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未来
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「百合子様は、私の美しさが気に入ったと仰いました。
隣で園子様が、私を睨んでいるのが少し怖かったけれど、百合子様とお話ができるのは嬉しかった。私も百合子様の美しさに心を奪われていましたから。
田村さんと佐々木さんが行方知れずになっているのは知っていました。
百合子様が気にされていた方で、もしかしたら、園子様が何らかの関りを持っておいでなのではないかとの噂も聞いておりました。
でも、私は気になりませんでした。
あの頃は毎日、一日が終わるのが恐ろしかった。
女学校を卒業したら、私はある金持ちの爺さんの妾になるしか道はなく、一日一日、いえ、一秒一秒過ぎていくのが苦痛で、いっそ儚くなってしまおうかと考えておりましたから、行方知れずの果てにどんな地獄が待っていようとも構わないと思っていました。
ある日、百合子様に聞かれました。今のままでいいの? って。
どういう意味か聞いたら、本当は貴女が心配で声を掛けたのだと言われました。苦しい現実に耐え切れず、貴女が死を選ばないかと心配なのだと」
「私は思わず泣きながら、百合子様に苦しみを吐露しました。そうしたら、貴女を救い出してあげるから、園子さんの言う通りにしなさい。って。
その二日後だったかしら、園子様に中庭に来るよう言われました。待っていたけど、時間が過ぎても中々園子様が現れなくて。
不安に思いながらも待っていると、何か嫌な匂いがして、もう、どうにでもなれって気持ちで意識を無くしたのです。
目が覚めると、睦月会の一室で横たわっていました。傍には静子様がいらして、とても嬉しそうなお顔で、ご気分はいかが? って。
少し頭が痛かったけれど、お腹は空いていて、お粥を頂きながら、ここは婦人の自立の為の施設だから安心だとか、これから一緒にお勉強やお仕事をしましょうと田中様から説明を受けて……。
夢だと思いました。自分に都合の良い夢を見ているのだと。
貴方のことはある方から伺っています。内緒で。と、こそりと言われました。
それからは毎日が楽しくて。
私、運動が好きだったんです。でも、両親から肌が黒くなるから外にあまり出ないように言われていました。お嫁の貰い手がなくなりますって」
隣で園子様が、私を睨んでいるのが少し怖かったけれど、百合子様とお話ができるのは嬉しかった。私も百合子様の美しさに心を奪われていましたから。
田村さんと佐々木さんが行方知れずになっているのは知っていました。
百合子様が気にされていた方で、もしかしたら、園子様が何らかの関りを持っておいでなのではないかとの噂も聞いておりました。
でも、私は気になりませんでした。
あの頃は毎日、一日が終わるのが恐ろしかった。
女学校を卒業したら、私はある金持ちの爺さんの妾になるしか道はなく、一日一日、いえ、一秒一秒過ぎていくのが苦痛で、いっそ儚くなってしまおうかと考えておりましたから、行方知れずの果てにどんな地獄が待っていようとも構わないと思っていました。
ある日、百合子様に聞かれました。今のままでいいの? って。
どういう意味か聞いたら、本当は貴女が心配で声を掛けたのだと言われました。苦しい現実に耐え切れず、貴女が死を選ばないかと心配なのだと」
「私は思わず泣きながら、百合子様に苦しみを吐露しました。そうしたら、貴女を救い出してあげるから、園子さんの言う通りにしなさい。って。
その二日後だったかしら、園子様に中庭に来るよう言われました。待っていたけど、時間が過ぎても中々園子様が現れなくて。
不安に思いながらも待っていると、何か嫌な匂いがして、もう、どうにでもなれって気持ちで意識を無くしたのです。
目が覚めると、睦月会の一室で横たわっていました。傍には静子様がいらして、とても嬉しそうなお顔で、ご気分はいかが? って。
少し頭が痛かったけれど、お腹は空いていて、お粥を頂きながら、ここは婦人の自立の為の施設だから安心だとか、これから一緒にお勉強やお仕事をしましょうと田中様から説明を受けて……。
夢だと思いました。自分に都合の良い夢を見ているのだと。
貴方のことはある方から伺っています。内緒で。と、こそりと言われました。
それからは毎日が楽しくて。
私、運動が好きだったんです。でも、両親から肌が黒くなるから外にあまり出ないように言われていました。お嫁の貰い手がなくなりますって」
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