39 / 126
帳面 二
しおりを挟む
「二度。この方と父は、面識がありましたので」
「名前と年齢、その隣に男の名前。更に、日付が入っている。でも、圭ちゃんの欄には無い。これから察するに、恐らく、引き渡しの日付だろう。
拘束する為の紐を用意していながら、使っていないのは、圭ちゃんに傷を付けまいとしたからだ。
あの男、やっぱり子供を売り飛ばしていたんだよ」
あまりのことに、現実味が無いのだろうか、圭は冷静だった。
「だとすれば、山科は今、焦っているでしょうね」
冷静極まりない声。微かに嘲笑が含まれているのに、隼人は気付いた。
「焦っているなんてもんじゃないだろう。この帳面を警察に持って行かれたら、山科の悪事を世に知らしめることになる。最悪の状況を打破する為には、証拠品と共に、圭ちゃんを攫わにゃならなくなっちまったんだ」
「それにしても、どうしてあの警察官が、山科の手に落ちたんだろう」
首を捻らずにはいられない。昨日までは、ただ単に隼人を目の仇にしていただけだった。それが何故突然、どうして山科の手下になったのか。
「長瀬さんは、高林さんの件で山科を訪ねたのでしょう? 山科は、高林に関われる人間の中で、あの男を選んだのではありませんか? 誰が見ても、金の力に屈する人間だとは、直ぐにわかるでしょうから」
「山科には、監禁している子供について話をしたい。と言って押しかけたんだ。顔の傷はいつついたのかと問いはしたが、義礼氏の件については話していない。
第一あの男は昨日既に、義礼氏から来なくていいと言われていた可能性が高い」
とはいえ、隼人を見つけ出すのは、大して骨の折れる作業ではあるまい。東京広しと言えど、こんなに派手な髪の男は、滅多にいない。外見の特徴を手掛かりにすれば、直ぐに居場所は知れる。高林家に関わっている事も。
そうなれば、あの警察官を使うのは当然の選択とも言えよう。地位や金に弱く、隼人に対して良い感情を持っていないのだから、困らせる為にも、執念を燃やすだろう。
今頃はこっぴどく叱られているだろうけれど。
「ここに書かれている子の家を探してくる。奴らの目的が少年少女なら、一日でも早く確保しなけりゃならないだろうからな。旬は短いもんだ」
「名前と年齢、その隣に男の名前。更に、日付が入っている。でも、圭ちゃんの欄には無い。これから察するに、恐らく、引き渡しの日付だろう。
拘束する為の紐を用意していながら、使っていないのは、圭ちゃんに傷を付けまいとしたからだ。
あの男、やっぱり子供を売り飛ばしていたんだよ」
あまりのことに、現実味が無いのだろうか、圭は冷静だった。
「だとすれば、山科は今、焦っているでしょうね」
冷静極まりない声。微かに嘲笑が含まれているのに、隼人は気付いた。
「焦っているなんてもんじゃないだろう。この帳面を警察に持って行かれたら、山科の悪事を世に知らしめることになる。最悪の状況を打破する為には、証拠品と共に、圭ちゃんを攫わにゃならなくなっちまったんだ」
「それにしても、どうしてあの警察官が、山科の手に落ちたんだろう」
首を捻らずにはいられない。昨日までは、ただ単に隼人を目の仇にしていただけだった。それが何故突然、どうして山科の手下になったのか。
「長瀬さんは、高林さんの件で山科を訪ねたのでしょう? 山科は、高林に関われる人間の中で、あの男を選んだのではありませんか? 誰が見ても、金の力に屈する人間だとは、直ぐにわかるでしょうから」
「山科には、監禁している子供について話をしたい。と言って押しかけたんだ。顔の傷はいつついたのかと問いはしたが、義礼氏の件については話していない。
第一あの男は昨日既に、義礼氏から来なくていいと言われていた可能性が高い」
とはいえ、隼人を見つけ出すのは、大して骨の折れる作業ではあるまい。東京広しと言えど、こんなに派手な髪の男は、滅多にいない。外見の特徴を手掛かりにすれば、直ぐに居場所は知れる。高林家に関わっている事も。
そうなれば、あの警察官を使うのは当然の選択とも言えよう。地位や金に弱く、隼人に対して良い感情を持っていないのだから、困らせる為にも、執念を燃やすだろう。
今頃はこっぴどく叱られているだろうけれど。
「ここに書かれている子の家を探してくる。奴らの目的が少年少女なら、一日でも早く確保しなけりゃならないだろうからな。旬は短いもんだ」
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる