発情期アルファ貴族にオメガの導きをどうぞ

小池 月

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Ⅴ 王都での生活(後編)

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 結局そのままネックレスを首に着けてもらった。金属の留め具がどうなっているのか分からず、ウルイには外せなかった。

 ほかに買いたいものがあれば何でも買って良いよ、と言われたけれど、首につけた黒真珠に勝るものは無いと思えた。

 ライが店の人と話をする間、ウルイはずっと鏡に映った黒真珠を見ていた。

 親指の爪ほどの丸い真珠上部に真っ白に光り輝くダイヤモンドが装飾されている。ダイヤモンドの飾りの上にチェーンが通っている。

 首下に輝く真珠を指で揺らすと鏡の中で黒が煌く。楽しくて何度も揺らしてみた。

「気に入った?」
 声にハッとしてライを見ると、微笑みながらウルイを見ていた。すでにアウレンとの話は終わっていた。

「ご、ごめんなさい。つい、綺麗で……」
 慌てて鏡にのめり込んでいた姿勢を正す。

「あはは。いいよ。気に入ってくれたら贈りがいがある。ウルイ、番になってくれてありがとう」

 ライがそっとうなじに触れてくる。ライの指は少し低めの体温なのに、ウルイのうなじがジンと熱くなる。

「これ、もらっていいってこと?」
 うなじの熱に下を向きながらライにたずねた。

「もちろん。そして、これは今後外さないで欲しい。ウルイが俺のだって証だ。お風呂も就寝中も、いつも着けていて」

 うなじに触れていた手が離れ、ライの顔が近づくのを感じた。

「んぅっ」
 うなじから走る熱としびれに我慢できずウルイの声が漏れた。

 うなじにライが口づけている。ライの口でネックレスのチェーンがチャリっと音を立てた。

 舌でチェーンを転がすようにされて、ウルイに新たな快感が走る。

 たまらずに目を閉じて、全身がブルリと震える感覚に耐えた。

「ウルイ、愛らしい。発情期が待ち遠しくなる」
 ウルイは低い声が脳に染みわたる快感を、何とかやり過ごした。

 気持ちを落ち着けるために深呼吸をして、目を開ける。これ以上のイタズラをされないように、うなじを手で覆ってライを睨んだ。

「この、変態ライ! 外で何やってんだよ! ここは田舎のオアシスじゃないだろう!」

 恥ずかしさで顔が熱い。

「ごめん、ごめん」
 楽しそうに謝るライの背中を「変態だ!」とポカポカ叩いた。いつの間にか二人で笑っていた。

 最終的に「やめて~、降参」とライがウルイを抱きしめるまで、ふざけ合った。

 もう代金を支払ってあるから大丈夫、とそのまま店を出た。店の店員が揃って深く頭を下げて見送りしてくれた。

 来た時の恐怖感はすっかり消えていた。ライと二人だけなら楽しくて仕方がない。

 伯爵とかアルファとか、そんなモノが鬱陶しいとウルイは思った。

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