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部屋 二
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「貴方が部屋を借りたいと電話をしてきた時、なにかがあると感じていた。遠慮深い人がわざわざ、電話をしてきてまでの頼みなのだから、休憩の部屋ではあるまいと。
ところで、そこにいる令嬢を私は知らないのだが、どなただろうか? 今日の招待客は皆、顔を知っている方ばかりなのだが」
普通なら、少女が海軍兵学校の制服を着ていることを気にするのだろうが、元帥は一見呑気そうに、日向ぼっこでもしているかの口調で問うた。
「紹介をしては頂けまいか」
皆、一様に口を噤むしかなかった。できるならば犯罪者として警察に突き出したくはない。
「初めまして元帥閣下。私、八田伯爵家の百合子と申します」
百合子は華やかな声で、体を屈めて挨拶をした。元帥同様、現状を理解していないかのような態度で。
「ほぉ、八田伯爵家のご令嬢。私の記憶では、八田伯爵家に招待状は送ってはおらぬのだが」
「勝手に忍び込ませて頂きました」
「なるほど。
ところで、さっきから睦月会の代表をまるで犯罪者でもあるかのように見張っているが、どういうことかね? この方はとても立派な方なのだよ」
「それは存じております」
隼人が低い声を出した。
「だったら説明をして頂こう。どうして……」
「私が寒天に毒を入れました。それをこの方達は咎めておいでなのです」
さすがの元帥も、ここにきてようやく表情を硬くした。
「毒?」
「えぇ、毒を。ここにいる方をひとりでも多く、苦しめるのが私の目的でした」
「貴女と八田伯爵家の令嬢は……」
「存じ上げませんわ、あんな女」
乱暴な言葉に、百合子が反応した。傷ついたように目を細める。
「叔母様……」
「なにを仰って……」
「もうやめて下さい、富田加奈子さん」
隼人の呼びかけに、トミは睨んだ。
ところで、そこにいる令嬢を私は知らないのだが、どなただろうか? 今日の招待客は皆、顔を知っている方ばかりなのだが」
普通なら、少女が海軍兵学校の制服を着ていることを気にするのだろうが、元帥は一見呑気そうに、日向ぼっこでもしているかの口調で問うた。
「紹介をしては頂けまいか」
皆、一様に口を噤むしかなかった。できるならば犯罪者として警察に突き出したくはない。
「初めまして元帥閣下。私、八田伯爵家の百合子と申します」
百合子は華やかな声で、体を屈めて挨拶をした。元帥同様、現状を理解していないかのような態度で。
「ほぉ、八田伯爵家のご令嬢。私の記憶では、八田伯爵家に招待状は送ってはおらぬのだが」
「勝手に忍び込ませて頂きました」
「なるほど。
ところで、さっきから睦月会の代表をまるで犯罪者でもあるかのように見張っているが、どういうことかね? この方はとても立派な方なのだよ」
「それは存じております」
隼人が低い声を出した。
「だったら説明をして頂こう。どうして……」
「私が寒天に毒を入れました。それをこの方達は咎めておいでなのです」
さすがの元帥も、ここにきてようやく表情を硬くした。
「毒?」
「えぇ、毒を。ここにいる方をひとりでも多く、苦しめるのが私の目的でした」
「貴女と八田伯爵家の令嬢は……」
「存じ上げませんわ、あんな女」
乱暴な言葉に、百合子が反応した。傷ついたように目を細める。
「叔母様……」
「なにを仰って……」
「もうやめて下さい、富田加奈子さん」
隼人の呼びかけに、トミは睨んだ。
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