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エピローグ
エピローグ
しおりを挟む来月始め、ガリイ国の王太子殿下と内政大臣がアドレア国を友好訪問する。
この訪問は国交開始の二国間協議を目的としている。
ライはその友好訪問に同行する予定だ。
「ライ! 早く行こう」
一年前の低体温症状からすっかり元気になったウルイがライの腕を引く。
今日は友好訪問前のオアシス視察地の事前調査に来ている。
「予約してあるから大丈夫だって」
「そうだけど、水色キッチンが新店舗を開いたんだ。早く見たいから」
ライが「そうだな」と言うよりも早く横から声がかかる。
「そうですね。あの店は味が良いですし、私も楽しみです」
サードがウルイに優しい顔を向ける。途端に気持ちがモヤモヤする。
「サード、少し下がっていろ」
「いえ、ライ参謀の見守り役としてすぐ近くにいなくてはいけません」
「サード、言うようになったよな」
ライが半目でサードを睨んだ。すぐにサードは視線をウルイに向けた。
「そうでしょうか。ウルイ様は良く笑うようになりましたね」
サードの言葉にウルイがニコリと笑う。
「はい。生きるって幸せだなって思うので」
そう言いながら、ウルイがライの手を握り締める。その手の温かさが嬉しくてライの頬が緩む。
生きることが苦しいと言っていたウルイが幸せだと言っている。嬉しくて、ウルイの手を優しく握り返した。
――この幸せを守るためなら何でもしよう。
ライはそう心に誓った。
〈完〉
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