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Vol. Ⅶ 神の戯れ その1
【決意の朝】
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当日が来るまで今回の目的地を
ミヤさんには内緒にすることに決めた。
ー ねえ、今回行くの田梨迫町のどこ?
ー 当日になったら話すよ
ー えー!何か訳アリっぽいー!
気付けば俺たちはいつしか
こんな会話をするまでの間柄となっていた。
考えてもみてほしい、
こんなにも冴えない男子高校生と美人店員ミヤさんが
偶然にもスーパーのレジで出会い
その数ヶ月後彼女は
近所にオープンしたスーパーに異動となり
そこで再会を果たして今に至る…
こんなドラマのような展開が劇的に続いていいものか?
それもいいことばかり…そろそろ何かひとつくらい
壁にぶち当たって、克服しなければいけないような
試練が訪れるのではないだろうか?
あまりにも“コト”が上手く運びすぎている
きっと恋愛の神様はこれから
何かしらの戯れを“試練”と言う形にして
もたらしてくるのではないか?
今の幸福に浸っていればいいのに
俺はそんなことばかり気にしていた。
ミヤさんと言えばそんな俺の心配をよそに
「作ってもらったCD順番に聴いてこっと、それくらい時間あるよね?」
などと、いつもの調子だ。
この先、恋愛などと言うものに発展するのか?
それとも今の姉弟のようなノリを継続するのか?
俺の気持ちは100%恋愛モードなのだが
未だミヤさんの真意は掴めていない
だからこそ俺は今回のお出かけで
ひとつアクションを起こすつもりだ
そろそろ何か“実績”のようなモノを残して
俺らの関係性にひとつ新たな一歩を刻みたい。
ただそれが何なのかはわからない
けどこのまま友達のような姉弟のような、
それでいてどっちつかずの宙ぶらりんな立場から
一歩踏み出せたなら…
そう考えて悲壮、とまでいかないものの
かなり意を決して当日に臨むつもりでいた。
夏休みに入って2週間ほどが経過した8月の初旬
遂にその日がやって来た。
前回の猫カフェに続く二度目のデートらしき
二人きりで過ごす時間…
その日を迎えるまでも俺は
何度かスーパー青洋に足を運び
ミヤさんの姿を目に焼き付けていた。
確かにミヤさんは気づいている
“ショーちゃんはあたしのこと大好きだよね?”
ミヤさんのあの日の発言は決してただの冗談とは思えない
だからこそ今日は例え時期尚早であろうとも
何か自分を安心させる確証と
未来に繋がる言葉を貰いたいんだ…
そんなに興味もない朝の情報番組を
時間を確認するためだけに
ボリュームを下げて流していた午前9時
エンジン音を引き連れて
家の前に1台の軽自動車が停車した。
前回はスーパーの屋上で待ち合わせたのだが
今回は人目を憚ることなく自宅前まで
ミヤさんが車を乗り付けた。
決して家族に秘密にしていたいわけではない
だが我が家の女性陣に冷やかされるかもと思うと
やはりミヤさんのことを言い出せずにいた
今日は母親がパートに出勤し澪は部活で学校へ
全て計算ずくの絶好のタイミングで
約束を午前9時と決めた。
猫カフェに行ったのは午後からだったが
今日は朝からミヤさんと一緒
一体何時間2人で過ごせるのだろうと考えるだけで
胸は高鳴り気持ちは高揚する。
そして俺の“決心”を伝えるには十分すぎるほど
心の準備をする時間の余裕もある
インターホン越しの会話の時間すら惜しむように
俺はテレビを消し
リモコンを無造作にテーブルの上に置くと
点滅するインターホンのランプも確認せず
転がるように玄関へと向かった。
二人で過ごす長い長い1日が始まろうとしている
「ショーちゃんおはよう!」
「あ、ミヤさんおはようございます」
やはりまだ心の中は緊張感が漂っているものの
それでいて平常心を装いながら
俺は玄関の前に立つ笑顔のミヤさんを出迎えた。
ミヤさんには内緒にすることに決めた。
ー ねえ、今回行くの田梨迫町のどこ?
