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Ⅱ 最低な番相手
③※
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その日は朝から熱っぽかった。目の前が揺らめいて、身体の火照りも自覚していた。
しかし、ジリスに興味のない侍女たちに体調を言う気にならず、いつものように独りで窓の外を見て過ごしていた。
午後を過ぎて、それが来た。
急に身体の中が熱くなり、心臓がバクバクと踊り出した。狂おしいほどの熱が腰に集まった。悲鳴を上げないとやり過ごせない身体の変化だった。
すぐに人が部屋に駆けこんで、室内がざわついた。ジリスから果実のような甘い匂いが漏れていた。
(これは、発情期だ!)
そう気が付くのが遅すぎた。
(ネモスと番など、なりたくない! 逃げなくては!)
そう思うのに身体が自由に動かなかった。荒い呼吸と揺れる視界に苦しみながら、何とか人がいない方に行こうと床を這った、が。
「黒オメガ! やっと発情したか!」
ドカドカと入室してきたのはネモスだった。
「や、いや、だぁ。くる、な!」
ジリスは必死で抵抗したが、力の入らない身体を簡単に持ち上げられて、寝室に放り込まれた。
ベッドに投げ出されて唸り声を上げるジリスをネモスが組み敷いた。
「へぇ。良い匂いじゃないか。これがオメガのフェロモンか」
ジリスの歪む視界にネモスの薄ら笑いが入る。
「嫌だ! やめろ!」
ジリスの気持ちは必死に抵抗するが、身体はアルファのフェロモンに反応した。
「あはは! 何が嫌なんだよ! 勃起して、いやらしく腰までヘコらせて! 男が欲しくて媚売ってやがるくせに!」
発情期の変化を揶揄される屈辱で涙が溢れた。
「王になるためだ。おら!」
着衣を破りながら剥ぎ取られる。乱暴にジリスの足を大きく広げられる。
絶望的な態勢に「やめろ!」と叫んだが、後ろにネモスの指が突き入れられた。
「はぁぁ!」
急な刺激にジリスの喉から悲鳴が上がった。
「くそ、早く拡がれ!」
容赦なく指を突き立てられ、グポグポとジリスの内腔が音をたてる。ジリスは涙が止まらなかった。
そして、ズンと大きな楔が埋め込まれた。
「ああああ!」
拒絶する心と、欲しいものが得られた快感がジリスの身体を駆け抜けた。
お腹が苦しくて目の前がチカチカした。
容赦なくネモスは動き出し、ジリスは悲鳴を上げ続けた。そして――。
「うわぁぁあああ!」
ジリスの首後ろに強烈な痛みが走った。うなじから全身に電流が駆け抜ける。
身体がビクリビクリと跳ねた。そして、ジリスはドサリとベッドに倒れた。
「はぁ、これで、番だ。ははは! これで次期王は、オレだ! やったぞ!」
室内に響くネモスの高笑いを聞きながら、ジリスは絶望の涙を流して目を閉じた。
発情期は五日間続いた。しかし、ネモスがジリスの相手をしたのは初日の一回だけだった。
ジリスは番のネモスを求めて泣き叫んだが、発情期が終わるまで寝室に閉じ込められた。
気が狂うような発情期に恐怖さえ抱いた。
(もう、いっそ殺して!)
そんな風に思うほどの苦しみだった。
やっと発情期が過ぎた時、ガチャリと入室したのはネモスとミーナだった。
「まぁ、これがオメガの発情期なのですね。まるで獣、ですわね」
クスクスと嫌な笑いをこぼすミーナの声を聞いても、ジリスは何の反応も出来なかった。
「あぁ、動物だな。情けない姿だ。ははは。だが、番にはなった。これで、黒オメガが死のうがどうなろうが、オレが王になるのは決定事項だ!」
「ええ。ネモス殿下。おめでとうございます」
ジリスは怒りのままにネモスとミーナを睨んだ。
「黒オメガよ。一度でも男のお前を抱いてやったんだ。感謝しろよ」
ネモスは鼻で笑って立ち去った。少しの沈黙の後、ジリスの怒りの絶叫が室内に反響した。
しかし、ジリスに興味のない侍女たちに体調を言う気にならず、いつものように独りで窓の外を見て過ごしていた。
午後を過ぎて、それが来た。
急に身体の中が熱くなり、心臓がバクバクと踊り出した。狂おしいほどの熱が腰に集まった。悲鳴を上げないとやり過ごせない身体の変化だった。
すぐに人が部屋に駆けこんで、室内がざわついた。ジリスから果実のような甘い匂いが漏れていた。
(これは、発情期だ!)
