27 / 47
Ⅶ 二人のオメガと二人のアルファ
④
しおりを挟む
「それでさぁ聞いてよ、リン。ドーラ殿下は思っていたのと少し違うけれど良いアルファだと思うんだよ」
「良いアルファ、かぁ。それは間違いない。信念を持つと、それを貫き通すために不可能も可能にしちゃうスゴイところがあるよね」
夜になりセレスの部屋でベッドにゴロゴロしながら話している。リン用のベッドがセレスの部屋に用意されていた。リンがアローラ国王都に行く前みたいだと二人ではしゃいだ。昼間に動いて疲れているから早く休もうとベッドに入ったが、変な興奮でなかなか寝入れない。だから会話が弾んでしまう。
「うん。初めて会ったときに『セレスを迎えに来る。絶対に会いに来るから待っていて欲しい』と言われた。半信半疑で信じていたけれど、まさかあの人がザザ国王子で国交復活させちゃうとは驚いた」
「へえ。それを言うならセレスだってオメガの鏡だ。待っていて欲しい、の言葉を信じて発情期も一人で耐えていたのだから。お似合いの二人じゃないか」
「えへへ。そうかな?」
昼間の湖畔デートがよほど楽しかったのだろう。セレスは頬を染めて興奮気味にドーラ殿下の話をする。その様子が微笑ましい。その内にスヤスヤと可愛い寝息が聞こえる。ふふ、とリンは笑う。
(本当にセレスと過ごしているんだ。夢みたい。アルファ王子に嫌われる作戦を考えていたころが懐かしいな)
あの頃を思い出し、リンの頭に『王子殿下に嫌われるための十の作戦』が浮かぶ。そうだ。カロール殿下にリンを忘れてもらうために、あの作戦の奥の手がある。
最後の作戦だった『あなたが嫌いです』の言葉。
(もう僕は罪人なのだ。不敬罪になっても構わないじゃないか)
リンは自分に言い聞かせる。でも、リンの愛するカロール殿下に『あなたが嫌いだ』と言う場面を想像すれば苦しくて涙が流れた。その言葉を言うことが出来るだろうか。昼間の寂しそうに微笑むカロール殿下の顔が過る。リンの胸が痛くなる。
(泣いてばかりだ)
そんなことを考えてリンは眠りについた。
翌日午前にニッゼン子爵家を後にした。もう二度と来ることがないだろう。リンは心の中でセレスの生家に別れを告げた。
リンのジャルル伯爵家までは馬車で一時間。深呼吸して気持ちを切り替える。ここから先は、リンである片鱗を見せてはいけない。記憶喪失のリーン殿下でいなくては家族を不幸にしてしまう。
「リン、眠れなかった? 目が腫れている」
馬車に同席しているカロール殿下。心配そうにリンを見る殿下にリンは仮面の様な微笑みを向ける。
「いえ。夢見が悪かったようです。ご心配に及びません」
今日はドーラ殿下の提案で、ザザ国馬車にドーラ殿下とセレスで乗り、アローラ国の馬車にカロール殿下とリンで乗車している。
「そうか。少し寝ていく? って言ってもニッゼン家とジャルル家は隣同士だ。一時間もかからないからなぁ」
「景色を眺めて行きます」
「そうか。では、少し話そうか」
何の話だろう。話題の心当たりがありすぎてリンは恐る恐るカロール殿下を見る。
「あはは。そんなに怖がらなくていい。ただ、少しでもリンと会話していたいだけだよ」
心が揺れるからリーンと呼んで欲しいけれど昨日もそこについて進言しているため、これ以上は言えない。
「リンはなぜジャルル家が伯爵家なのに国境近くの辺境地に居ると思う? 国境付近は子爵から男爵家が狭領地に分けて管理管轄するものだ」
カロール殿下の言葉にリンは首を傾ける。言われるまで考えたことが無かった。隣のニッゼン家は子爵だ。殿下の言う通りアローラ国は田舎に行くほど爵位が低い。