ー 当日になったら話すよ
ー えー!何か訳アリっぽいー!
気付けば俺たちはいつしか
こんな会話をするまでの間柄となっていた。
考えてもみてほしい、
こんなにも冴えない男子高校生と美人店員ミヤさんが
偶然にもスーパーのレジで出会い
その数ヶ月後彼女は
近所にオープンしたスーパーに異動となり
そこで再会を果たして今に至る…
こんなドラマのような展開が劇的に続いていいものか?
それもいいことばかり…そろそろ何かひとつくらい
壁にぶち当たって、克服しなければいけないような
試練が訪れるのではないだろうか?
あまりにも“コト”が上手く運びすぎている
きっと恋愛の神様はこれから
何かしらの戯れを“試練”と言う形にして
もたらしてくるのではないか?
今の幸福に浸っていればいいのに
俺はそんなことばかり気にしていた。
ミヤさんと言えばそんな俺の心配をよそに
「作ってもらったCD順番に聴いてこっと、それくらい時間あるよね?」
などと、いつもの調子だ。
この先、恋愛などと言うものに発展するのか?
それとも今の姉弟のようなノリを継続するのか?
俺の気持ちは100%恋愛モードなのだが
未だミヤさんの真意は掴めていない
だからこそ俺は今回のお出かけで
ひとつアクションを起こすつもりだ
そろそろ何か“実績”のようなモノを残して
俺らの関係性にひとつ新たな一歩を刻みたい。
ただそれが何なのかはわからない
けどこのまま友達のような姉弟のような、
それでいてどっちつかずの宙ぶらりんな立場から
一歩踏み出せたなら…
そう考えて悲壮、とまでいかないものの
かなり意を決して当日に臨むつもりでいた。
夏休みに入って2週間ほどが経過した8月の初旬
遂にその日がやって来た。
前回の猫カフェに続く二度目のデートらしき
二人きりで過ごす時間…
その日を迎えるまでも俺は
何度かスーパー青洋に足を運び
ミヤさんの姿を目に焼き付けていた。
確かにミヤさんは気づいている
“ショーちゃんはあたしのこと大好きだよね?”
ミヤさんのあの日の発言は決してただの冗談とは思えない
だからこそ今日は例え時期尚早であろうとも
何か自分を安心させる確証と
未来に繋がる言葉を貰いたいんだ…
そんなに興味もない朝の情報番組を
時間を確認するためだけに
ボリュームを下げて流していた午前9時
エンジン音を引き連れて
家の前に1台の軽自動車が停車した。
前回はスーパーの屋上で待ち合わせたのだが
今回は人目を憚ることなく自宅前まで
ミヤさんが車を乗り付けた。
決して家族に秘密にしていたいわけではない
だが我が家の女性陣に冷やかされるかもと思うと
やはりミヤさんのことを言い出せずにいた
今日は母親がパートに出勤し澪は部活で学校へ
全て計算ずくの絶好のタイミングで
約束を午前9時と決めた。
猫カフェに行ったのは午後からだったが
今日は朝からミヤさんと一緒
一体何時間2人で過ごせるのだろうと考えるだけで
胸は高鳴り気持ちは高揚する。
そして俺の“決心”を伝えるには十分すぎるほど
心の準備をする時間の余裕もある
インターホン越しの会話の時間すら惜しむように
俺はテレビを消し
リモコンを無造作にテーブルの上に置くと
点滅するインターホンのランプも確認せず
転がるように玄関へと向かった。
二人で過ごす長い長い1日が始まろうとしている
「ショーちゃんおはよう!」
「あ、ミヤさんおはようございます」
やはりまだ心の中は緊張感が漂っているものの
それでいて平常心を装いながら
俺は玄関の前に立つ笑顔のミヤさんを出迎えた。
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