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Epilogue. Longer than Forever
【現実復帰】
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大学2年の秋、例の怪我から退院して2ヶ月が過ぎ
舞の"初体験"のお相手も無事全うした僕は
前述した通りアルバイトを始めていた。
バイト先では夢に現れた南波陽菜子そっくりな先輩、
前田玲可ともしかして何か起きるのでは…?
などと不徳な妄想をしていた僕は
それが間違いだったことにすぐ気づいた。
「ナカムラー!早く皿洗いなよ、間に合わないじゃない!」
今日も洗い場に響く玲可の大きな声に
僕は慌てて水道の蛇口をフルに回す。
「レイカさん、待ってくださいよー!まだそのジョッキ乾いてませんから!」
「もう!何やってんだよ、団体さん来るよ、もうすぐ!!」
「全く人使いの荒い人だなぁ…」
「ん?今何か言った?ナカムラっ!」
「あ、いえ、何でもないす」
「口動かしてるヒマあったらさっさと皿洗いなよ」
「はーい!」
玲可がこんなにも男勝りな性格だとは
思ってもいなかった
ーこれじゃ夢の中のヒナさんとのような展開は
あり得ないな。
「それじゃおつかれさまでした」
「おっ!おつかれ、大分仕事早くなったじゃない?」
「そ、そりゃ、あんだけ急かされたら…」
「はい、合格っ」
「え?」
「大抵の人は続かないんだけど…よくがんばったじゃん!」
玲可はニッコリ笑って僕を見た
なるほど、僕は試されてたのか?
その笑顔がふと陽菜子と重なり
気づけば僕は玲可の顔をまじまじと見つめていた。
「どしたの?あたしの顔、何かついてる?」
「あ、いや、あの~…かわいいですね」
決して変な気持ちで言ったわけではなく
本心からの言葉だった
こんなに怒られたことはここ数年なかったし
こんなキレイな人にならどんなに怒られても
ノープロブレムだ、と言うニュアンスで。
「な、な!何言ってんの!あ、当たり前でしょ!」
「俺、好きですよレイカさんのこと、どんなに怒られても」
「おだてても何にも出ないからね」
「いやいやそもそも何にも期待してないんで」
「ちょっとは期待しろよー、缶ジュースくらいなら…」
「じゃまたー!」
「お、そ、そう?また明日からビシビシいくからね!」
「明日は休みっす」
「そっか、そんじゃいつか飲みに連れてってあげるよ」
「期待してませんからねー、あ、でも明日はデートなんで」
「ヤる…の?明日?」
「ヤラないですっ!」
「ヤリたいんでしょ?」
「はい!」
「でしょうね?若い若い!ふふ、楽しんどいで」
「はーい」
「ヤッたら報告すること」
「絶対にしません!」
そんな会話をしながらバイト先を後にした。
何だよ、割りと下ネタ好きなんじゃないか
もっと真面目な人だと思ってたよ…
これまであまり話したことのなかった先輩
玲可と話したことで
慣れないバイト先での今後に向けて
少し気持ちが軽くなった、が
そんな高揚感も束の間、
明日は舞と出かけると言うのにあまりの疲労のせいで
帰るなりそのまま夢の中へ誘われた。
舞の"初体験"のお相手も無事全うした僕は
前述した通りアルバイトを始めていた。
バイト先では夢に現れた南波陽菜子そっくりな先輩、
前田玲可ともしかして何か起きるのでは…?
などと不徳な妄想をしていた僕は
それが間違いだったことにすぐ気づいた。
「ナカムラー!早く皿洗いなよ、間に合わないじゃない!」
今日も洗い場に響く玲可の大きな声に
僕は慌てて水道の蛇口をフルに回す。
「レイカさん、待ってくださいよー!まだそのジョッキ乾いてませんから!」
「もう!何やってんだよ、団体さん来るよ、もうすぐ!!」
「全く人使いの荒い人だなぁ…」
「ん?今何か言った?ナカムラっ!」
「あ、いえ、何でもないす」
「口動かしてるヒマあったらさっさと皿洗いなよ」
「はーい!」
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思ってもいなかった
ーこれじゃ夢の中のヒナさんとのような展開は
あり得ないな。
「それじゃおつかれさまでした」
「おっ!おつかれ、大分仕事早くなったじゃない?」
「そ、そりゃ、あんだけ急かされたら…」
「はい、合格っ」
「え?」
「大抵の人は続かないんだけど…よくがんばったじゃん!」
玲可はニッコリ笑って僕を見た
なるほど、僕は試されてたのか?
その笑顔がふと陽菜子と重なり
気づけば僕は玲可の顔をまじまじと見つめていた。
「どしたの?あたしの顔、何かついてる?」
「あ、いや、あの~…かわいいですね」
決して変な気持ちで言ったわけではなく
本心からの言葉だった
こんなに怒られたことはここ数年なかったし
こんなキレイな人にならどんなに怒られても
ノープロブレムだ、と言うニュアンスで。
「な、な!何言ってんの!あ、当たり前でしょ!」
「俺、好きですよレイカさんのこと、どんなに怒られても」
「おだてても何にも出ないからね」
「いやいやそもそも何にも期待してないんで」
「ちょっとは期待しろよー、缶ジュースくらいなら…」
「じゃまたー!」
「お、そ、そう?また明日からビシビシいくからね!」
「明日は休みっす」
「そっか、そんじゃいつか飲みに連れてってあげるよ」
「期待してませんからねー、あ、でも明日はデートなんで」
「ヤる…の?明日?」
「ヤラないですっ!」
「ヤリたいんでしょ?」
「はい!」
「でしょうね?若い若い!ふふ、楽しんどいで」
「はーい」
「ヤッたら報告すること」
「絶対にしません!」
そんな会話をしながらバイト先を後にした。
何だよ、割りと下ネタ好きなんじゃないか
もっと真面目な人だと思ってたよ…
これまであまり話したことのなかった先輩
玲可と話したことで
慣れないバイト先での今後に向けて
少し気持ちが軽くなった、が
そんな高揚感も束の間、
明日は舞と出かけると言うのにあまりの疲労のせいで
帰るなりそのまま夢の中へ誘われた。
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