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Ⅶ ガリイ国の奴隷<Sideライ>
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周囲に注意しながら浮遊移動車を走らせると、急に犬ハイエナが増え始めた。
(まさか! まさか! ウルイ!)
砂漠の犬ハイエナは集団で生き物を襲う。獰猛な砂漠のギャングだ。犬より大きくハイエナより小さいが、獲物に決めたら大型肉食動物でも襲ってしまう怖い動物だ。
ライは軍人として常に装備している小型銃と中刀を手に浮遊移動車を降りた。車外に出て分かった。アルファの勘だろうか。絶対に近くにウルイがいる。
少し距離のある位置にいる犬ハイエナがこちらを見たのが分かったが、ライを標的にしていない。チラチラ見るだけで警戒しながら一方向に向かって行く。
ピンときた。あの先だ。
普段は出さないアルファの威圧を全力で出した。相手は人ではない。野生動物だ。これくらいしていないとライが襲われてしまうだろう。
周囲で距離をとっていた犬ハイエナが驚いたように逃げていく。ライは燃えそうな熱さを感じながら全力で駆けた。ウルイの匂いだけを目指した。
「ウルイ!!」
犬ハイエナが集まっている場所に着くと、岩場に追いつめられたウルイがいた。
「ウルイ――!」
呼び声にウルイがこちらを見た。
腕が後ろに縛られている。泣きそうな顔になり、ウルイがその場に崩れ落ちそうになる。
「だめだ! 今倒れたら襲われる! 直ぐに行くから意識を保て!」
数メートル先のウルイに声をかけるが、上体が折れ曲がっていく。
周囲の犬ハイエナが飛びかかろうと構えたのを見て、慌ててライは銃を空に打った。
パンっと音がして独特の焦げた匂い。続けてもう一発をウルイに当たらないように砂地に向けて撃った。
「ギャウ!」
「ギャウゥ!」
当たってはいないが驚いた犬ハイエナたちが意識をライに向けてバラバラと散る。その隙間を走り一瞬でウルイの傍に行った。崩れ落ちる直前にウルイを抱き留めることが出来た。
ふと見れば、ウルイの足は噛み傷と擦り傷だらけだ。ライを見て安堵したのかウルイは完全に意識を失った。
「ウルイ」
一度だけ抱きしめて、ライは三メートルほど先の正面で唸る犬ハイエナに向き合った。
銃弾は残り十発だ。どう見ても二十匹以上はいる。一瞬散った犬ハイエナたちがすぐに体勢を整えてライたちを囲んでくる。
銃を全弾当てても十頭以上は残る。ウルイを抱えて中刀で戦うことは出来ない。
ウルイの足の傷はさほど深くない。きっと犬ハイエナが相手の力量を探るためにやる試し噛みだ。
それでも白い綺麗な足を傷つけられた怒りが込み上げる。
ふぅ~~と深く息を吐き、ライは覚悟を決めた。犬ハイエナを睨みながらウルイを地面に横たえる。
「うぅ」と声が聞こえた。心で(乱暴にしてごめん)と謝る。
こんなことしたくないけれど、足で動かしてウルイを後ろに隠した。
後ろが岩場で助かった。この場なら戦いながらウルイを守ることが出来る。
「来い! 全部、俺が倒す!」
銃を構えて手前の数匹を素早く撃った。悲鳴を上げて数匹が倒れた。全て当たったことに安堵した。
残りが一気に怖気づくが、一度距離をとったかのように見せて、怒りを滲ませた数匹が飛びかかって来た。
手前の四匹を銃で撃ち、直ぐに中刀に持ち変える。低い姿勢をとり向かってくる獣を片っ端から斬り捨てた。一瞬でも気を抜かないよう神経を張り巡らせ、時には犬ハイエナを蹴り飛ばした。
もともと身体は大きくない犬ハイエナだ。一匹ずつは強くない。始めはライが優勢に戦えたが、数に圧されて徐々に息が上がった。
無傷とはいかずに腕や足を噛まれて傷が出来た。アルファの威圧も長時間は無理だ。だが、負けるわけにはいかない。ライは雄叫びを上げてウルイを守るために闘った。
犬ハイエナの七割ほどを倒すと、残りは遠巻きにこちらを見るだけになった。一定の距離をとりウロウロする。
きっと疲れて倒れるところを狙うつもりだ。持久戦に持ち込まれたら負けるだろう。
ライは中刀から銃に持ち変えた。距離を置いて徘徊する一匹を狙った。遠くに居ても危ないのだと分からせ、退避してくれるのを願った。
(まさか! まさか! ウルイ!)