「ジャルル家は特別な家柄だ。百年前、この地からザザ国との戦いが始まった。その時に国境を守りぬいた戦果からジャルル家は伯爵家になっている。国防軍が来るまでの数週間を耐え忍んだのはジャルル領地軍が優秀だったからだ。それからジャルル家は伯爵家となり一目置かれている。ちなみに今では国防軍特別参謀をジャルル伯爵が担っている。攻め入るならばこの国境だからな。国境で何かあれば国王への報告をせずに軍を動かす力をジャルル家に与えている。これはジャルル家の特権だ」
リンは自分の家の事なのに初耳だった。
「だから、国防を担うという点で伯爵家でありながら王城に登城する貴族の義務を免除している。この領地の領主を不在にすることが国の危機になりかねんからな」
リンは納得する。伯爵家なのに貴族との交流が少ない事、父があまり領地を離れない事。次期当主として兄が時々王都に行くが、父と一緒に同行することが少ない事など、思い当たることが沢山だ。
「知りませんでした。僕はオメガですしジャルル家の、そのあたりは教えてもらっていません」
「うん。それでいい。ジャルル家の裏事情はごく一部の者たちの秘密になっている。リンは俺の妃になれば知ることだからさ」
カロール殿下の言葉にリンは心臓がドキッとする。また失敗した。つい、リンとして会話をしてしまった。どう誤魔化していいのか分からなくてリンは身体を固くする。
「伯爵家があまり王都に来ないことでリンに出会うのが遅くなった。それは悔いている。今後はザザ国と友好国になりジャルル家が王都に来る回数が増えることを願う。リンが王城で父や兄に会えたら嬉しいだろう?」
返事が出来ないリンに微笑みを向けるカロール殿下。
「そう言えば昨夜、ドーラと飲んだよ。ドーラは面白い奴だな。へつらってくる遺族アルファとは違うな。言いたいこと言ってきて面食らうけれど、こちらの反応を鋭く観察しているところがある。あいつは敵に回したくない奴だな」
カロール殿下の言葉が分かりすぎる。ドーラ殿下の話題になり緊張から解き放たれる。
「そう思います。僕は結構ドーラ殿下が好きですけれど」
正直な気持ちを口にした。するとカロール殿下が何も言わない。不安になりカロール殿下を見れば口をへの字にして外を見ている。何だろう。
「リン、他のアルファを『好き』とか言うなよ。そう言えばさ、ルーにも『大好き』とか言ったことあるよな。俺の目の前でさ。あれは、ない。無いと思う」
思いっきり拗ねているカロール殿下にリンは吹きだしてしまった。笑いが込み上げる。
「いえ、だってあの時は……」
言おうとして気が付く。リンとしての言葉をこれ以上出してはいけない。ごくりと唾を飲みこむ。楽しい気持ちが一気に引いていく。
「申し訳ありません。何のお話なのか、分かりかねます」
頭を下げるリン。カロール殿下が残念そうに息を吐くのが伝わってきた。
(ごめんなさい。でもこれしか僕にはできる事がありません)
そう心の中で謝りながら、その後の静かな馬車の中を過ごした。リンの心が痛かった。
「良いアルファ、かぁ。それは間違いない。信念を持つと、それを貫き通すために不可能も可能にしちゃうスゴイところがあるよね」
夜になりセレスの部屋でベッドにゴロゴロしながら話している。リン用のベッドがセレスの部屋に用意されていた。リンがアローラ国王都に行く前みたいだと二人ではしゃいだ。昼間に動いて疲れているから早く休もうとベッドに入ったが、変な興奮でなかなか寝入れない。だから会話が弾んでしまう。
