、他人である男達に乗っ取られ、誇りを失った八田伯爵家を滅ぼしてしまいたかったのだろう。当の男達と共に。
その為には、小さからぬ醜聞が必要だ。令嬢が女学生を娼館に送ったとなれば、伯爵家はお終いだろう」
「でも、こうなると百合子さんが犯した罪とは何なのでしょう」
「君ねぇ、俺が気付いて乗り込んで行ったから被害に遭わずに済んだけど、本物の客が来ていたらどうなったと思っているんだ!
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