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Ⅶ 二人のオメガと二人のアルファ
②※
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「よし。サンドウィッチ、果実水、お茶、果物。これだけあればランチになるかな?」
侍女に出かけたいことを伝えて軽食を準備してもらった。セレスの部屋で荷物を確認する。
「十分だよ。馬車で行くよね?」
「もちろん。ちなみにカロール殿下とドーラ殿下も誘う?」
「うん。そうだね。ニッゼン家の湖畔の美しさは見せておくべきだろ。じゃ、ここからはリンじゃなくてリーン殿下でよろしく」
「あはは。ボロが出そうだ。そう言えばリンはどこまで覚えているの? 本当に記憶喪失?」
「あぁ、それね。セレスには話しても良いかなぁ。記憶はあるよ。記憶喪失は都合のいい嘘」
「やっぱり。でも、どうして?」
「いや、どうしてって言われても。そんなの分かり切ったことじゃないか」
「え?」
「アローラ国では僕がリンとして存在したら、ダメだろうね」
国外追放となったことを思い出し、リンの心が一気に沈み込む。急に気持ちが沈んだことで眩暈がする。背中の焼き印がズキズキ痛む。それ以上何も言うことが出来ずにリンは頭を押さえて目を閉じる。
「リン? だ、大丈夫? ごめん。あの、辛いことを思い出させるつもりはなかったんだ。ごめん。少し横になって」
「……うん。ちょっと、一人にして」
ソファーに横になって痛みに耐える。そっと傍を離れるセレス。部屋に一人になるとリンは痛む背中を丸めて「う~~」と唸り声を上げた。冷汗が出る。早く痛みが落ち着いてくれないと湖畔へのお出かけが出来なくなる。気持ちが焦る。
コンコンとノックが聞こえる。リンが返事をする間もなくドアが開く。
「リーン殿下、傍に行くよ?」
カロール殿下だ。身体を起こさないといけない。一呼吸して歯を食いしばり起きようとしたが。ふわりと良い匂いが漂う。
「リン、辛いときは起きなくて良いって。甘えていい。もう、我慢しなくていいんだ」
あっという間にソファーまで来ていたカロール殿下。
「どこか痛む? それとも気分が良くない?」
優しい声。リンは目を閉じて気持ちを持ち直す。今は辛いことを考えてはダメだ。全て心に封じ込めておかなくては。深呼吸をして目を開ける。眩暈は良くなっている。目の前の心配そうなカロール殿下に精一杯微笑みかける。
「大丈夫です。時々、こうなります。気になさらないでください」
「リン……」
「僕はリンではなくリーンです。どうぞリーンとお呼びください」
カロール殿下が困ったような顔でリンの額の汗を拭う。そのまま頬を優しく撫でるカロール殿下の大きな手。
「だが、君はリンだ。リーンではない、絶対に」
そのままカロール殿下がリンに近づく。リンの頬を手で包み込み、スローモーションの様に唇を合わせる。
驚いて薄く開いたリンの口にカロール殿下が舌を割り入れる。レロっと合わさる粘膜。独特の快感。リンの身体に流れ入るカロール殿下のフェロモン。ゾクリとリンの下腹部に響く快感。
「んっ」
堪えきれずにリンの喉から声が漏れる。少しの間、リンの口を蹂躙してから舌が抜け出る。名残惜しそうにリンの唇を舐めて唇が離れる。思いがけないキスにリンの心臓がバクバクと鳴りだす。身体が熱くなる。
「ほら。リンのオメガの匂い。やっぱり、リンだ。俺の、俺だけのリンだ。このフェロモンを間違えるものか」
リンはザザ国の強いオメガフェロモン抑制剤を使っている。匂いが漏れることなどないはずだが、カロール殿下には分かったのだろうか。頭がボヤっとして考えがまとまらない。発情ではないが下半身がモゾモゾして落ち着かない。
「リン。大丈夫だ。俺に任せて」
そう言ったと思ったら、あっという間にリンのズボンをくつろげるカロール殿下。
「あの、ちょっと!」
「いいから」
リンのささやかな抵抗をものともせずカロール殿下が固くなったリンの性器を確かめるように手で触れる。
「愛らしい。俺のリンだ」「あぁ、美味しそうだ」と呟きながら愛撫する。舌を這わせ口に含まれ、味わうように愛撫されるとたまらずにリンの腰が揺れる。堪えてもリンの喉から嬌声が漏れた。その内にヌチっとした独特の液体が出始め、腰を突き出してリンは果てた。カロール殿下の口に出してしまった。
呆然とするリンの後腔にカロール殿下の指が触れる。後ろがオメガ特有の粘液でヌルついている。それを確かめるように触れられてリンは身体をビクっとさせる。
「少しだけ。リン。少し、触れたい」
欲望を必死に抑えているカロール殿下の顔。そんな顔を見て拒否できるワケもなくリンはコクリと頷いた。途端にズンっと挿し入るカロール殿下の指。
長い指がリンの中に埋め込まれる。快感にリンが「うぅ~~」と声を上げる。カロール殿下の膝の上にリンが抱き上げられる。身体の中も外もカロール殿下の匂いに包まれる。酩酊する良い匂い。
「温かい。リン、夢みたいだ。リンに触れている」
耳元で囁かれてリンは背筋がゾクゾクする。気持ちよすぎる。中に埋めた指がまるでセックスしているかのようにズンズンと抜き差しされる。奥の壁付近を突いて前立腺を擦り上げられて、その久しぶりの刺激にリンの目の前に星が飛んだ。チカチカして頭がショートする。
リンは二回目の吐精をした。カロール殿下は自身の性器をリンの性器と擦り合わせて達していた。リンは身体の力が入らず向かい合わせのカロール殿下に身を預けた。
(よく発情期に陥らなかったな。ザザ国の抑制剤は凄いなぁ)
荒い息を繰り返し、ぼんやりする頭で考えていた。
リンを抱き締めた後、カロール殿下がアルファ用ラット抑制剤を使った。リンはただその様子を眺めていた。
「ごめん。暴走した」
一呼吸落ち着くとカロール殿下がリンを綺麗にしてくれた。リンは何も言うことが出来なかった。
「思い出して。戻ってきて。あなたは俺の愛する婚約者だ。リンだ。もう二度と離れたくないんだよ……」
リンに縋り付くように項垂れるカロール殿下。胸が打たれる。リンだってカロール殿下が大好きだ。この腕の中に戻りたい。また抱きしめ合いたい。リンの想いが溢れそうになった時。
コンコン、と控えめなノック。
「カロール殿下、リーン殿下。大丈夫でしょうか?」
ドアの向こうからセレスの声。そうだ。ここはセレスの部屋だ。
リンは急激に恥ずかしくなる。人の部屋で何をやっているのだろう。
「だ、大丈夫です」
声に出してカロール殿下から離れる。立ちあがるリンの背に手が添えられる。背中の傷付近に触れられて一瞬ビクっと身体を固くしたが、痛みが無くなっていて安堵した。
「すみません。もう大丈夫です」
身なりを整えてドアを開けると、心配そうな顔をしたセレスとドーラ殿下が居た。
「リーン、調子が悪ければ寝ていてもいい。カロール殿下に看病してもらえ。俺は美しいセレス卿と湖畔のデートに行ってくるから」
ドーラ殿下が『セレスとのデートを邪魔するな』と目線で訴えてくる。相変わらずなドーラ殿下にリンは少し笑う。
「いえ。僕も行ってみたいので、ご一緒させてください」
リンの一言にドーラ殿下が『はぁぁぁ? ちょっと空気を読んでくれるかなぁ?』と顔で訴えてくる。その変顔を正面から見たカロール殿下がブハっと笑う。リンは慣れているので心を無にしてやり過ごす。
「え? カロール殿下? どうかされましたか?」
ドーラ殿下の表情を見ていなかったセレスは状況が分かっていない。そんなセレスにリンはニッコリ微笑む。
「セレス卿、気になさらずに。アルファって僕たちには理解が出来ないことをしますよね」
「ちょっと待ってくれ、リーン殿下。それは誤解だ。おかしいのはドーラだけだろう。俺はまともなアルファだ」
「おいおい、カロール。お前よく言うよなぁ」
軽口を叩き合っている殿下二人に驚く。敬称も敬語も使わず友人の様な態度。これには驚いてリンはセレスと顔を見合わせた。
「ま、とにかく昼食を持って湖畔にピクニックだ。ドーラ、護衛はどうする?」
「まぁ、五人くらいは連れて行かないと形式上まずいだろうな」
「じゃ、ザザ国の護衛三名にアローラ国の護衛三名でどうだ?」
「いんじゃないか?」
「オッケ。先導はアローラ国護衛がする。ザザ護衛は後方で。セレス、馬車はニッゼン家のものを借りられるか?」
流れる様なスピードのカロール殿下とドーラ殿下の会話にリンは聞いている事しか出来なかった。話を振られたセレスが焦っている様子が分かる。