砂漠の犬ハイエナは集団で生き物を襲う。獰猛な砂漠のギャングだ。犬より大きくハイエナより小さいが、獲物に決めたら大型肉食動物でも襲ってしまう怖い動物だ。
ライは軍人として常に装備している小型銃と中刀を手に浮遊移動車を降りた。車外に出て分かった。アルファの勘だろうか。絶対に近くにウルイがいる。
少し距離のある位置にいる犬ハイエナがこちらを見たのが分かったが、ライを標的にしていない。チラチラ見るだけで警戒しながら一方向に向かって行く。
ピンときた。あの先だ。
普段は出さないアルファの威圧を全力で出した。相手は人ではない。野生動物だ。これくらいしていないとライが襲われてしまうだろう。
周囲で距離をとっていた犬ハイエナが驚いたように逃げていく。ライは燃えそうな熱さを感じながら全力で駆けた。ウルイの匂いだけを目指した。
「ウルイ!!」
犬ハイエナが集まっている場所に着くと、岩場に追いつめられたウルイがいた。
「ウルイ――!」
呼び声にウルイがこちらを見た。
腕が後ろに縛られている。泣きそうな顔になり、ウルイがその場に崩れ落ちそうになる。
「だめだ! 今倒れたら襲われる! 直ぐに行くから意識を保て!」
数メートル先のウルイに声をかけるが、上体が折れ曲がっていく。
周囲の犬ハイエナが飛びかかろうと構えたのを見て、慌ててライは銃を空に打った。
パンっと音がして独特の焦げた匂い。続けてもう一発をウルイに当たらないように砂地に向けて撃った。
「ギャウ!」
「ギャウゥ!」
当たってはいないが驚いた犬ハイエナたちが意識をライに向けてバラバラと散る。その隙間を走り一瞬でウルイの傍に行った。崩れ落ちる直前にウルイを抱き留めることが出来た。
ふと見れば、ウルイの足は噛み傷と擦り傷だらけだ。ライを見て安堵したのかウルイは完全に意識を失った。
「ウルイ」
一度だけ抱きしめて、ライは三メートルほど先の正面で唸る犬ハイエナに向き合った。
銃弾は残り十発だ。どう見ても二十匹以上はいる。一瞬散った犬ハイエナたちがすぐに体勢を整えてライたちを囲んでくる。
銃を全弾当てても十頭以上は残る。ウルイを抱えて中刀で戦うことは出来ない。
ウルイの足の傷はさほど深くない。きっと犬ハイエナが相手の力量を探るためにやる試し噛みだ。
それでも白い綺麗な足を傷つけられた怒りが込み上げる。
ふぅ~~と深く息を吐き、ライは覚悟を決めた。犬ハイエナを睨みながらウルイを地面に横たえる。
「うぅ」と声が聞こえた。心で(乱暴にしてごめん)と謝る。
こんなことしたくないけれど、足で動かしてウルイを後ろに隠した。
後ろが岩場で助かった。この場なら戦いながらウルイを守ることが出来る。
「来い! 全部、俺が倒す!」
銃を構えて手前の数匹を素早く撃った。悲鳴を上げて数匹が倒れた。全て当たったことに安堵した。
残りが一気に怖気づくが、一度距離をとったかのように見せて、怒りを滲ませた数匹が飛びかかって来た。
手前の四匹を銃で撃ち、直ぐに中刀に持ち変える。低い姿勢をとり向かってくる獣を片っ端から斬り捨てた。一瞬でも気を抜かないよう神経を張り巡らせ、時には犬ハイエナを蹴り飛ばした。
もともと身体は大きくない犬ハイエナだ。一匹ずつは強くない。始めはライが優勢に戦えたが、数に圧されて徐々に息が上がった。
無傷とはいかずに腕や足を噛まれて傷が出来た。アルファの威圧も長時間は無理だ。だが、負けるわけにはいかない。ライは雄叫びを上げてウルイを守るために闘った。
犬ハイエナの七割ほどを倒すと、残りは遠巻きにこちらを見るだけになった。一定の距離をとりウロウロする。
きっと疲れて倒れるところを狙うつもりだ。持久戦に持ち込まれたら負けるだろう。
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