殺された人形

岡倉弘毅

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女優 二

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 直通の恋は、実ったのだろうか。気持ちを隠したまま、相談相手として会っていたのかもしれない。

 いや、あの本にあった(心変わりか)の文字は、互いの気持ちが通じ合っていたことを物語ってはいないだろうか。

 しかし、と思う。美しいが、冷たい雰囲気の女であった。家に戻るか戻るまいか迷うようなしおらしい性格には見えない。心変わりによって本性が現れたのか、それとも、人違いなのか。

 人違いの可能性は考えなければならない。何しろ洋史が川中蕗子だと思っている女は、大きな目のとんでもない美人という共通点だけで認識しているのだ。

「川中蕗子さんの写真ってありませんか?」

 うぅん。と、太が悩むような様子を見せた。

 明治の時代から人気のある女優や芸者の写真は売られていた。一時的にとはいえ、名が知れていたのであれば一枚や二枚は世間に出ているのではあるまいか。

「俺の勝手な考えだが、直通がいつも首にかけていたのは、写真が入るやつじゃなかったかしら?」

「首に?」
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