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Ⅷ 変わるべきは……<Sideライ>
①
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ライは目覚めると温かいベッドの中だった。久しぶりの幸せな眠りに大きく呼吸する。
頭が覚醒してくると、これは夢では無いかと急激に不安が襲ってくる。ガリイ国に居たのが夢なのか、今が夢なのか分からなくなる。
「ウルイ?」
部屋を見渡してウルイがいないことに心臓が嫌な音を立てる。
「ウルイ!」
声を荒げてライが起き上がると、直ぐに見知った顔が入室した。
「ライ参謀、ご無事で何よりです。ウルイ様は別室で治療中です」
ライの直属の部下である国防軍中佐のサードが頭を低くして入室する。顔を伏せているが、声の揺れで彼が泣いているのがわかった。肩が細かく震えている。
心配を掛けてしまい申し訳なくなった。そして彼の温かさに胸が少し熱くなった。
「迷惑を掛けてすまない。皆は変わりないか?」
「はい。国防軍のライ様直属部隊は全員このオアシスに来ております。全員、毎日あなた様を探しておりました。オアシスの者も数名手を貸してくれました」
「そうか。ありがとう。本当に助かった。ここの副長にも礼を言わないと、だな。急かすようで悪いが、ウルイはどうした?」
「はい。ウルイ様は全身管理が必要なため隣室にいます。ここは病院です。足からの炎症が全身に回っています。王都から軍医を二名連れてきております。その軍医たちが治療して三日になります」
サードの言葉に驚きが隠せなかった。
「三日!? そんなに経ったのか」
「はい。ライ様は過度の疲労で眠っていらっしゃいました。睡眠中に栄養剤を点滴しております。我々は意識が戻るのを心よりお待ちしていました。ライ様、もう、無茶はしないでください。おひとりの行動はしばらく禁止です」
真面目なサードらしい言葉に会釈で返事をして、手足を動かした。身体に異常はなさそうだ。
「ウルイのところに案内を頼む」
「はい、すぐに」
ライが居た病院個室を出て隣の個室に向かった。ドアを開けてすぐにウルイの匂いが肺に入る。身体中にウルイの匂いを吸いこむ。
「ウルイ様はまだ目覚めておりません。お静かにお願いします」
ウルイを呼びそうになりサードから釘を刺される。「わかった」と言いながら室内に入った。
ウルイはベッドに横たえていた。顔色は思ったより良い。部屋の中に治療用機器があり、ウルイの状態がモニタリングされていた。
「ウルイ」
嬉しくてウルイの頬を撫でる。ウルイの温かさに触れて、自然と涙が頬を伝った。一度流れるととめどなく涙が溢れた。
(俺たちは生きて戻れた! ウルイを守れた!)
嗚咽を溢しながらライは泣いた。
サードは何も言わず、ただ静かに待ってくれた。
「ライ様、お声をかけても大丈夫でしょうか?」
「あぁ、大丈夫だ」
涙は止まったが、ウルイを撫でる手が止められなかった。
「ウルイ様のご容態ですが、炎症を抑える治療を継続中です。高熱もありましたので安静のために鎮静剤を投与しております。あと数日は寝たままで治療を継続の予定です」
「わかった。命に関わらないか?」
「はい。峠は越えております」
「では、俺もこの部屋に付き添う」
「目覚めたらそう言われると思っていました」
サードの察しが良くて頬が緩む。
それから二日間ウルイに寄り添った。
愛らしいウルイの匂いを嗅いだり、撫でまわしたり、うなじを舐めたり、思う存分ウルイを堪能した。
ウルイが覚醒していたら、「やめろよ、変態」と言われそうだと思った。そんなウルイを想像すると心がくすぐったくなった。
頭が覚醒してくると、これは夢では無いかと急激に不安が襲ってくる。ガリイ国に居たのが夢なのか、今が夢なのか分からなくなる。
「ウルイ?」
部屋を見渡してウルイがいないことに心臓が嫌な音を立てる。
「ウルイ!」
声を荒げてライが起き上がると、直ぐに見知った顔が入室した。
「ライ参謀、ご無事で何よりです。ウルイ様は別室で治療中です」
ライの直属の部下である国防軍中佐のサードが頭を低くして入室する。顔を伏せているが、声の揺れで彼が泣いているのがわかった。肩が細かく震えている。
心配を掛けてしまい申し訳なくなった。そして彼の温かさに胸が少し熱くなった。
「迷惑を掛けてすまない。皆は変わりないか?」
「はい。国防軍のライ様直属部隊は全員このオアシスに来ております。全員、毎日あなた様を探しておりました。オアシスの者も数名手を貸してくれました」
「そうか。ありがとう。本当に助かった。ここの副長にも礼を言わないと、だな。急かすようで悪いが、ウルイはどうした?」
「はい。ウルイ様は全身管理が必要なため隣室にいます。ここは病院です。足からの炎症が全身に回っています。王都から軍医を二名連れてきております。その軍医たちが治療して三日になります」
サードの言葉に驚きが隠せなかった。
「三日!? そんなに経ったのか」
「はい。ライ様は過度の疲労で眠っていらっしゃいました。睡眠中に栄養剤を点滴しております。我々は意識が戻るのを心よりお待ちしていました。ライ様、もう、無茶はしないでください。おひとりの行動はしばらく禁止です」
真面目なサードらしい言葉に会釈で返事をして、手足を動かした。身体に異常はなさそうだ。
「ウルイのところに案内を頼む」
「はい、すぐに」
ライが居た病院個室を出て隣の個室に向かった。ドアを開けてすぐにウルイの匂いが肺に入る。身体中にウルイの匂いを吸いこむ。
「ウルイ様はまだ目覚めておりません。お静かにお願いします」
ウルイを呼びそうになりサードから釘を刺される。「わかった」と言いながら室内に入った。
ウルイはベッドに横たえていた。顔色は思ったより良い。部屋の中に治療用機器があり、ウルイの状態がモニタリングされていた。
「ウルイ」
嬉しくてウルイの頬を撫でる。ウルイの温かさに触れて、自然と涙が頬を伝った。一度流れるととめどなく涙が溢れた。
(俺たちは生きて戻れた! ウルイを守れた!)
嗚咽を溢しながらライは泣いた。
サードは何も言わず、ただ静かに待ってくれた。
「ライ様、お声をかけても大丈夫でしょうか?」
「あぁ、大丈夫だ」
涙は止まったが、ウルイを撫でる手が止められなかった。
「ウルイ様のご容態ですが、炎症を抑える治療を継続中です。高熱もありましたので安静のために鎮静剤を投与しております。あと数日は寝たままで治療を継続の予定です」
「わかった。命に関わらないか?」
「はい。峠は越えております」
「では、俺もこの部屋に付き添う」
「目覚めたらそう言われると思っていました」
サードの察しが良くて頬が緩む。
それから二日間ウルイに寄り添った。
愛らしいウルイの匂いを嗅いだり、撫でまわしたり、うなじを舐めたり、思う存分ウルイを堪能した。
ウルイが覚醒していたら、「やめろよ、変態」と言われそうだと思った。そんなウルイを想像すると心がくすぐったくなった。
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