上 下
6 / 33
依頼内容開始

第6話  今後の方針

しおりを挟む
さて、これからどうするのか決めようと思う。新しい魔法のスキルのおかげで戦闘になっても余裕で対処できるだろう。優先的に何をする必要があるのか考えて行動するか。未だに外からはモンスターの叫び声、そして知らない誰かの悲鳴が聞こえてくる。風魔法のスキル『風読み』の影響か、以前よりも耳が良くなったおかげで、きっちりはっきり聞こえてくる。恐怖耐性のお陰か頭は冷静でいられる。
考慮すべき事は外に出るべきか、それともここで籠城するべきか。
「でも籠城するって言ったって、あまり食料がないなぁ……」
冷蔵庫の中には、碌な食材が残っていない。食パン数切れと卵、それに果物数種類に納豆、味付け肉、漬物。あとはカップラーメンが数個と酒のつまみ用の乾物が少し残っている程度。
「うーん、やっぱ、外に出て食料を調達するべきだよなあ……」
このままここで籠城するって手もあるけど、もしモンスターとかが乗り込んで来たら逃げ場がない。なにより食い物が少なすぎるから持って数日。更にモンスターが周囲に増えてれば、詰みだ。なにより、家の中での情報収集手段が皆無なのだ。多少のリスクを見ても、外に出て誰かほかの人と合流するなり、情報収集するなりした方が得策だろう。最悪、何かあればすぐ逃げればいい。獲得したスキルの性能は本物だ。それにモンスターに比べれば地の利はこっちにある。逃げに徹すれば、最悪死ぬことはない……筈。

優先すべき事柄をリスト化してみるか。
・外に出て食料や備品を回収して回る
・周囲の安全確認&人の捜索
・情報交換or協力化(状況による)
・マンションの住人確認

こんな感じだろうか、一番優先するのはやはり食料や備品回収かね。食料を確保するなら近くのコンビニとアパートに行ってみよう。そしたら生き残った人たちもいるかも知れない。周囲の安全確認は食料の次に優先するべきか。情報交換はいいかもしれないが、相手を考えないとトラブルの元だろう。俺のチートみたいな能力を知ればきっとあれこれと要求をされるだろう。尋問や口が上手い奴が居れば、俺は隠し通せる自信がない。食料についても分けろと言われるだろう。『こんな状況だ』、『困った時はお互い様だろ?』とか、そんな都合のいい方便を並べられて。……考えただけでめんどくさい。よし、情報交換をする相手はよく考えよう。

あらかたの方針が決まったからそろそろ行こうかね。元気よく行こう!

「外の世界へlet's go~」
なんちって。
しおりを挟む

処理中です...