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Ⅳ 王都での生活(前編)
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王都についた。その広さと迫力の街並みに、ウルイはただ茫然とした。こんな世界が広がっているとは思いもしなかった。
大きな建物に多くの浮遊移動車、人の多さ、全てが煌びやかで圧倒された。
「ウルイ、大丈夫? すぐに王都に慣れろとは言わないから、大丈夫だよ」
無言になっていたウルイに優しい声が届く。ウルイはコクリと頷きながら、やはりオアシスに戻りたいと思った。
王城という大きすぎるお城から伸びる通り沿いに、ライの邸宅があった。
この正面通りに邸宅を構える貴族は、歴史ある上級貴族らしい。
比較的新しく貴族入りした人たちの邸宅は王都内に点在しているとライが説明してくれた。
「ただいま」
浮遊移動車からライが降車すると、ずらりと使用人が並んでいた。
「ライ様、お帰りなさいませ。アルファとして伯爵公となられましたこと、使用人一同心よりお喜び申し上げます」
「ライ様、おめでとうございます」
整列していた使用人たちが挨拶をして頭を深く下げる。
ウルイは驚いてしまい、ライに続いて降車できずに車内に隠れた。
住む世界が違い過ぎる。こんなの、ウルイに対応できるわけがない。車内でガタガタ震えているとライが戻って来た。
「ウルイ、大丈夫? 気分でも悪い?」
「いや、ちょっと、これは無理。こんなの聞いていないよ。僕にはどうしていいか分からないって」
「大丈夫だよ。使用人に驚いたのかな? わかった。ちょっと待っていてね」
ライが外に行き何かを話した。周囲でザワザワと動きがあり、少しして静まり返った。
「おーーい、ウルイ。出てきていいよ」
車内にライの声がかけられる。
恐る恐るウルイが外を見ると、先ほどまで整列していた使用人たちがいない。ライ以外は誰も居なくなっている。
一息ついてウルイはライの手を取って外に出た。
「いや、あれじゃゆっくり邸の案内も出来ないだろう? だから、皆に持ち場に下がってもらったよ」
ライの言葉にウルイは胸を撫でおろした。
「そっか。せっかくのライの出迎えだったのに、ごめん」
「いいよ。使用人の出迎えより、初めて我が家に入ってもらうウルイを優先したいからね。ここがウルイの家にもなる。安心できる家であると嬉しい」
にっこり笑いかけてくれるライを見つめて、ササラたちの冷たい態度を思い出し、ウルイはため息をついた。
使用人たちは、きっとウルイを快く思っていない。
ライの伯爵邸は大きかった。王城と比べたら小さいけれど、オアシスの商人邸宅などとは比較にならない豪華な貴族邸宅だ。
高級宿泊施設かと思えるほどの広い敷地内に主邸宅、別邸、サロン、使用人宿舎、馬屋、家畜小屋が建っていて、中庭に本庭園がある。
「ここが正面玄関。家の主になる伯爵家の者は正面玄関から出入りする。ウルイはこの家の主側だからね。裏門、通用口は使うことが無いから、覚えておいてね」
説明をしながらライが敷地内を一緒に歩いてくれた。ライの優しさは出会った頃から変わらない。
きっと誰に対しても優しくて、誰からも好かれる人望の厚い人物だ。そんな完璧な貴族アルファであるライの番相手がウルイであることに心が沈む。
せめてウルイが普通の市民だったらなぁ、と心で呟く。ため息が漏れそうになり、慌ててウルイは気を取り直した。
王都での生活は恐怖でしかないけれど、ライの優しさに応じるためにも、精一杯頑張ろうと思った。
大きな建物に多くの浮遊移動車、人の多さ、全てが煌びやかで圧倒された。
「ウルイ、大丈夫? すぐに王都に慣れろとは言わないから、大丈夫だよ」
無言になっていたウルイに優しい声が届く。ウルイはコクリと頷きながら、やはりオアシスに戻りたいと思った。
王城という大きすぎるお城から伸びる通り沿いに、ライの邸宅があった。
この正面通りに邸宅を構える貴族は、歴史ある上級貴族らしい。
比較的新しく貴族入りした人たちの邸宅は王都内に点在しているとライが説明してくれた。
「ただいま」
浮遊移動車からライが降車すると、ずらりと使用人が並んでいた。
「ライ様、お帰りなさいませ。アルファとして伯爵公となられましたこと、使用人一同心よりお喜び申し上げます」
「ライ様、おめでとうございます」
整列していた使用人たちが挨拶をして頭を深く下げる。
ウルイは驚いてしまい、ライに続いて降車できずに車内に隠れた。
住む世界が違い過ぎる。こんなの、ウルイに対応できるわけがない。車内でガタガタ震えているとライが戻って来た。
「ウルイ、大丈夫? 気分でも悪い?」
「いや、ちょっと、これは無理。こんなの聞いていないよ。僕にはどうしていいか分からないって」
「大丈夫だよ。使用人に驚いたのかな? わかった。ちょっと待っていてね」
ライが外に行き何かを話した。周囲でザワザワと動きがあり、少しして静まり返った。
「おーーい、ウルイ。出てきていいよ」
車内にライの声がかけられる。
恐る恐るウルイが外を見ると、先ほどまで整列していた使用人たちがいない。ライ以外は誰も居なくなっている。
一息ついてウルイはライの手を取って外に出た。
「いや、あれじゃゆっくり邸の案内も出来ないだろう? だから、皆に持ち場に下がってもらったよ」
ライの言葉にウルイは胸を撫でおろした。
「そっか。せっかくのライの出迎えだったのに、ごめん」
「いいよ。使用人の出迎えより、初めて我が家に入ってもらうウルイを優先したいからね。ここがウルイの家にもなる。安心できる家であると嬉しい」
にっこり笑いかけてくれるライを見つめて、ササラたちの冷たい態度を思い出し、ウルイはため息をついた。
使用人たちは、きっとウルイを快く思っていない。
ライの伯爵邸は大きかった。王城と比べたら小さいけれど、オアシスの商人邸宅などとは比較にならない豪華な貴族邸宅だ。
高級宿泊施設かと思えるほどの広い敷地内に主邸宅、別邸、サロン、使用人宿舎、馬屋、家畜小屋が建っていて、中庭に本庭園がある。
「ここが正面玄関。家の主になる伯爵家の者は正面玄関から出入りする。ウルイはこの家の主側だからね。裏門、通用口は使うことが無いから、覚えておいてね」
説明をしながらライが敷地内を一緒に歩いてくれた。ライの優しさは出会った頃から変わらない。
きっと誰に対しても優しくて、誰からも好かれる人望の厚い人物だ。そんな完璧な貴族アルファであるライの番相手がウルイであることに心が沈む。
せめてウルイが普通の市民だったらなぁ、と心で呟く。ため息が漏れそうになり、慌ててウルイは気を取り直した。
王都での生活は恐怖でしかないけれど、ライの優しさに応じるためにも、精一杯頑張ろうと思った。
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