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苦悩
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できうる限り二人を庇い、将来的には睦月会に戻れるように元帥が計らってくれているのだろう。
そうなると、三人をこれからどうするかを考えなければならない。
「ところでご存じですか? 富山のとっつぁんがあちこちに頭下げに回ってますぜ」
どうやら、隼人達に園子の存在を認めた日から、葬儀に来てくれた人を訪ねては、香典を返しているのだとか。
もちろん、園子を生き返らせるのが目的だろう。
聞けば、高子に良い縁談が舞い込んだのに死んでしまった為、園子と入れ替えようと企んだと説明しているのだとか。
自分を、金と爵位の亡者と考える者がいると知っており、そんな作り話を考えたのだろう。
「まぁ、元々良く思っていない輩は、調子に乗ってあちこちに吹聴してますが、殆どの人間は、嘘だとわかっているらしいですな。
何しろあのとっつぁんの痩せ方見りゃあ、尋常じゃない何かがあったって考えざるを得ませんよ。餓鬼だってあんなに痩せちゃいませんって」
やっと、高子は静かに、安らかに眠れるのだろう。せめてあの世で、父親の本当の気持ちを理解してくれれば。と、心の中でそっと考える。
「ところでですね」
突然、大森が真剣な顔を突き出した。
「昨日、山上先生から電話があったと、妹から聞いたんですよ。明日、つまりは今日ですな、ご主人様がお帰りになられる時間に伺いたい。って。
まさか、お断りじゃないでしょうな?」
事件よりも姪の方が気になるらしい。
「それは、妹さんに伺って下さい」
意地悪な答えを、笑って返す。圭は笑顔だから、今回は上手く笑えているらしい。
「自慢の姪なんでしょう?」
「それはそうですが、先生の気持ちを無視して押したから、嫌になったんじゃないかとちょっと不安になったりもしましてね」
「そっちは帰ってからのお楽しみってことで、あの用務員はどうなった?」
にやにやと勇一郎が笑いながら促す。
さすがに大森も理解したらしく、満面の笑顔で、楽しくない話を始めた。
「えぇ、すぐに戸籍の人物を探しに行ったんですが、呆れたことに戸籍の住所に居ましてね。金が欲しかっただけらしいですな。
すぐに用務員の本性を暴きましてね、余罪も含めて今、あれこれ白状させているところです。
因みに婿は、一応関係無かったことになりますが、少々悔しい気がしますな。あいつも一緒にぶち込んでやりたかった」
「それは同意見ですね」
皆で頷き合った。
そうなると、三人をこれからどうするかを考えなければならない。
「ところでご存じですか? 富山のとっつぁんがあちこちに頭下げに回ってますぜ」
どうやら、隼人達に園子の存在を認めた日から、葬儀に来てくれた人を訪ねては、香典を返しているのだとか。
もちろん、園子を生き返らせるのが目的だろう。
聞けば、高子に良い縁談が舞い込んだのに死んでしまった為、園子と入れ替えようと企んだと説明しているのだとか。
自分を、金と爵位の亡者と考える者がいると知っており、そんな作り話を考えたのだろう。
「まぁ、元々良く思っていない輩は、調子に乗ってあちこちに吹聴してますが、殆どの人間は、嘘だとわかっているらしいですな。
何しろあのとっつぁんの痩せ方見りゃあ、尋常じゃない何かがあったって考えざるを得ませんよ。餓鬼だってあんなに痩せちゃいませんって」
やっと、高子は静かに、安らかに眠れるのだろう。せめてあの世で、父親の本当の気持ちを理解してくれれば。と、心の中でそっと考える。
「ところでですね」
突然、大森が真剣な顔を突き出した。
「昨日、山上先生から電話があったと、妹から聞いたんですよ。明日、つまりは今日ですな、ご主人様がお帰りになられる時間に伺いたい。って。
まさか、お断りじゃないでしょうな?」
事件よりも姪の方が気になるらしい。
「それは、妹さんに伺って下さい」
意地悪な答えを、笑って返す。圭は笑顔だから、今回は上手く笑えているらしい。
「自慢の姪なんでしょう?」
「それはそうですが、先生の気持ちを無視して押したから、嫌になったんじゃないかとちょっと不安になったりもしましてね」
「そっちは帰ってからのお楽しみってことで、あの用務員はどうなった?」
にやにやと勇一郎が笑いながら促す。
さすがに大森も理解したらしく、満面の笑顔で、楽しくない話を始めた。
「えぇ、すぐに戸籍の人物を探しに行ったんですが、呆れたことに戸籍の住所に居ましてね。金が欲しかっただけらしいですな。
すぐに用務員の本性を暴きましてね、余罪も含めて今、あれこれ白状させているところです。
因みに婿は、一応関係無かったことになりますが、少々悔しい気がしますな。あいつも一緒にぶち込んでやりたかった」
「それは同意見ですね」
皆で頷き合った。
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