そう気が付くのが遅すぎた。
(ネモスと番など、なりたくない! 逃げなくては!)
そう思うのに身体が自由に動かなかった。荒い呼吸と揺れる視界に苦しみながら、何とか人がいない方に行こうと床を這った、が。
「黒オメガ! やっと発情したか!」
ドカドカと入室してきたのはネモスだった。
「や、いや、だぁ。くる、な!」
ジリスは必死で抵抗したが、力の入らない身体を簡単に持ち上げられて、寝室に放り込まれた。
ベッドに投げ出されて唸り声を上げるジリスをネモスが組み敷いた。
「へぇ。良い匂いじゃないか。これがオメガのフェロモンか」
ジリスの歪む視界にネモスの薄ら笑いが入る。
「嫌だ! やめろ!」
ジリスの気持ちは必死に抵抗するが、身体はアルファのフェロモンに反応した。
「あはは! 何が嫌なんだよ! 勃起して、いやらしく腰までヘコらせて! 男が欲しくて媚売ってやがるくせに!」
発情期の変化を揶揄される屈辱で涙が溢れた。
「王になるためだ。おら!」
着衣を破りながら剥ぎ取られる。乱暴にジリスの足を大きく広げられる。
絶望的な態勢に「やめろ!」と叫んだが、後ろにネモスの指が突き入れられた。
「はぁぁ!」
急な刺激にジリスの喉から悲鳴が上がった。
「くそ、早く拡がれ!」
容赦なく指を突き立てられ、グポグポとジリスの内腔が音をたてる。ジリスは涙が止まらなかった。
そして、ズンと大きな楔が埋め込まれた。
「ああああ!」
拒絶する心と、欲しいものが得られた快感がジリスの身体を駆け抜けた。
お腹が苦しくて目の前がチカチカした。
容赦なくネモスは動き出し、ジリスは悲鳴を上げ続けた。そして――。
「うわぁぁあああ!」
ジリスの首後ろに強烈な痛みが走った。うなじから全身に電流が駆け抜ける。
身体がビクリビクリと跳ねた。そして、ジリスはドサリとベッドに倒れた。
「はぁ、これで、番だ。ははは! これで次期王は、オレだ! やったぞ!」
室内に響くネモスの高笑いを聞きながら、ジリスは絶望の涙を流して目を閉じた。
発情期は五日間続いた。しかし、ネモスがジリスの相手をしたのは初日の一回だけだった。
ジリスは番のネモスを求めて泣き叫んだが、発情期が終わるまで寝室に閉じ込められた。
気が狂うような発情期に恐怖さえ抱いた。
(もう、いっそ殺して!)
そんな風に思うほどの苦しみだった。
やっと発情期が過ぎた時、ガチャリと入室したのはネモスとミーナだった。
「まぁ、これがオメガの発情期なのですね。まるで獣、ですわね」
クスクスと嫌な笑いをこぼすミーナの声を聞いても、ジリスは何の反応も出来なかった。
「あぁ、動物だな。情けない姿だ。ははは。だが、番にはなった。これで、黒オメガが死のうがどうなろうが、オレが王になるのは決定事項だ!」
「ええ。ネモス殿下。おめでとうございます」
ジリスは怒りのままにネモスとミーナを睨んだ。
「黒オメガよ。一度でも男のお前を抱いてやったんだ。感謝しろよ」
ネモスは鼻で笑って立ち去った。少しの沈黙の後、ジリスの怒りの絶叫が室内に反響した。
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