「うん。初めて会ったときに『セレスを迎えに来る。絶対に会いに来るから待っていて欲しい』と言われた。半信半疑で信じていたけれど、まさかあの人がザザ国王子で国交復活させちゃうとは驚いた」
「へえ。それを言うならセレスだってオメガの鏡だ。待っていて欲しい、の言葉を信じて発情期も一人で耐えていたのだから。お似合いの二人じゃないか」
「えへへ。そうかな?」
昼間の湖畔デートがよほど楽しかったのだろう。セレスは頬を染めて興奮気味にドーラ殿下の話をする。その様子が微笑ましい。その内にスヤスヤと可愛い寝息が聞こえる。ふふ、とリンは笑う。
(本当にセレスと過ごしているんだ。夢みたい。アルファ王子に嫌われる作戦を考えていたころが懐かしいな)
あの頃を思い出し、リンの頭に『王子殿下に嫌われるための十の作戦』が浮かぶ。そうだ。カロール殿下にリンを忘れてもらうために、あの作戦の奥の手がある。
最後の作戦だった『あなたが嫌いです』の言葉。
(もう僕は罪人なのだ。不敬罪になっても構わないじゃないか)
リンは自分に言い聞かせる。でも、リンの愛するカロール殿下に『あなたが嫌いだ』と言う場面を想像すれば苦しくて涙が流れた。その言葉を言うことが出来るだろうか。昼間の寂しそうに微笑むカロール殿下の顔が過る。リンの胸が痛くなる。
(泣いてばかりだ)
そんなことを考えてリンは眠りについた。
翌日午前にニッゼン子爵家を後にした。もう二度と来ることがないだろう。リンは心の中でセレスの生家に別れを告げた。
リンのジャルル伯爵家までは馬車で一時間。深呼吸して気持ちを切り替える。ここから先は、リンである片鱗を見せてはいけない。記憶喪失のリーン殿下でいなくては家族を不幸にしてしまう。
「リン、眠れなかった? 目が腫れている」
馬車に同席しているカロール殿下。心配そうにリンを見る殿下にリンは仮面の様な微笑みを向ける。
「いえ。夢見が悪かったようです。ご心配に及びません」
今日はドーラ殿下の提案で、ザザ国馬車にドーラ殿下とセレスで乗り、アローラ国の馬車にカロール殿下とリンで乗車している。
「そうか。少し寝ていく? って言ってもニッゼン家とジャルル家は隣同士だ。一時間もかからないからなぁ」
「景色を眺めて行きます」
「そうか。では、少し話そうか」
何の話だろう。話題の心当たりがありすぎてリンは恐る恐るカロール殿下を見る。
「あはは。そんなに怖がらなくていい。ただ、少しでもリンと会話していたいだけだよ」
心が揺れるからリーンと呼んで欲しいけれど昨日もそこについて進言しているため、これ以上は言えない。
「リンはなぜジャルル家が伯爵家なのに国境近くの辺境地に居ると思う? 国境付近は子爵から男爵家が狭領地に分けて管理管轄するものだ」
カロール殿下の言葉にリンは首を傾ける。言われるまで考えたことが無かった。隣のニッゼン家は子爵だ。殿下の言う通りアローラ国は田舎に行くほど爵位が低い。
「ジャルル家は特別な家柄だ。百年前、この地からザザ国との戦いが始まった。その時に国境を守りぬいた戦果からジャルル家は伯爵家になっている。国防軍が来るまでの数週間を耐え忍んだのはジャルル領地軍が優秀だったからだ。それからジャルル家は伯爵家となり一目置かれている。ちなみに今では国防軍特別参謀をジャルル伯爵が担っている。攻め入るならばこの国境だからな。国境で何かあれば国王への報告をせずに軍を動かす力をジャルル家に与えている。これはジャルル家の特権だ」
リンは自分の家の事なのに初耳だった。
「だから、国防を担うという点で伯爵家でありながら王城に登城する貴族の義務を免除している。この領地の領主を不在にすることが国の危機になりかねんからな」
