目が覚めたら、棺の中でした!〜大賢者、生き返って再びこの世界を謳歌する〜

チョココロネ

文字の大きさ
7 / 9

大賢者、イケメンに出会う2

しおりを挟む




「あ~~もうっ!いつまでつきまとうんだこのストーカーめ!!!!」

「お前が正体をあらわすまでだといってるじゃないか!早く正体あらわせよ!!!!クソ!」

あのとんでもないイケメンに森の中でこんにちはしてからはや1週間。
俺はあの日から、何処へ行くにも何もするにもずーっと、もう、ずーーーーーーーーーーっと!!あのイケメンにつきまとわれているのだ!なんて迷惑なやつ!
しかもあのイケメン、どこのワガママ王子なんですかー!?ってくらい俺様なんだよ!
今日だって魔法の使えない俺が一日中、あんまり金にならない薬草集めをしてそれはもう、腰を痛めながらひたすら草を引っこ抜いて頑張って稼いだお金で!あいつは高級串焼きをなんと3本も買いやがったんだよ!クソ!しかも謝りもしないの。なんてこったい。
しかも今も絶賛宿までくっついてきてるからね、イケメンくん。ほら、そこのソファを我が物顔で使ってらっしゃるのがイケメンくんですよ。はぁ。

「おい、そういえばお前飯食わねえのか?」

「はぁァァァァ?」

急に話しかけてきたと思えばそれ!?なんなんだこいつ!!お前が俺の金で高級串焼きを3本も食うから俺の飯代はもうないんだよっっっ!お前のせいだぞ!!!!
あれれ、もしかして俺、金持ちだとか思われてたのか?
あーなんかも~イライラしてきた!ここはビシッと言ってやろ!

「あのさぁ、そろそろ俺につきまとうのやめてくんないかな!?俺の金使って美味しいもん食べようとするのもやめて欲しいし!厠に行く時でさえついてくるよね君!ホントなんなの!?控えめに言ってキモイよ!?変質者だよ!?」

「ああ?俺がキモイだと!?!?この俺に向かって何言ってんだお前!!!てか俺も好きでお前のあとつけてるわけじゃねーかんな!?お前が早くネクロ………いや、とにかくお前の正体を見破るまでだって言ってんだろ!?」

「はぁぁぁぁ~。あーもうわかったから……でも金だけは荒使いするなよっっ!」

「は?お前どうせいくらでも金あんだろ?」

「ねーからこれだけ言ってんだろーがァァァァァ!!!!!!」

「はぁっ!?ねーのかよぉぉぉぉ!?!?」

やっぱ俺勘違いされてたぁぁぁあぁ~
ソファでびっくりして固まっているイケメンを見ながら俺は説明してやる。

「クソ、俺は魔法が使えないんだよっ!だからギルドの依頼も1番レベルの低いEランクしか受けれないし。俺、一日中草引っこ抜くしか仕事ないんだよ……。」

「は……?嘘言ってんじゃねーよ!魔法が使えない?馬鹿言え!お前なぁ!お前がネクロマンサーだってことくらいお見通しなんだぞ!?」

「ね、ネクロマンサー……?」

「チッ、言っちまった。」

イライラしながらのイケメンの舌打ち、めっちゃ怖……。いや、てかネクロマンサーって、あの死体を操るっていうネクロマンサー……?
俺が?何を勘違いしてるんだこの男は!俺がネクロマンサーだなんて、そんなわけあるか!

「まあいい。とりあえずお前、風呂入る時言えよ。ついてくから。」

「あっ、はい……。」

そう言うと、イケメンはまたソファで本を読み出してしまった。
な、なんか自分勝手な男だなぁ……。

その後、風呂にまでついてこられるのが嫌でこそ~っと入りに行こうとしたら即バレして余計にイケメンの機嫌を悪くしてしまったり、風呂の中にまで入ってこようとするイケメンを本気で押しとどめたりなど1悶着あったが、無事に一日を終えた。というか、今から就寝。

ぎゅうぎゅうになりながら1人用のベッドに2人で入り込んで、地味に押し合いをしながら布団の中で考える。

あれ、このイケメン、最初なんか大賢者アルバートを探してるとか言ってなかったか……?その俺と同じ名前のアルバートさん探さくていいのかな……?うーむ気になる。よし、ちょっと聞いてみよう!

「あのさ、そういえば大賢者アルバートを探してる、とか言ってなかった?もう探すのはいいのか?」

「あ?まだすっとぼけるつもりかお前。」

じろりと睨まれる。

「いや、だからほんとに知らないんだって。そのアルバートさん。」

俺、100年間ずっと棺の中だったから絶対知り合いはいないはずなんだよね。だからきっとこのイケメン、俺をどこかの誰かさんと勘違いしてると思うんだよなぁ……。

「はぁ……お前ほんとにこの国……いや、この世界の人間か?あの大賢者アルバートサマだぞ?知らない奴なんてもはやこの世界の人間じゃないだろ。」

はは、と笑いながらチラ、とこちらを見てくる。カチリと目が合った。

何故だかその瞬間、胸がドキリとした。こちらを見つめてくるイケメンは、酷く辛そうに顔を歪めている。

──────あれ、この表情、前もどこかで……



ズキ、と頭が鳴った。


―――


「おい、どうしたんだ、それ……。」

目の前で、男が信じられないものを見たような顔をしてこちらを凝視してくる。……何を見ている?

「何がだ?」

「その、心臓の位置にある酷い傷は……?」

ああ、なんだこれのことか。

「気にしないでくれ。別に今は痛まない。」

そう淡々と告げると、目の前の男は辛そうに顔を歪めた。

…………?
なんで、どうしてお前がそんな顔をするんだ……?たかが人の傷を見ただけでそんなにも心を痛めるなんて……なんて、綺麗で、、


―――




「はあっ、はっ、はっ、!、」

い、今のは…………記憶?昔の記憶か?
俺と会話していた男、俺が死ぬ直前に、手を伸ばしていた男と同一人物だったな……。
しかも今見た記憶の中の男の表情、今目の前にいるイケメンの表情とそっくりだった…………。
顔は全然違うのに、どこか、似て……いや、さすがに気のせいか。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

従者は知らない間に外堀を埋められていた

SEKISUI
BL
新作ゲーム胸にルンルン気分で家に帰る途中事故にあってそのゲームの中転生してしまったOL 転生先は悪役令息の従者でした でも内容は宣伝で流れたプロモーション程度しか知りません だから知らんけど精神で人生歩みます

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

【短編】乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。

桜月夜
BL
 前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。  思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *本編完結しました

魔王を倒した勇者の凱旋に、親友の俺だけが行かなかった理由

スノウマン(ユッキー)
BL
スラム育ちの少年二人は、15歳になり神の祝福でスキルを得た事で道をたがえる。彼らはやがて青年となり、片方は魔王討伐に旅立つ勇者として華々しい活躍をし、もう片方はただ彼の帰還を待つ相変わらずスラム暮らしの存在となる。 これは何も持たない青年がただ勇者の帰りを待つ日常を描いた作品です。 無自覚両片想いの勇者×親友。 読了後、もう一度だけ読み直して頂けると何か見える世界が変わるかもしれません。

悪役令息に転生した俺は推しの為に舞台から退場する

スノウマン(ユッキー)
BL
前世の記憶を思い出したアレクシスは悪役令息に転生したことに気づく。このままでは推しである義弟ノアが世界を救った後も幸せになれない未来を迎えてしまう。それを回避する為に、俺は舞台から退場することを選んだ。全てを燃やし尽くす事で。 そんな俺の行動によってノアが俺に執着することになるとも知らずに。

コンビニごと異世界転生したフリーター、魔法学園で今日もみんなに愛されます

ひと息
BL
コンビニで働く渚は、ある日バイト中に奇妙なめまいに襲われる。 睡眠不足か?そう思い仕事を続けていると、さらに奇妙なことに、品出しを終えたはずの唐揚げ弁当が増えているのである。 驚いた渚は慌ててコンビニの外へ駆け出すと、そこはなんと異世界の魔法学園だった! そしてコンビニごと異世界へ転生してしまった渚は、知らぬ間に魔法学園のコンビニ店員として働くことになってしまい・・・ フリーター男子は今日もイケメンたちに甘やかされ、異世界でもバイト三昧の日々です!

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

処理中です...