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桃太郎 番外編
レンアイフィルター
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「おっはよー!」
後ろから聞こえた声に、俺は振り返る。いつものピンクカーディガンが目に入って、相変わらずわかりやすいな、と思った。
「おはよう、桃。今日は大場さんと一緒じゃないの?」
「そーなの! 今日あたし寝坊しちゃって、おいてかれちゃったん! 酷くない?」
桃は息を切らしながら一真に答えた。そういえば、こいつ、朝だけはいつも早かった。朝教室を通りかかると、いつも一緒にいる黒髪とおしゃべりに興じている。その度に、よく回る口だな、と思う。
はた、とその姿を見ていると、なんだか違和感を感じる。何がおかしいとかはうまくは言えないけど、なんか、こう……。
「お前、今日、顔違くね」
「え」
なんとなくだけど。なんとなくいつもと違う気がして、思わず口に出た。すると桃は、ハッとして両手で顔を隠す素振りをした。
「や、やっぱわかっちゃう!? 時間なくていつもよりテキトーに済ませちゃったから……!」
あぁ、なるほどな。だから違和感を感じたんだ。いつもバッチリ作られていて、それを見慣れてるから。
「わーん、サイアク。祐樹にも分かられちゃうなんて! やっぱ急いでメイク直してこよ!」
「おい、俺にもってどういうことだ!」
「ゆーき、かずまっ! またお昼にね!」
こうなると、あいつの動きは早い。颯爽とかけていき、すぐさま自分の教室へと消えた。
「……祐樹ってさぁ」
「あ?」
「見てないようで見てるよね。あ、それは桃限定か」
「なっ……! ちげーよ!」
思わず否定すると、いつの間にか一真の教室についていて、一真はニヤニヤしながら教室に入ってった。反論する気も失せて、俺は眉を顰めて自分の教室へと向かった。桃の教室の横を通り過ぎるとき、ちらりと横目で見てしまう。でけー鏡を片手に、せっせと顔を作る桃が見えた。
別に、見慣れてるから気づいただけだ。俺が目ざとく見てるわけじゃ決してない。俺はさっさと目線をそらして、自分の教室に入っていった。
言った通り、昼に会った桃の顔は、やっぱりいつも通りに戻っていたのだった。
後ろから聞こえた声に、俺は振り返る。いつものピンクカーディガンが目に入って、相変わらずわかりやすいな、と思った。
「おはよう、桃。今日は大場さんと一緒じゃないの?」
「そーなの! 今日あたし寝坊しちゃって、おいてかれちゃったん! 酷くない?」
桃は息を切らしながら一真に答えた。そういえば、こいつ、朝だけはいつも早かった。朝教室を通りかかると、いつも一緒にいる黒髪とおしゃべりに興じている。その度に、よく回る口だな、と思う。
はた、とその姿を見ていると、なんだか違和感を感じる。何がおかしいとかはうまくは言えないけど、なんか、こう……。
「お前、今日、顔違くね」
「え」
なんとなくだけど。なんとなくいつもと違う気がして、思わず口に出た。すると桃は、ハッとして両手で顔を隠す素振りをした。
「や、やっぱわかっちゃう!? 時間なくていつもよりテキトーに済ませちゃったから……!」
あぁ、なるほどな。だから違和感を感じたんだ。いつもバッチリ作られていて、それを見慣れてるから。
「わーん、サイアク。祐樹にも分かられちゃうなんて! やっぱ急いでメイク直してこよ!」
「おい、俺にもってどういうことだ!」
「ゆーき、かずまっ! またお昼にね!」
こうなると、あいつの動きは早い。颯爽とかけていき、すぐさま自分の教室へと消えた。
「……祐樹ってさぁ」
「あ?」
「見てないようで見てるよね。あ、それは桃限定か」
「なっ……! ちげーよ!」
思わず否定すると、いつの間にか一真の教室についていて、一真はニヤニヤしながら教室に入ってった。反論する気も失せて、俺は眉を顰めて自分の教室へと向かった。桃の教室の横を通り過ぎるとき、ちらりと横目で見てしまう。でけー鏡を片手に、せっせと顔を作る桃が見えた。
別に、見慣れてるから気づいただけだ。俺が目ざとく見てるわけじゃ決してない。俺はさっさと目線をそらして、自分の教室に入っていった。
言った通り、昼に会った桃の顔は、やっぱりいつも通りに戻っていたのだった。
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