リンは納得する。伯爵家なのに貴族との交流が少ない事、父があまり領地を離れない事。次期当主として兄が時々王都に行くが、父と一緒に同行することが少ない事など、思い当たることが沢山だ。
「知りませんでした。僕はオメガですしジャルル家の、そのあたりは教えてもらっていません」
「うん。それでいい。ジャルル家の裏事情はごく一部の者たちの秘密になっている。リンは俺の妃になれば知ることだからさ」
カロール殿下の言葉にリンは心臓がドキッとする。また失敗した。つい、リンとして会話をしてしまった。どう誤魔化していいのか分からなくてリンは身体を固くする。
「伯爵家があまり王都に来ないことでリンに出会うのが遅くなった。それは悔いている。今後はザザ国と友好国になりジャルル家が王都に来る回数が増えることを願う。リンが王城で父や兄に会えたら嬉しいだろう?」
返事が出来ないリンに微笑みを向けるカロール殿下。
「そう言えば昨夜、ドーラと飲んだよ。ドーラは面白い奴だな。へつらってくる遺族アルファとは違うな。言いたいこと言ってきて面食らうけれど、こちらの反応を鋭く観察しているところがある。あいつは敵に回したくない奴だな」
カロール殿下の言葉が分かりすぎる。ドーラ殿下の話題になり緊張から解き放たれる。
「そう思います。僕は結構ドーラ殿下が好きですけれど」
正直な気持ちを口にした。するとカロール殿下が何も言わない。不安になりカロール殿下を見れば口をへの字にして外を見ている。何だろう。
「リン、他のアルファを『好き』とか言うなよ。そう言えばさ、ルーにも『大好き』とか言ったことあるよな。俺の目の前でさ。あれは、ない。無いと思う」
思いっきり拗ねているカロール殿下にリンは吹きだしてしまった。笑いが込み上げる。
「いえ、だってあの時は……」
言おうとして気が付く。リンとしての言葉をこれ以上出してはいけない。ごくりと唾を飲みこむ。楽しい気持ちが一気に引いていく。
「申し訳ありません。何のお話なのか、分かりかねます」
頭を下げるリン。カロール殿下が残念そうに息を吐くのが伝わってきた。
(ごめんなさい。でもこれしか僕にはできる事がありません)
そう心の中で謝りながら、その後の静かな馬車の中を過ごした。リンの心が痛かった。
313
あなたにおすすめの小説
黒とオメガの騎士の子育て〜この子確かに俺とお前にそっくりだけど、産んだ覚えないんですけど!?〜
せるせ
BL
王都の騎士団に所属するオメガのセルジュは、ある日なぜか北の若き辺境伯クロードの城で目が覚めた。
しかも隣で泣いているのは、クロードと同じ目を持つ自分にそっくりな赤ん坊で……?
「お前が産んだ、俺の子供だ」
いや、そんなこと言われても、産んだ記憶もあんなことやこんなことをした記憶も無いんですけど!?
クロードとは元々険悪な仲だったはずなのに、一体どうしてこんなことに?
一途な黒髪アルファの年下辺境伯×金髪オメガの年上騎士
※一応オメガバース設定をお借りしています
【完結済み】準ヒロインに転生したビッチだけど出番終わったから好きにします。
mamaマリナ
BL
【完結済み、番外編投稿予定】
別れ話の途中で転生したこと思い出した。でも、シナリオの最後のシーンだからこれから好きにしていいよね。ビッチの本領発揮します。
[離婚宣告]平凡オメガは結婚式当日にアルファから離婚されたのに反撃できません
月歌(ツキウタ)
BL
結婚式の当日に平凡オメガはアルファから離婚を切り出された。お色直しの衣装係がアルファの運命の番だったから、離婚してくれって酷くない?
