長瀬萬請負 其の一 〜紅い髪の探偵〜

岡倉弘毅

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哲学 二

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 「賛成しかねますね。

 かっとなったら手に負えないでしょうけれど、慎重に犯行を行える類の人間には見えません」

「高林義礼はどんな様子なんだ?」

「臥せったままだそうです。

 私が参りますと、悪化するでしょうから、近付かぬよう気を付けております。ですから、詳しくはわかりませんけれど。

 義礼氏の臥せっている今、まるで相馬さんが主のようですね」

「相馬か。ところで今日、あいつとどんな話しをしていたんだ?」

 突然思い出したのか、隼人は興味津々である。

 圭は義史の不審な態度と、有朋の言葉とを詳しく思い出し、報告した。

「どうやら圭ちゃんは、探偵の素質があるようだな。たった二日で色々と聞き出したな。

 次は隼人の言う通り、彬子夫人を誘惑しようってんじゃないだろうな」 

「ご冗談を」

「実は今日、相馬と圭君の関係を調べていたのだけど」

 隼人の言葉に、思わず圭は眉を顰めた。何を言っているのか、理解できなかったのだ。

「君には言ってなかったけど、義礼氏の事件の容疑者として、山科を教えてくれたのが、相馬なんだ」

「どうして、相馬さんと私に関係が?」

「あの警察官に襲われた時も、相馬に促されて君を追いかける結果になった。一度ならずも二度までも君を助けるきっかけを作ったんだ。

 もしかしたら偶然なんかじゃなく、君を俺に守らせようとしているんじゃないかと思ったんだけど、どこにも接点は無かった。偶然だったらしいな。

 相馬の親戚に間違われたって聞いたから、もしかしたらと思ったけど」

「あんまり似てないと思うけど」

 有朋の顔を知っているらしい勇一郎が、呆れたように言う。

「圭君が相馬の遠縁でも、繋がりがあれば、危険を察して、守ろうとするんじゃないかと」

「どうやって危険を察する? 察する為には、山科と関わりがなければならないだろう?」

 勇一郎の何気なさそうな言葉に、隼人は顔色を変えた。

「もしかして俺は、相馬を疑っているのか?」

「落ち着いて下さい。万が一そうだとしたなら、山科と仲違いしをしたということになります」

 隼人は怒っているような表情で、考え込んでいる。有朋を疑っているかもしれない、自分が腹立たしいのだろうか。
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