「はい。すぐに手配いたします」
セレスが侍女に声をかけて、あっという間にお出かけ準備が整った。
侍女に出かけたいことを伝えて軽食を準備してもらった。セレスの部屋で荷物を確認する。
「十分だよ。馬車で行くよね?」
「もちろん。ちなみにカロール殿下とドーラ殿下も誘う?」
「うん。そうだね。ニッゼン家の湖畔の美しさは見せておくべきだろ。じゃ、ここからはリンじゃなくてリーン殿下でよろしく」
「あはは。ボロが出そうだ。そう言えばリンはどこまで覚えているの? 本当に記憶喪失?」
「あぁ、それね。セレスには話しても良いかなぁ。記憶はあるよ。記憶喪失は都合のいい嘘」
「やっぱり。でも、どうして?」
「いや、どうしてって言われても。そんなの分かり切ったことじゃないか」
「え?」
「アローラ国では僕がリンとして存在したら、ダメだろうね」
国外追放となったことを思い出し、リンの心が一気に沈み込む。急に気持ちが沈んだことで眩暈がする。背中の焼き印がズキズキ痛む。それ以上何も言うことが出来ずにリンは頭を押さえて目を閉じる。
「リン? だ、大丈夫? ごめん。あの、辛いことを思い出させるつもりはなかったんだ。ごめん。少し横になって」
「……うん。ちょっと、一人にして」
ソファーに横になって痛みに耐える。そっと傍を離れるセレス。部屋に一人になるとリンは痛む背中を丸めて「う~~」と唸り声を上げた。冷汗が出る。早く痛みが落ち着いてくれないと湖畔へのお出かけが出来なくなる。気持ちが焦る。
コンコンとノックが聞こえる。リンが返事をする間もなくドアが開く。
「リーン殿下、傍に行くよ?」
カロール殿下だ。身体を起こさないといけない。一呼吸して歯を食いしばり起きようとしたが。ふわりと良い匂いが漂う。
「リン、辛いときは起きなくて良いって。甘えていい。もう、我慢しなくていいんだ」
あっという間にソファーまで来ていたカロール殿下。
「どこか痛む? それとも気分が良くない?」
優しい声。リンは目を閉じて気持ちを持ち直す。今は辛いことを考えてはダメだ。全て心に封じ込めておかなくては。深呼吸をして目を開ける。眩暈は良くなっている。目の前の心配そうなカロール殿下に精一杯微笑みかける。
「大丈夫です。時々、こうなります。気になさらないでください」
「リン……」
「僕はリンではなくリーンです。どうぞリーンとお呼びください」
カロール殿下が困ったような顔でリンの額の汗を拭う。そのまま頬を優しく撫でるカロール殿下の大きな手。
「だが、君はリンだ。リーンではない、絶対に」
そのままカロール殿下がリンに近づく。リンの頬を手で包み込み、スローモーションの様に唇を合わせる。
驚いて薄く開いたリンの口にカロール殿下が舌を割り入れる。レロっと合わさる粘膜。独特の快感。リンの身体に流れ入るカロール殿下のフェロモン。ゾクリとリンの下腹部に響く快感。
「んっ」
堪えきれずにリンの喉から声が漏れる。少しの間、リンの口を蹂躙してから舌が抜け出る。名残惜しそうにリンの唇を舐めて唇が離れる。思いがけないキスにリンの心臓がバクバクと鳴りだす。身体が熱くなる。
「ほら。リンのオメガの匂い。やっぱり、リンだ。俺の、俺だけのリンだ。このフェロモンを間違えるものか」
リンはザザ国の強いオメガフェロモン抑制剤を使っている。匂いが漏れることなどないはずだが、カロール殿下には分かったのだろうか。頭がボヤっとして考えがまとまらない。発情ではないが下半身がモゾモゾして落ち着かない。
「リン。大丈夫だ。俺に任せて」
そう言ったと思ったら、あっという間にリンのズボンをくつろげるカロール殿下。
「あの、ちょっと!」
「いいから」
リンのささやかな抵抗をものともせずカロール殿下が固くなったリンの性器を確かめるように手で触れる。
「愛らしい。俺のリンだ」「あぁ、美味しそうだ」と呟きながら愛撫する。舌を這わせ口に含まれ、味わうように愛撫されるとたまらずにリンの腰が揺れる。堪えてもリンの喉から嬌声が漏れた。その内にヌチっとした独特の液体が出始め、腰を突き出してリンは果てた。カロール殿下の口に出してしまった。
呆然とするリンの後腔にカロール殿下の指が触れる。後ろがオメガ特有の粘液でヌルついている。それを確かめるように触れられてリンは身体をビクっとさせる。
「少しだけ。リン。少し、触れたい」
欲望を必死に抑えているカロール殿下の顔。そんな顔を見て拒否できるワケもなくリンはコクリと頷いた。途端にズンっと挿し入るカロール殿下の指。
長い指がリンの中に埋め込まれる。快感にリンが「うぅ~~」と声を上げる。カロール殿下の膝の上にリンが抱き上げられる。身体の中も外もカロール殿下の匂いに包まれる。酩酊する良い匂い。
「温かい。リン、夢みたいだ。リンに触れている」
耳元で囁かれてリンは背筋がゾクゾクする。気持ちよすぎる。中に埋めた指がまるでセックスしているかのようにズンズンと抜き差しされる。奥の壁付近を突いて前立腺を擦り上げられて、その久しぶりの刺激にリンの目の前に星が飛んだ。チカチカして頭がショートする。
リンは二回目の吐精をした。カロール殿下は自身の性器をリンの性器と擦り合わせて達していた。リンは身体の力が入らず向かい合わせのカロール殿下に身を預けた。
(よく発情期に陥らなかったな。ザザ国の抑制剤は凄いなぁ)
荒い息を繰り返し、ぼんやりする頭で考えていた。
リンを抱き締めた後、カロール殿下がアルファ用ラット抑制剤を使った。リンはただその様子を眺めていた。
「ごめん。暴走した」
一呼吸落ち着くとカロール殿下がリンを綺麗にしてくれた。リンは何も言うことが出来なかった。
「思い出して。戻ってきて。あなたは俺の愛する婚約者だ。リンだ。もう二度と離れたくないんだよ……」
リンに縋り付くように項垂れるカロール殿下。胸が打たれる。リンだってカロール殿下が大好きだ。この腕の中に戻りたい。また抱きしめ合いたい。リンの想いが溢れそうになった時。
コンコン、と控えめなノック。
「カロール殿下、リーン殿下。大丈夫でしょうか?」
ドアの向こうからセレスの声。そうだ。ここはセレスの部屋だ。
リンは急激に恥ずかしくなる。人の部屋で何をやっているのだろう。
「だ、大丈夫です」
声に出してカロール殿下から離れる。立ちあがるリンの背に手が添えられる。背中の傷付近に触れられて一瞬ビクっと身体を固くしたが、痛みが無くなっていて安堵した。
「すみません。もう大丈夫です」
身なりを整えてドアを開けると、心配そうな顔をしたセレスとドーラ殿下が居た。
「リーン、調子が悪ければ寝ていてもいい。カロール殿下に看病してもらえ。俺は美しいセレス卿と湖畔のデートに行ってくるから」
ドーラ殿下が『セレスとのデートを邪魔するな』と目線で訴えてくる。相変わらずなドーラ殿下にリンは少し笑う。
「いえ。僕も行ってみたいので、ご一緒させてください」
リンの一言にドーラ殿下が『はぁぁぁ? ちょっと空気を読んでくれるかなぁ?』と顔で訴えてくる。その変顔を正面から見たカロール殿下がブハっと笑う。リンは慣れているので心を無にしてやり過ごす。
「え? カロール殿下? どうかされましたか?」
ドーラ殿下の表情を見ていなかったセレスは状況が分かっていない。そんなセレスにリンはニッコリ微笑む。
「セレス卿、気になさらずに。アルファって僕たちには理解が出来ないことをしますよね」
「ちょっと待ってくれ、リーン殿下。それは誤解だ。おかしいのはドーラだけだろう。俺はまともなアルファだ」
「おいおい、カロール。お前よく言うよなぁ」
軽口を叩き合っている殿下二人に驚く。敬称も敬語も使わず友人の様な態度。これには驚いてリンはセレスと顔を見合わせた。
「ま、とにかく昼食を持って湖畔にピクニックだ。ドーラ、護衛はどうする?」
「まぁ、五人くらいは連れて行かないと形式上まずいだろうな」
「じゃ、ザザ国の護衛三名にアローラ国の護衛三名でどうだ?」
「いんじゃないか?」
「オッケ。先導はアローラ国護衛がする。ザザ護衛は後方で。セレス、馬車はニッゼン家のものを借りられるか?」
流れる様なスピードのカロール殿下とドーラ殿下の会話にリンは聞いている事しか出来なかった。話を振られたセレスが焦っている様子が分かる。
「はい。すぐに手配いたします」
セレスが侍女に声をかけて、あっという間にお出かけ準備が整った。
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