☆表紙絵
AIピカソとAIイラストメーカーで作成しました。
りんご成金のご令息
けい
BL
ノアには前世の記憶はあったがあまり役には立っていなかった。そもそもあまりにもあいまい過ぎた。魔力も身体能力も平凡で何か才能があるわけでもない。幸いにも裕福な商家の末っ子に生まれた彼は、真面目に学んで身を立てようとコツコツと勉強する。おかげで王都の学園で教育を受けられるようになったが、在学中に両親と兄が死に、店も乗っ取られ、残された姉と彼女の息子を育てるために学園を出て冒険者として生きていくことになる。
それから二年がたち、冒険者としていろいろあった後、ノアは学園の寮で同室だった同級生、ロイと再会する。彼が手を貸してくれたおかげで、生活に余裕が出て、目標に向けて頑張る時間もとれて、このまま姉と甥っ子と静かに暮らしていければいいと思っていたところ、姉が再婚して家を出て、ノアは一人になってしまう。新しい住処を探そうとするノアに、ロイは同居を持ち掛ける。ロイ×ノア。ふんわりした異世界転生もの。
他サイトにも投稿しています。
処刑エンドの悪役公爵、隠居したいのに溺愛されてます
ひなた翠
BL
目が覚めたら、やり込んだBLゲームの悪役公爵になっていた。
しかも手には鞭。目の前には涙を浮かべた美少年。
——このままじゃ、王太子に処刑される。
前世は冴えない社畜サラリーマン。今世は冷徹な美貌を持つ高位貴族のアルファ。
中身と外見の落差に戸惑う暇もなく、エリオットは処刑回避のための「隠居計画」を立てる。
囚われのオメガ・レオンを王太子カイルに引き渡し、爵位も領地も全部手放して、ひっそり消える——はずだった。
ところが動くほど状況は悪化していく。
レオンを自由にしようとすれば「傍にいたい」と縋りつかれ、
カイルに会えば「お前の匂いは甘い」と迫られ、
隠居を申し出れば「逃げるな」と退路を塞がれる。
しかもなぜか、子供の頃から飲んでいた「ビタミン剤」を忘れるたび、身体がおかしくなる。
周囲のアルファたちの視線が絡みつき、カイルの目の色が変わり——
自分でも知らなかった秘密が暴かれたとき、逃げ場はもう、どこにもなかった。
誰にも愛されなかった男が、異世界で「本当の自分」を知り、運命の番と出会う——
ギャップ萌え×じれったさ×匂いフェチ全開の、オメガバース転生BL。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
冤罪で追放された王子は最果ての地で美貌の公爵に愛し尽くされる 凍てついた薔薇は恋に溶かされる
尾高志咲/しさ
BL
旧題:凍てついた薔薇は恋に溶かされる
🌟第10回BL小説大賞(2022年)奨励賞。2025年11月アンダルシュノベルズより刊行🌟
ロサーナ王国の病弱な第二王子アルベルトは、突然、無実の罪状を突きつけられて北の果ての離宮に追放された。王子を裏切ったのは幼い頃から大切に想う宮中伯筆頭ヴァンテル公爵だった。兄の王太子が亡くなり、世継ぎの身となってからは日々努力を重ねてきたのに。信頼していたものを全て失くし向かった先で待っていたのは……。
――どうしてそんなに優しく名を呼ぶのだろう。
お前に裏切られ廃嫡されて最北の離宮に閉じ込められた。
目に映るものは雪と氷と絶望だけ。もう二度と、誰も信じないと誓ったのに。
ただ一人、お前だけが私の心を凍らせ溶かしていく。
執着攻め×不憫受け
美形公爵×病弱王子
不憫展開からの溺愛ハピエン物語。
◎書籍掲載は、本編と本編後の四季の番外編:春『春の来訪者』です。
四季の番外編:夏以降及び小話は本サイトでお読みいただけます。
なお、※表示のある回はR18描写を含みます。
🌟第10回BL小説大賞での応援ありがとうございました!
🌟本作は旧Twitterの「フォロワーをイメージして同人誌のタイトルつける」タグで貴宮あすかさんがくださったタイトル『凍てついた薔薇は恋に溶かされる』から思いついて書いた物語です。ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる