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25 大切な家族
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赤い巨人に促されるように俺が村を巨人と共に後にすると村の中は大変な騒ぎになっていた。
「お、おいこれからどうすればいいんだ!?」
「し、知るかそんなこと!」
「あんな色のサイクロプスなんて見たことないぞ…!」
「と、とりあえず首都に騎士様を送ってもらおう!」
「そ、そうだそれがいい! あんな化け物が近くにいたらおちおち生活もしてられないしな!」
ある程度村の方針も決まり、人々が動き始める。
しかしその時。
「リンさんはどうするの…?」
一つのか細い声。しかし、その響きは大きく村人達の鼓膜を揺さぶった。
途端村人達の動きが止まる。そして一人が口を開いた。
「どうするったって…、どうにもなんないだろう…。」
「あんな化け物に連れてかれたらもうお終いだろう…」
付近にいた村人達の口からはいずれも否定的な言葉が溢れるばかりだった。
「どうして…」
幼い声が、
「なんで誰も助けに行かないの!?」
轟いた。
一瞬波を打ったように辺りが静まり返った。その刹那様々な怒号が飛び交った。
「リラ! 無理なこと言うんじゃねぇ!!」
「そうだ! あんな見たこともねぇ上級種の化け物にどうやって勝てって言うんだ!?」
「どうせさっきのリーマンみたく一撃で血の塊になっちまうのがオチだ!!」
「どんなに頑張ったってなぁ、俺たちじゃあ歯がたたねぇんだよ!!」
次々に繰り出される怒鳴り声にリラは小さな体をさらにキュッと小さく縮めた。
それからも次々と吐き出される怒鳴り声に遂にはリラの目に涙が浮かぶ。
しかし、次に放たれた言葉に涙が吹き飛んだ。
「大体助けるって言ったってどうせ余所者の他人だろうが!」
「他人じゃないもんッ!!!」
小柄な身体から放たれた絶叫にも似た声に、村人達は身を竦めた。
「他人じゃ…ないもんッ……! もうッ…リラの、お姉ちゃんの…パパとママの…ヒック…がぞぐだもんッ!!」
ボロボロと大粒の涙が大きな瞳からこぼれ落ちる。
そして次の言葉に村人達は衝撃を受ける。
「みんなが行かなくても…わたし、行くから!!」
そしてリラは村人達が必死に止めようとするものの、一目散に村の外に駆け出して行った。
「リラ~? リラ~何処にいるの~!!」
アーリィは今、突然駆け出して行ったリラを探していた。
地面を揺るがす轟音が止んだ後、急に何かを察したらしいリラが音がした方向へ駆け出して行ってから数分が経っていた。
「もう、本当にあの子ったらどこに行ったのかしら?」
辺りを見回しながら、そう口にした。
「あら?」
と、辺りを探る中道を塞いで何やら真剣な表情と困惑の表情で言い合いをしている村人達の姿が目に入る。
「あ!ねぇみんな、リラを見かけなかった?」
とアーリィは言葉をかけた。
いつもならば本当に何気無い日常的なごく普通の言葉。だが今回ばかりは違った。
村人達はみんな泣きそうな顔になりながら、一斉にアーリィを見た。
「…え? どうしたのみんな…。」
「あ、アーリィ実は…」
村人達に事情を聞き始めたアーリィの顔がどんどん曇っていく。
そして——
「それでな、リラはリン君を追いかけて—あ、アーリィ!?」
最後まで聞き終わらないうちにアーリィはリラの後を追うべく駆け出した。
「お、おいこれからどうすればいいんだ!?」
「し、知るかそんなこと!」
「あんな色のサイクロプスなんて見たことないぞ…!」
「と、とりあえず首都に騎士様を送ってもらおう!」
「そ、そうだそれがいい! あんな化け物が近くにいたらおちおち生活もしてられないしな!」
ある程度村の方針も決まり、人々が動き始める。
しかしその時。
「リンさんはどうするの…?」
一つのか細い声。しかし、その響きは大きく村人達の鼓膜を揺さぶった。
途端村人達の動きが止まる。そして一人が口を開いた。
「どうするったって…、どうにもなんないだろう…。」
「あんな化け物に連れてかれたらもうお終いだろう…」
付近にいた村人達の口からはいずれも否定的な言葉が溢れるばかりだった。
「どうして…」
幼い声が、
「なんで誰も助けに行かないの!?」
轟いた。
一瞬波を打ったように辺りが静まり返った。その刹那様々な怒号が飛び交った。
「リラ! 無理なこと言うんじゃねぇ!!」
「そうだ! あんな見たこともねぇ上級種の化け物にどうやって勝てって言うんだ!?」
「どうせさっきのリーマンみたく一撃で血の塊になっちまうのがオチだ!!」
「どんなに頑張ったってなぁ、俺たちじゃあ歯がたたねぇんだよ!!」
次々に繰り出される怒鳴り声にリラは小さな体をさらにキュッと小さく縮めた。
それからも次々と吐き出される怒鳴り声に遂にはリラの目に涙が浮かぶ。
しかし、次に放たれた言葉に涙が吹き飛んだ。
「大体助けるって言ったってどうせ余所者の他人だろうが!」
「他人じゃないもんッ!!!」
小柄な身体から放たれた絶叫にも似た声に、村人達は身を竦めた。
「他人じゃ…ないもんッ……! もうッ…リラの、お姉ちゃんの…パパとママの…ヒック…がぞぐだもんッ!!」
ボロボロと大粒の涙が大きな瞳からこぼれ落ちる。
そして次の言葉に村人達は衝撃を受ける。
「みんなが行かなくても…わたし、行くから!!」
そしてリラは村人達が必死に止めようとするものの、一目散に村の外に駆け出して行った。
「リラ~? リラ~何処にいるの~!!」
アーリィは今、突然駆け出して行ったリラを探していた。
地面を揺るがす轟音が止んだ後、急に何かを察したらしいリラが音がした方向へ駆け出して行ってから数分が経っていた。
「もう、本当にあの子ったらどこに行ったのかしら?」
辺りを見回しながら、そう口にした。
「あら?」
と、辺りを探る中道を塞いで何やら真剣な表情と困惑の表情で言い合いをしている村人達の姿が目に入る。
「あ!ねぇみんな、リラを見かけなかった?」
とアーリィは言葉をかけた。
いつもならば本当に何気無い日常的なごく普通の言葉。だが今回ばかりは違った。
村人達はみんな泣きそうな顔になりながら、一斉にアーリィを見た。
「…え? どうしたのみんな…。」
「あ、アーリィ実は…」
村人達に事情を聞き始めたアーリィの顔がどんどん曇っていく。
そして——
「それでな、リラはリン君を追いかけて—あ、アーリィ!?」
最後まで聞き終わらないうちにアーリィはリラの後を追うべく駆け出した。
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